フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
「すまないな。トリトマ君」
デュランダルが申し訳ないという口調でねぎらう。
トリトマはオデュッセウスから降りた後、ミネルバの艦長室に通され、デュランダル議長と艦長であるタリア・グラディスの前に立っていた。
「いえ・・・私も一応は組織の人間でやがりますからあまり気にはしてねーです」
素っ気無くそう言うトリトマにデュランダルは言う。
「一応、あのモビルスーツは誰も触らせないようにしている。フロンタルとの確認がとれ次第になってしまうがすぐに帰れるようになるだろう」
「そもそもハッチ口に機体が入らなかったじゃねーですか」
「流石にあそこまで巨大なモビルスーツを収容出来るような設計ではないのでな・・・この艦に関しては」
そう言うデュランダルに対しタリアが口を開いた。
「話は終わったかしら?それでレオントッツォ隊長。今回の戦闘による増援として貴女には充分に感謝しているけれど貴女はどうしてあの戦闘に介入したのかしら?」
そう言うタリアにトリトマは言う。
「あのモビルスーツをガランシェールに運搬する際に介入せざるを得なかったんですよ。それ以外に理由いります?」
真っ当な理由だ。
だが、何故あのタイミングで運搬する必要がある?
タリアはトリトマにカマをかけてみた。
「ならなぜ襲撃をされたタイミングで運搬をしたのかしら?」
その言葉に対しトリトマは言った。
「私が知るわけねーですよ。 そういうことはキャプテンさんか隊長に全部任せてますので聞きたかったら本人に聞いてください」
そう言うトリトマにタリアは内心で頭を抱える。
この子──隊長という立場に向いていない
指揮する能力があまりない子が隊長とはレオントッツォ隊はどうなっているのだろうか?
あまりにもあんまりな答えにタリアは頭を悩ませていると通信が入った。
それをタリアは取ると、映像に映ったのはフロンタルだった。
『私だ。オデュッセウスの事について一悶着あったらしいが何か不都合なことでもあったかね?』
「ええ。フロンタル司令官、あのモビルスーツについて聞きたいことがあります」
「襲撃の際、あのモビルスーツを運搬していたとレオントッツォ隊長から聞いていますが、何故あのタイミングで"軍管理のモビルスーツ"を運搬したのか説明をしていただけないかと」
彼女の言葉にフロンタルはあっけからんとした様子だった。
『オデュッセウスが軍管理のモビルスーツ?タリア艦長。貴女は少し勘違いをしている』
「・・・勘違い?」
訝しげな顔をするタリアにフロンタルは言った。
『オデュッセウスは"私個人の資産"だ。あのモビルスーツをどう扱おうと私の勝手だろう?』
その言葉にタリアとトリトマは絶句した。
モビルスーツが個人の資産?聞いたことがない。個人でモビルスーツを開発するなどと。
『その反応から察するにデュランダル、言ってないな?』
「君がミノフスキー・クラフト技術を提供する代わりにモビルスーツを開発しても良いかとは聞いてはいたが、個人資産で作っていたのは流石に聞いていないぞ?」
『金は殆ど使ってなかったこともあって腐るほどある。それにあのモビルスーツはトリトマに次いで戦場にいることの多いエムに贈り物として渡す予定だった機体だ。勝手に軍管理にしてもらっては困るな』
「・・・つまりあの機体は"そちら”で管理するものだと?」
『その認識で構わない』
つまりあのモビルスーツは所属こそはザフトではあるが、管理化はフロンタルが率いる”袖付き”であり、こちらの管轄外だという。
もし、オデュッセウスと言われるあの機体を使いたければ持ち主である”フロンタル”と”袖付き”直々の許可を得なければ軍でも使用出来ないという事である。
「・・・わかりました。そういう事でしたら此方もこれ以上追求しません」
『理解が早くて助かる。後、タリア艦長。貴方に一つ言う事がある』
「・・・なんでしょう?」
頭が痛くなるような事実を聞いて頭の整理が追いつかないタリアはそう返事をすると、そんな彼女にフロンタルは言った。
『今回は此方の説明不足もあってなかった事にするが、同じ組織だとしても他指揮系統の”袖付き”に対する越権行為は頂けないな』
「・・・・申し訳ありません。その件に関しては出過ぎた行動でした」
『過ちを気に病むことはない。ただ認めて、次の糧にすればいい。それが大人の特権だ』
釘を刺しにくるフロンタルにタリアは謝罪をしつつも、胃を痛めるのだった。
フロンタルさんはどれだけお金を持ってるの?
コイツ、裏でロゴスとも関わっているので目茶苦茶持ってる。
それで実験施設で出た孤児達の保護をしたりしているあたり、完全な悪党とも言えないのがコイツのタチの悪いところ。