フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
『そう言えば・・・デュランダル。そちらにアスハ嬢が避難していると情報があるのだがその事は把握しているのかね?』
「え?」
タリアはフロンタルのその言葉にデュランダルの方を見る。
タリアの刺すような視線から目を逸らすデュランダルにフロンタルは呆れたように口を開く。
『その反応だと言っていなかったようだな?タリア艦長のご足労には同情する』
その厄介事の一つに言われてもと脳裏に過ぎるタリアだったが、それを飲み込んで眉間を押さえる。
厄介なことになった。この艦はこれから戦闘に向かうというのに───と考えるタリアの耳に別の通信が入った。
『艦長、そのご報告が・・・』
モニターに映ったのはこのミネルバのパイロットの一人、ルナマリアだ。何故か嫌な予感がした。
「・・・会議中よ。後にして」
『あ、すみません・・・では後に・・・』
そう言って切ろうとするルナマリアにデュランダルが引き止める。
「いや、いい。報告を続けたまえ」
「・・・議長!?」
デュランダルの判断にタリアはそちらに目を向ける。だが、デュランダルはその視線に気にすることなく、タリアに言う。
「今は情報が第一だ。報告を一つ後回しにして戦局が変わってしまっては元も子もない。フロンタルも良いか?」
『構わないとも』
フロンタルから許可を取った後、タリア達の耳に信じがたい言葉が届く。
『先ほど、デュランダル議長が連れてきたオーブ連合首長国代表カガリ・ユラ・アスハ代表がデュランダル議長への面会を希望いたしました・・・』
その報告に艦長室がシンと静かになる。
そしてその沈黙を破ったのはフロンタルだった。
『・・・・空気を読むことが出来ないのか?彼女は』
タリアは次から次へと出てくる問題に頭を抱えたくなった。
ただでさえ三機のモビルスーツを奪われ、アーモリーワンを目茶苦茶にされ、艦は進水式すら待たずに出航。それだけでも大事だというのに、今度はオーブの姫が面会を求めているだと?一つの艦に、一人の国家元首でも多すぎるというのに!
フロンタルは溜息が出る。
内通者を捕縛する為に全ての基地及び港を封鎖の指示に破壊された工廠の被害や死傷者の確認、そしてアリュゼウスを使用した事へのタリアの追求・・・クソ濃い半日だった。
そしてカガリとアスランはデュランダルと共にミネルバへと避難していると情報が上がったので聞いてみれば、わりと空気の読めないタイミングでの面会希望と来た。
カガリこーんなに無能ムーブする娘だっけか?SEED FREEDOMではもう少し空気を読める娘だと思ってたんだけど?
タリア艦長がおいたわし過ぎる。一件は自業自得とはいえ、それ以外は外部からの面倒事だ。昔の自分を思い出してフロンタルは仮面の下で遠い目になった。
と、一緒に話を聞いていたトリトマは気まずそうな表情で声を上げる。
「あの・・・私、ガランシェールに戻っても良いです?」
「ああ・・・そうだったな。すまない、すっかり忘れていた。護衛は・・・」
「いえ、いらねーです。どうせクラディアが来そうなので」
「そ、そうか。なら気をつけて戻ってくれ」
キッパリと護衛を断るトリトマにデュランダルは苦笑する。
「では、私は失礼します。・・・隊長、エムさんを迎えに行きますので隊長のいる基地に一度戻りますね」
『ああ。エムと一緒に待つとしよう』
その言葉を二人は交わしたあと、部屋の扉が閉まる。
『さて・・・私もそろそろ失礼させてもらう。まだやるべき事があるのでな』
「ああ、時間を取らせてすまない。フロンタル」
『お互いさまだ。もっとも・・・こっちは別の問題も対処しなければならんしな』
通信を切る直前、フロンタルが何かを言っていたが二人の耳にその言葉が届く事はなかった。
トリトマ達の生活事情
実はトリトマとエル、エムは三人同じ家で暮らしている。
トリトマの場合は実家があるのだが帰る気はない。ただ、クラディアの私生活やトリトマの紅茶を入れる際の礼儀作法を見るとかなり良いところのお嬢様だそう。
ただ、等の本人が記憶喪失+かなりガサツな性格+母親?を赤の他人にしか見えないので居づらいそう。
後はストーカー(妹)がいるので帰りたくない。
なお、家や家具はフロンタルさんが用意してくれたものだそうで元々はフロンタルさんの別荘だった。(なお等の本人は使わない家を持っていても仕方ないから売ろうとしていたし、丁度良いという理由で明け渡した)家具発注の際、ベッドサイズがワイドキング一つとシングル一つという構成だったそうで首を捻ったそう。
因みにフロンタルさん自身、家に帰らないで仕事場暮らししているそうでキャプテンやトリトマ含めてデュランダル達も問題視しているそう。