フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
ザフトの不満点を聞かせてください
トリトマ「え?不満なところでやがりますか?そうですね・・・パイロットスーツを隊長が使っている分厚いタイプにして欲しいですね。あのスーツ、体型がくっきりするせいで周りからの目線が鬱陶しいんです」
フロンタル(まあ、そんだけ胸部装甲が大きければ目がいくわな・・・)
「マルキオ導師だと・・・?名前や彼の話は噂程度には聞いた事がある。シーゲル・クラインがまだご存命の時、彼を介して議会にオルバーニの譲歩案を提示した人物だったな。個人的にも調べてみたが、“SEEDを持つ者“の可能性を“遺伝子操作による優劣とは関係のない、ヒトと世界が融和しうる認識力の変革“であるという教えを説いていた男だった筈。なぜ彼がラクス・クラインを誘拐する必要がある?」
デュランダルの問いにフロンタルは机に置かれたティーカップを手に取り、ポットから紅茶を注いだ後、それを口にしてから一息して言った。
「マルキオが彼女やキラ君を誘拐した理由か。憶測になるがそれでも構わないかね?」
「ああ」
即答するデュランダルにフロンタルはティーカップを机に置き、自身の考えを話し始める。
「まず一つ目はラクス・クラインとキラ・ヤマトはヤツが説いていた“SEEDを持つ者“だと確信を得て誘拐したことだ」
「フロンタル。そのマルキオ導師が説くSEEDを持つ者とは一体なんだ?その辺りの詳しい説明を頼む」
「人類が進化を遂げるための可能性と奴は言っていたが、要は“ニュータイプ“に似たようなものだという認識程度で構わない」
「ニュータイプ・・・ああ、研究員時代に君が言っていた宇宙に適応した人類のことだったな」
「ああ」
アウラにはボロクソ言われたけどな!
けどまあ、SEEDを持つ者に関しては正直な話、俺もその辺りの解釈はかなり曖昧だ。
特性だけ見ればほぼニュータイプといってもいいソレだが、極限状態の戦場だけで覚醒するとなると、どうしてもニュータイプ能力の時間制限ありVerにか思えてならない。
いかんせんSEEDを持つ者はニュータイプと違って勘はそこまで鋭くない。だが、テレパシーの様なものや高い適応能力、空間認識能力があるのは共通する。
そして一番の違いは死んだ人間の残留思念の吸収と他ニュータイプとの思惟の融合だ。
トリトマの場合、その能力はまだかなり薄い。
だが、彼女がニュータイプであることには違いない。
それは彼女がシナンジュのコクピット内で行った会話だ。
その時の彼女は明らかに通信していたクルーゼとは違う“誰か"と話をしていた。
その話をしていた本人にも聞いたのだが、その本人もかなり曖昧だそうで『ジェネシスが発射されるぞ!気をつけろ!』と一方的に言われたそうなので彼女自身、それの受け答えが出来ない辺りまだ完全なニュータイプとして覚醒しきっていないのだろう。
今のトリトマですらその状態なのにアスランにボロ負けしたシンが死んだステラと会話していたのはコイツニュータイプじゃね?と思わなくもなかったが・・・
・・・話が逸れた。
「マルキオ導師は彼等こそが人々を導く者だと考えている節がある。だからこそ、彼等に人々を先へと導く指導者になってもらおうというのが一つだ」
ぶっちゃけこれは憶測の一つだ。
それにマルキオの性格上、それはあり得ないのでは?と思わなくはない。
「そしてもう一つは私の駒になっている彼女や監禁されているキラ君に同情でもして彼等を誘拐したかだな」
正直後者な気がする。
そもそもラクスって普通の生活がしたいって思っていただけの子だったし。
キラ君に関しても元々宿題とか放ったらかす面倒くさがりな子だった訳だし。
「なら何故オーブにいると断言出来る?彼ほどの男ならば他の国に逃げることも可能な筈だ」
「それに関しては消去法だ。プラントに関しては私の目がある。だからと言ってユーラシア連邦は論外だ。大西洋連邦はあり得なくもないが、紛争地域になっている場所にはいかないだろう。赤道連合に関してはこちら側ゆえ、見つかったらすぐに連絡される。ならば後はオーブだけだ」
それにマルキオはジャンク屋連合というツテがあるからカガリ達にバレずにオーブに入るのは簡単だろうしな。
「まあ、”アコードの連中”でなかったことだけが幸いだ。それに、奴等はキラ君を攫う理由もない」
もしアコードが彼女を攫ったのなら私が議長だった時ではなく、デュランダルが議長になっている今を狙う筈だ。そんでデュランダルをそのまま担ぎ上げる。
それが一番手っ取り早いか。
フロンタルのその言葉にデュランダルは制止の声を上げた。
「待て、フロンタル」
「どうした?」
その呼び止めに返事をすると、デュランダルはフロンタルを見ながらその口を開く。
「何故、アコードの事を知っている?私は君に話した事がない筈だ」
おっといけね。うっかり口が滑った。
「前に酒の席で口にしていたぞ」
「記憶にないのだが・・・」
「ベロンベロンに酔っていたからな」
あの時のレイのなんともいえない顔は今でも忘れんわ。
「そうか・・・いや、しかし”何故彼等がラクス・クラインを攫う必要がある”?」
デュランダルの口から出た”その言葉に”フロンタルは紅茶の飲む手を止めた。
違和感。
アコードがラクスを何故攫う必要がある?
今、デュランダルはそう言った。
何故、デュランダルは”ラクスがアコードだと言うことをしらない”?
「・・・デュランダル、一つ聞きたい」
「どうした?」
フロンタルは一拍入れた後、口を開く。
「・・・最後にアウラに会ったのは何時だ?」
その言葉に───
「最後にアウラに会ったのはいつだと?確か───」
返ってきた返事は───
「メンデルが廃棄された六年前だ」
それはフロンタルがデュランダルとクルーゼに会った日だった。
フロンタルさんは自分の部隊にスパイが入り込んでいたらどうするの?
フロンタル「スパイ?基本は泳がせているが、昔は違うぞ」
トリトマ「そうなんです?」
フロンタル「ああ。一任務行う前に部隊全員に即興で作った歌を覚えさせて任務が終わった後、その曲を歌わせる。そして歌えなかったものをスパイとして吊り上げていた」
トリトマ「・・・それ音痴な人が居たらどうするんですか?」
フロンタル「まとめて吊り上げるだけだが」