フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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Q.シナンジュってどれくらい速いの?

A.流石にユニコーン(D)やデスティニー、ストフリ、カルラの 最大稼働時には負けます。

ただ、上記四機は実質制限時間ありの機動力なので燃費や高機動モードの使い勝手の良さではシナンジュが上。

なお、機体の運動性はシナンジュが運動性特化のストフリ、カルラを抜いて勝てる。
なお、ユニコーン。


第三十八話 再来の赤い彗星

───赤い彗星。

その名が広まったのは血のバレンタインと呼ばれる悲劇が起こる前、連合軍や当時移民国家として手を広げていたオーブにも一時期騒がれていた通り名だった。

 

艦艇《モントゴメリ》二隻と搭載されていた十五機のメビウスをたった一機の赤色の試作モデルのジンで全滅させた男がいる、と。

 

その主犯とされたのがフル・フロンタル。常に仮面を被り、赤い服と革のブーツを身につけた男だった。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「これより仕掛ける。まずは新型を黙らせ、彼等を撤退させる。私が彼等を引きつけよう。君達はミネルバの護衛を頼む」

 

そうシン達に告げ、フロンタルはモニターに映る三機を見る。

 

「さて、君達にはまだ"やってもらわなければならないこと"がある。ミネルバのクルーには悪いがここで引いてもらおうか」

 

流動するデブリの中を渡るシナンジュのコクピットの中でフロンタルは独り言のようにそう呟いた。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「なんだ!?コイツは!」

 

スティングは突如現れた赤いモビルスーツに驚愕した。

 

『クソッ!墜ちろよ!』

 

アウルが乗るアビスが赤いモビルスーツを撃墜しようと両肩のバインダー内に内蔵されたビーム砲から熱線が迸る。

だがその熱線はシナンジュに当たることなく、デブリを破壊し、目立つ赤い機影が見えなくなった。

だが次の瞬間、爆煙の中から山吹色のビームがアビスに向かって放たれる。

 

「アウル!」

 

『いッ!?』

 

アウルは間一髪のところで避けたが、恐らくさっきのあの攻撃は爆煙で見えていない状況化での牽制射撃だろう。

だが、アウルが避けていなければアビスの足に当たっていた筈だ。

見えていない状況化での牽制射撃であの精度。

そしてその熱源とデブリを利用してするりと自分達が張る弾幕の内側に掻い潜ってくる。かなりの手練れ───いや、デブリを使ってこちらに詰め寄ってくるそれは人間業とは思えない。

まるで自分達の弱点や盲点を知り尽くしているかのように、赤いモビルスーツはデブリの海の中を舞い、スティング達を追いつめる。

フレームやジェネレーターに多少の性能差があったとしても、同じモビルスーツだ。二倍、三倍の開きがあるという話はない。

だが、あの赤い機体に追いつけない。

一撃離脱を繰り返すあの機体をガイアの変形を駆使してステラは追いかけるが、宇宙という虚空を駆けるシナンジュからは更に距離が離れるばかり。

 

「なんで!どうして追いつけない!?」

 

見失った赤い機体を探しながらステラは苛立ちと焦りの声を見せる。

 

『ステラ!俺がヤツの先に回り込む!アウルも援護しろ!』

 

『分かってるよ!』

 

スティングはカオスの背部に搭載された機動ポッドを切り離し、ミサイルとビームによる牽制弾を放ち、アウルもアビスのその火力をフルに使って追い詰める。

それを数分間していると、進路上に流れてきたデブリに気を取られたのかシナンジュの動きが僅かに鈍った。

チャンスは見逃さないと言わんばかりに三人は牽制射撃を行い、回避したシナンジュをスティングのカオスが回り込む。

そのビームライフルから熱線が迸り、頭を押さえたシナンジュの動きが止まった一瞬を逃さず、アウルとステラは一斉に引き金を引いた。

 

「墜ちろおおおッ!」

 

『これで!』

 

二機の過剰とも言える射撃がシナンジュに殺到したが、彼等の攻撃をシナンジュは難なく躱し、それどころか反撃のビームを入れてきた。

 

『マズイ!?』

 

アウルは思いもしないタイミングできた攻撃に焦りを見せる。

シナンジュのビームライフルによる狙撃はアビスの脚部を破壊し、融解させた。

 

『クソッ!足をやられた!』

 

足を潰されたアウルは舌打ちをしながら毒づく。

 

『あのモビルスーツのパイロット、後ろにでも目がついてんのか!?』

 

完全に他の二機と交戦中だったにも関わらず、別方向からとんできた亜高速の弾を始めから来ることが分かっていたかのように避けるどころか、反撃で当てて見せたのだ。

当の機体は適当なデブリをひとつ蹴り、あり得ないという速度で彼等の包囲網を抜けた。

かつてない強敵にステラは悪寒を覚える。

 

「あのモビルスーツ、怖い・・・やっつけなきゃ・・・」

 

今まで彼女が感じたことのないプレッシャーが、全身を強張らせていく。そんな彼等の後方でガーティ・ルーが被弾の光を爆ぜらせた。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

その様子をレイと交戦していたネオが苦虫を噛み潰したような声で呻いた。

 

「嘘だと思いたかったが・・・間違いなくあの機体は"赤い彗星"だな」

 

ザフトらしい曲線で構成されたモビルスーツ。モノアイ式の頭部に猛禽類の翼に似たスラスター・ユニットを背負った機体の色は、目が覚めるような赤───。

地球連合やブルーコスモス内ではあの"白い悪魔"と同系列に扱われているほどに危険視されている機体だった。

 

「ヨーン、ミラー!撤退だ!あの赤い彗星が出てきた以上、袖付き本隊も近くにいる!奴等が出てくる前に逃げるぞ!」

 

並のナチュラルどころかステラ達もあのモビルスーツの交戦は無理だ。なんせ、今もステラ達はあの一機のモビルスーツに攻撃を当てるどころか遊ばれてさえいる。

それに本隊が来たら撤退どころの話ではない。

あの"白い悪魔"やスティング達が言っていた"巨大なモビルアーマー"がきたら全滅がオチだ。

 

「・・・何人生き残るかね」

 

生きた心地がしない。そう思うほどの緊張感にネオは冷や汗を流すのだった。




おまけ

トリトマ「あ、ハリー艦長さん。少し聞きたい事があるんですけど今、良いです?」

ハリー「聞きたいこと?なんでしょう?」

トリトマ「隊長、パイロットスーツ着てました?」

ハリー「そう言えば・・・着ていませんでしたね」

トリトマ「・・・エムさん、任務が終わったら隊長を〆にいかねーですか」

エム「首肯。約束を破る人はお仕置きしないといけません」
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