フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第三十一話

トリトマ達を乗せたエレベーターが音を立てながら上昇している。

その中でデュランダル議長は牽制するようにカガリ達に説明した。

 

「今、向かっているモビルスーツデッキは艦のほぼ中心に位置するとお考えください。搭載可能機数は、流石に申し上げられませんし、現在はその数量が載っている訳でもありません」

 

(これ・・・他所の国の人に言って良い事なんですかね?)

 

デュランダル議長の顔を見つつ、内心でトリトマはそう思っていた。

情報とは自身の生命線であり、敵を攻略する為の鍵でもある。だからこそ信頼出来る仲間内以外には教えるな。

隊長の言い分だ。

そんな事を言うこともあってか、袖付きの情報管理はかなり厳しい。規則にも情報管理は徹底しろと書かれているくらいである。

 

(ぜってー袖付きだと隊長からの制裁がとんできますね)

 

弁舌に過ぎるデュランダル議長にトリトマはそう思っていると、チンッとエレベーターの到着音が室内に鳴り響く。

そしてエレベーターのドアが開いたとたん、広々とした格納庫にはずらりとザクが並んでいた。

 

「ZGMF──1000──“ザク”についてはもう既にご存知でしょう。現在のザフト軍主力の機体です」

 

モビルスーツに対する興味はトリトマと同様、アスランとカガリも思わず前に出て感嘆のまなざしをその空間に投げる。その眼前には四層になったデッキがあり、そこにアーモリーワンで見た白いモビルスーツが収容されていた。

 

「この”ミネルバ”最大の特徴ともいえる、この発進システムを使う”インパルス”───もうご覧になったそうですが?」

 

(インパルス・・・・・なーんか隊長とカミシラさんに見せてもらったコアブロックシステムってヤツに近い形をしてやがりますね)

 

そう思うトリトマに対し、デュランダルは話を続ける。

 

「技術者に言わせると、これはまったく新しい効率の良いモビルスーツシステムなんだそうですよ。私はフル・フロンタルと違って専門的なことはわかりませんがね」

 

その場に当の本人がいたら絶対にVガンダムの方が安上がりで済むぞと言うぞ。絶対に言うぞ。

 

デュランダルは得意げに言ったあと、カガリにからかうような目を向けた。

 

「───しかし、やはり姫はお気に召しませんか?」

 

カガリは一瞬の熱意に、かえって罪悪感を覚えたかのように硬い表情でいた。そんな彼女はデュランダルの言葉に反応し、挑むように言う。

 

「貴方は嬉しそうだな」

 

あまりに単純で子供じみたカガリの言葉に、デュランダルは失笑する。

 

「うれしい───というわけではありませんがね。ですがあの混乱の中から、みなで懸命に頑張り、ようやくここまでの力を持つことが出来たというのは、やはり・・・」

 

「”力"か・・・・」

 

カガリはやりきれない表情で呟き、キッとその目を上げる。

 

「争いがなくならぬから力が必要だ───とおっしゃったな、議長は」

 

まっすぐで硬質なカガリの視線を、デュランダルはどこまでも柔らかな物腰で受け止める。

 

「ええ」

 

「だが!このたびのことに関してはどうお考えになる!?たった三機の新型モビルスーツを奪おうとした連中のために、貴国が被ったあの被害のことは!?」

 

カガリのその言葉にデュランダルはまるで挑発するように聞き返す。

 

「だから、力など持つべきではないと?」

 

「そもそもなぜ必要なのだ!?そんなものが、いまさら!」

 

カガリはもどかしげに訴える。その声はしだいに大きくなり、モビルスーツデッキの高い天井に跳ね返って響く。

 

「我々は誓ったはずだ!もう悲劇は繰り返さないと!互いに手を取って歩む道を選ぶと!それなのに今もザフトと大西洋連邦はユーラシア連邦と戦争を続けているこのままでは駄目だと分かっているのに何故!?」

 

──その時、少年のものらしい声が下方から投げつけられた。

 

「さすが、きれいごとはアスハのお家芸だな!」

 

聞えよがしに発せられた嘲弄に、アスランは驚いて声の方を見やる。アスハという名を口にした以上、こちらが国賓級のVIPとわかっての発言に違いない。

 

「シン!」

 

ここまで先導してくれたレイという兵士が、怒りにやや表情を硬くして手すりを飛び越える。

彼の向かった先には同じ赤服を身につけた少年の後ろ姿があった。シンと呼ばれた少年は、ゆっくりと振り返り、挑むようにカガリを見上げる。彼の目を見たとたん、アスランの憤りは一瞬にて冷めた。

その瞳には燃え上がるような深紅だった。怒りに染まった、忘れようのない色。

アスランの隣で、カガリがたじろぎ、わずかに身を引いた、そのとき──

 

ヴーッ!ヴーッ!

 

トリトマのポケットから振動音が鳴り響く。

 

「・・・ちょっと失礼しますね」

 

そう言ってトリトマは携帯の画面をみると、それはフロンタルからの連絡だった。

そしてその内容に眉を顰める。

 

ザラ派の残党が動き出した。これから残党狩りの準備をする。私はエムと共に一度レウルーラへ戻る。トリトマも一度ガランシェールに戻り、ユニウスセブンで合流しろ。

 

そして指定された合流ポイントを見た後、トリトマはデュランダルに言った。

 

「議長さん。私はこれで失礼させてもらいます。隊長から次の作戦の指示が出ましたので」

 

「作戦?それはどう言ったものなのかね?」

 

そう問うてくる議長に彼女は肩をすくめる。

 

「わりーですが、それは議長さんでも秘密です。ただ、言ってもいい範囲だけならそうですね・・・ザラ派の残党狩りとだけ」

 

そう言ってトリトマはそのまま更衣室へと向かっていく。

そんな彼女を見送った後、デュランダルはカガリの方へと向き直り、今更ながら取り直すようにカガリに弁明した。

 

「本当に申し訳ない、姫。彼・・・シン・アスカはオーブからの移住者なので・・・。よもやあんなことを言うとは、思いもしなかったのですが・・・」

 

「えっ・・・」

 

理由がわからない表情だったカガリは、その言葉に衝撃を受けて、シンの消えた方向に目をやる。アスランはかすかな危惧と先ほどトリトマの言っていた残党狩りという言葉に対する動揺を胸に隠しながら、衝撃を受けたまま、どう返事をしたら良いのかわからない彼女を見つめていた。





???

今後出てくるかもしれないし、出てこないかもしれない機体


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