フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第二十八話

フロンタルは内通者を監禁している部屋の前へと足を運ぶ。

そしてドアノブに手をかけ、その扉を開けた。

無機質な部屋。その中心に椅子に縛られた男と彼を尋問していた尋問官が喚き散らしている。

 

「吐け!他の仲間は何処にいる!」

 

「他のやつが何処にいるかなんて知るかよ。それに俺は下っ端なんだ。作戦の全部を知らされちゃいない。知らされては、こういう時に白状しなくちゃならんだろ?」

 

「・・・ッ!この・・・ッ!」

 

人をからかうように笑う男に尋問官の男は怒りで顔を赤く染め、手を振りかぶる。

その手をフロンタルは掴み、止めた。

 

「やめないか。彼の扱いは今はまだ捕虜だ。”彼の処遇に関しては今後の彼の行動で決める"。異論はないだろう?」

 

「・・・・ッ!?」

 

ゾクリと悪寒が尋問官を襲う。

フロンタルから出る異質な気配に彼は逆らう事が出来ず、振り上げた拳を降ろした。

 

「・・・わかりました。貴方がそうおっしゃるのなら・・・」

 

「それでいい。私はこれから彼と話をする。付き添いはなくていい」

 

「よ、よろしいのですか?」

 

困惑する尋問官にフロンタルは「ああ」と答え、尋問官の男を部屋の外に出す。

そして前の椅子に座る捕虜の男と向かいあう。

 

「さて・・・これから君を尋問させてもらうが"俺"はあの男ほど優しくはない。お前たちの計画、部隊について全て話せ」

 

半ば脅しにも近い言い方で詰め寄るが、男は笑って答える。

 

「かの『袖付き』のアンタが直々に尋問するとはな。だが、俺は知らねえよ。彼奴等の計画もな」

 

「その様子だと主導犯については知っているみたいだな。吐け」

 

「そう簡単に答えるとでも?」

 

そう煽る男にフロンタルは言う。

 

「不必要な武力行使は望まないのだがな」

 

そう言ってフロンタルは机の上に置かれたステンレス製のコップを手に取り、それをまるで紙製のコップを潰すかのようにそれを握り潰した。

 

「お前の頭をコレのようにしても俺は構わないんだぞ?」

 

冷や汗を流す男は引き攣った笑みを顔に張り付けたまま言う。

 

「・・・そんなことしたら情報は手に入らんだろ?」

 

「そうだな。だが、お前をここで殺したとしても俺や軍としては不利益もない。・・・”ファントムペイン”なんだろう?そして主導犯はロゴスのロード・ジブリール」

 

その言葉に男は目を見開いた。

 

「なぜそれをと言った反応だな?こう見えて俺にはそちら側の情報を提供してくれる奴がいてな。お前たちの行動は大体分かっている。ユーラシア連邦もお前達にはうんざりしているそうじゃないか。ブルーコスモス過激派であるジブリールが裏で脅しをかけ、お前達を使って我々に戦争を仕掛けている。過激派連中の殆どはそちら側に行った事も知っているが、戦争をする為の兵器や資金は全てロゴス・・・いや、ジブリールだよりなんだろう?」

 

開いた口が塞がらない男にフロンタルはもう一度だけ言う。

 

「さて、もう一度だけ聞く。お前達を動かした部隊のリーダーは誰だ?」

 

その言葉に男の答えは一つしかなかった。

 

 

 

◇◇◇◇

 

 

 

「・・・はあ」

 

尋問が終わったフロンタルは大きなため息をついていた。

 

まさかファントムペインのリーダーがネオ・ロアノークとはなぁ・・・

 

あの男の口から出た男の名前は原作では記憶を無くしたムウ・ラ・フラガの名だった。

だが、それが問題でもあったな。

この世界のムウ・ラ・フラガはこの時点で生存していることだ。

あの大戦の後、キラを除いたアークエンジェル組の大半はオーブへと亡命している。というかそうしたと言った方が正しい。

その中にはムウ・ラ・フラガの名前もあった。

もしこの世界のネオ・ロアノークが仮にムウ・ラ・フラガだったとしてもステラ達の処遇に良しとは思わない・・・というか、向こう側には絶対に行かない筈だ。

そうなると択は二択。洗脳でもされたか、そもそもが偽物か。

予想としてはほぼ後者だろうとは思うが、前者に関してもここはガンダムだしなぁという嫌な信頼があるせいで捨てきれない。

 

頭が痛くなってきた。

 

もうそろそろ行われるであろうザラ派のコロニー落としも止めなきゃならんのになぜこうも頭が痛くなるようなことばかり起きるのか。

そう思いたくなるフロンタルであった。

 

 

 

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