フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
「しっかし、まだ信じらんない!マジ嘘みてえ」
赤い"ザクウォーリア"のコクピットに顔を突っ込んだヴィーノが、しみじみに言う。
「ああ・・・」
ヨウランがキーボードを叩きながらそう答えた。
「なんでいきなりこんなことになるんだよ」
ヴィーノの言い分も分かる。進水式もまだなのに、いきなり実戦に放り込まれてクルー達の戸惑いも多い。ましてや自分達のような新兵には初の実戦だ。
「でもまさか、これでこのままでかい戦争になっちゃったりは・・・しないよな?」
「ならないと思いたいけど、ね」
ただでさえザフトは大西洋連邦と手を組み、ユーラシア連邦・・・要はブルーコスモスの過激派と戦争を継続しているのだ。この事を皮切りに戦争が拡大することもあり得なくはないだろう。
シンは彼等の会話を聞きながら、格納庫の中を横切る。戦争───彼の目がかすかに翳る。
そんなものを誰が続けたいなどと思うだろう。それなのに敵地に潜入してそのモビルスーツを奪い、破壊を欲しいままにした敵の部隊の意図がわからない。
あんなことをしてそのままで済むと思っているのか?それとも彼奴等はソレを望んでいるというのだろうか?
考えながらシンは艦の外で牽引されていた"モビルアーマー”を思い出してヴィーノたちに訪ねた。
「なあ、あの外にある”モビルアーマー”のパイロット、誰なんだ?」
一応あの機体には助けてもらったのだ。パイロットに一言礼くらいは言っておくべきだろう。
「あのモビルスーツに乗ってたのは”袖付き”のレオントッツォ隊長よ」
その言葉に答えたのはルナマリアだ。彼女は自分の機体に向かって飛びながら大仰に肩をすくめる。
「レオントッツォ・・・って話にあったクラディアの?」
シンもその話は耳にした事がある。前の大戦で味方ごと巻き込む攻撃を放とうとしたザフトの攻撃をいち早く察知し、避難勧告をしたことで多くの命を救った英雄だと。
そんな彼女はモビルスーツの操縦技術も凄まじいものらしく、彼女が出た戦場は全て勝利していることからザフト内では勝利の女神として絶大な人気があるそうだ。
そしてそんな彼女は今、大西洋連邦と連携して前議長、フル・フロンタルと共に袖付きのエースパイロットとして各地のテロ活動の阻止を行っているそうだ。
そんな英雄の妹が同期にいるという話は一時期持ちきりだった事もあってか、シンも人並みには知っていた。
「そ。で、あれは袖付きが保有するモビルスーツだから私達も下手に触ることが出来ないの。一度だけあの機体に近付いて見るだけならって許可をもらって見たけど、コクピットとかジンやザク、インパルスに使われてるものとは全く違う見たことのないものだったから議長と艦長の許可が出るまでは近付くことはもう出来ないんだけどね」
全天周囲モニターとか初めて見たよと言うヴィーノたちを余所にルナマリアはシンに言う。
「それでさっきは大騒動だったんだから。でも今は別の事も話題で持ちきりになってるけど」
「別の話題?」
「そう!何でも一部避難民の中にあのオーブのアスハ代表がいたんだって!」
「オーブの、アスハ!?」
シンは思わず耳を疑った。オーブ、アスハ───どちらも彼にとっては特別な意味を持った名前だ。彼は壁を蹴って戻り、機体に取りついたルナマリアのそばに寄る。
「うん。私もびっくりした。こんなところでオーブのお姫様に会うとはね!」
シンの顔がこわばった。現在、オーブの国家元首を、自分達とほとんど年齢の変わらないアスハ家の少女が務めていることは、彼も知っていた。ヤキン・ドゥーエでの戦いにも身を投じ、フル・フロンタルやラクス・クラインと共に大戦を終結に導いたということで、オーブでは英雄扱いされていることも。
その事実に彼は苦々しい思いを抱かせる。
「どうしたの?シン」
「いや、何でもない」
ルナマリアはシンの表情に気づいた様子もなく、そう聞いてくるが、シンはそう言ってその場を離れる。
そして誰にも聞こえない声で呟いた。
「なんで・・・オーブの代表が此処にいるんだよ」
おまけ
〇〇しないと出られない部屋
フロンタル「なんだこれは」
トリトマ「き、キスをしないと出られねー部屋・・・」
クソッ。誰がこんな企画を考えやがった?トリトマを見てみろよ。顔がトマトみたいに真っ赤になってんじゃん。
トリトマ「あ、あの・・・どうします?このままだと出れねーみたいですし、その・・・」
フロンタル「扉を壊す」
トリトマ「・・・へ?」
扉を壊すとなると蹴り!ガンダムで蹴りと言えばこの男!
「スゥゥゥ・・・ハイパー銀色の脚スペシャアアアルッ!」
本物はビルを切り裂くレベルだが今の私には無理!だが、扉を破壊するのはこれで十二分!
トリトマ「・・・・」呆然
吹っ飛んだ扉を見てトリトマは呆然とした。
そして扉を壊した張本人は───
「ふぅ・・・」
おっしゃあああ!綺麗に決まったぁ!