フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
『今、なんと・・・?』
アルバート・ハインラインはフロンタルのその言葉に顔を引き攣らせる。
天才が顔を引きつらせるくらいフロンタルが要求したシナンジュのスペックの内容は無茶苦茶なモノだった。
敵の量産機を複数と遠隔操作持ちのエース機、及びそしてどうせ出てくるモビルアーマーの上記と“連戦”出来た後、自分の反応速度についてくる機体性能と今以上の高速戦が出来るスペックを目の前の男は要求してきたのだ。
『設計図通りだと武装が破壊されたら終わりですよ?』
「敵の武器を奪えば問題ない」
『相手の火器管制システムにも対応しろと?』
目茶苦茶言ってくるこの男は更に一言、ハインラインに爆弾をブチ込んだ。
「後、納期は三ヶ月で頼む」
『は?』
「ゴフッ!?」
下手したらSEEDの原作、終わってるけど。
アナハイムが出来たしいけるよね。
『ちょっと待ってください、開発からですよ?いくら設計図があるとはいえ、未知の物質であるサイコフレームを使って初のインテンション・オートマチック・システムを搭載したワンオフモビルスーツを作りながらだといくらなんでも時間がありませんよ!?』
ただでさえ、フリーダムとジャスティスのロールアウト前のテスト最中で未知の技術を使って三ヶ月納期のワンオフ隊長機体を作れと?
機体の耐久チェックやOSも一から組まないといけない機体を無能な技術者を使って僅か三ヶ月で?
無理である。モビルスーツのフレームや装甲ならまだしも、内装のOSはすぐに組み上げられる訳がない。
特にシナンジュのコクピット周りは慎重にやらねばならない場所になるというのに。
もしそれが出来るとしたらあと自分が何人必要になることか。
そう言うハインラインだったが、フロンタルの方も退けない理由がある。
ラクス・クラインがフリーダムをキラに託す有名なあのシーン。
あれ、ラクスがスパイにフリーダムを渡したから行方不明になったラクスの代わりにシーゲル・クラインが殺されるのよね。
そうなったらパトリック・ザラにとって邪魔者は俺だけになるのよ。
フル・フロンタルと言う私がいる限り、絶対にジェネシスは撃てない。というか撃たせない。なら、その邪魔をする私を始末すれば撃てるよね?って状態にならない為にも仮組みでも必要になってくるのだ。
というかそうなったら今までの苦労が終わる。
「最悪コクピット周りや機体性能は後にアップデートをし、本来のシナンジュに近づかせればいい。だが、これからこの短期間で面倒事は更に増えるだろう。私の存在はザラ派にとってシーゲル・クラインに次いで面倒な存在だ。このまま連合との戦争が悪化すれば私の存在が邪魔になって消しに来る輩も出るだろう。だからこそ───」
『最大戦力になり得るシナンジュが必要になると。・・・分かりました。多少のスペックダウンと予算はギリギリになりますがジャスティスのコクピットを使いましょう。OSは───』
「OSは私が組み立てよう。これでも多少は心得がある」
『流石に開発部に任せる訳にはいきませんからね。すみませんがよろしくお願いします。全体的なデザインはシナンジュ・スタインの物を採用させていただきます。フリーダムとジャスティスの予備パーツとシグーや次期量産機のゲイツのパーツをかき集めさせて製作に取り掛かりますので失礼します』
「すまないな。そちらへと向かう日は後日連絡する」
『すみません、フロンタル隊長。では』
そして暗転する画面。
「・・・・・」
ハインラインとの打ち合わせが終わったフロンタルは小さく息を吐いた。
ああ、くそ。ザラ派は面倒な奴らが多いから早め早めに動かないと手遅れになる。
おかげでハインラインにもかなり迷惑をかけることになってしまった。突貫工事だぞ?突貫工事。アムロがνガンダムを作る時間と同じ三ヶ月定期なんだぞ?
普通は無理だぜ?そんな無茶苦茶は。
これからシナンジュのOSも組み上げなければならないから、キラに構ってられる時間もねえ。
そしてフロンタルは机の上に山積みになった報告書の読み上げに入るのだった。
この後の予期せぬ連絡に頭を抱えることになることを知らずに。
プロフィール5
ハインラインへの無茶ぶり。
ソレは多少スペックダウンしてもシナンジュを開発から始めて三ヶ月で納品して欲しいと言ったこと。
なお、アムロの時は更に十日ほどνガンダムの納品が速くなった。