フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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少し短いですが投稿!


第二十話

「───逃がすかァッ!」

 

あまりに唐突な退却にシンは一瞬、反応が遅れた。

その遅れを取り戻そうとするようにクラディアのザクウォーリアも同時に動く。

それにしてもさっきのガイアは何だったのだ?あれほど執拗に攻撃をしかけてきた敵が、退却する直前の数秒間、完全に無防備になった。パイロットになにか不具合でもあったのか?

シンは先を行く三機を見上げながら考えていると、一機のザクウォーリアから通信が入った。

 

『連絡。白い機体のパイロットさん、聞こえていますか?』

 

「・・・誰だ?」

 

シンの思考は突然の通信に遮られる。サイドモニターを見ると、青い髪を三つ編みにした少女が映っていた。

 

『紹介。私はレオントッツォ隊のエムです。すみませんが私は隊長に議長や高官達の保護を優先するように言われていますので追撃はそちらでお願いします』

 

「・・・レオントッツォ隊だって?」

 

その部隊名にシンは思わずそう声を出してしまった。

何故ならその部隊の名はあまりにも有名だ。

元議長フル・フロンタルが率いる袖付きの精鋭部隊。

ザフトの誰もが憧れる最強の部隊と言っても過言ではない。

そのパイロットの一人がザクに乗って戦っていたのかという事実にシンは驚きを隠せなかった。

驚きを隠せないシンに先に戦っていたクラディアがその通信に入り込む。

 

『そちらはそちらの任務を遂行してください。私達はこのまま追撃します。丁度、増援も来ましたので』

 

彼女の言葉にシンはハッと我に返ると、もう一つのサイドモニターに白いザクファントムと赤いザクウォーリアが見えた。

レイとルナが乗る機体だ。

 

『感謝。では失礼します』

 

そう言って通信は切られた。

それと同時にレイから通信が入る。

 

『シン、クラディア。待たせたな。今からあの三機を追撃するぞ。外は潜伏していた連合の艦と防衛中だったナスカ級が交戦中だ。気を抜くなよ』

 

「分かってる!」

 

レイの言葉にシンは気合を入れ直し、レバーを強く握るのだった。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

フロンタルとトリトマの二人は車で工廠近くに存在する基地へと足を運んでいた。

突然来たフロンタル達が乗る軍用車両に警戒を露わにしていた兵士達が呼び止める。

 

「止まれ!今すぐ窓を開けろ!」

 

銃を構えながら怒鳴る兵士にフロンタルは車の窓を空けた。

 

「私だ。急いでいる。これでいいかね?」

 

「ふ、フロンタル司令官!?し、失礼しました!」

 

フロンタルの顔を確認した兵士達は慌てて銃を降ろし、謝罪する。

が、そんな事にフロンタルは気にする事なく、運転席からさっさと降りて助手席に座るトリトマに言った。

 

「トリトマ。私はここで降りて基地へと向かう。トリトマはこのまま八番エリアの六番倉庫へ向かってエムが乗るモビルスーツの"訓練機”をガランシェールへと運んでくれ。私はこのまま一部港以外全て封鎖し、軍を使って内通者をあぶり出す」

 

そう指示を出すフロンタルにトリトマは慌てて口を開いた。

 

「ちょっ・・・!?エムさんが乗るモビルスーツの訓練機って・・・どんな名前なのかだけは教えてください!」

 

急いで運転席に座るトリトマにフロンタルは言った。

 

「───TX-ff104”アリュゼウス”。今はまだ未完成だがエムに渡す予定のモビルスーツ、ペーネロペーの訓練機だ」

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