フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第十四話

「やはりオーブは地球軍に与していたんだ!条約を無視したのはあちらの方だ!」

 

「しかしアスハ代表は!」

 

「地球に住む者の言葉など当てになるものか!」

 

地球との戦いが始まってからもう飽きるほど聞いた無駄な話し合い。

フロンタルはその議員の話し合い中、内心で溜息を吐く。

もう何回目だよ?この私情が混じった会議。流石に飽きるわ。ナチュラルが悪い扱いするけどさ…ぶっちゃけ、俺等コーディネイターも悪いのよ?

当時はプラントに食料生産禁止って言われてて、その搾取に嫌気が差して、独立気運が高まって、地球理事国に無許可で農業コロニーの建造しちまったんだからさ。

しかもこれ、もともと地球理事国の所有物を無断で改造したんだから…そりゃ、あちらも怒るわ。

分かりやすい例で例えたら、自分の車を貸していたら本人の許可なしに勝手に改造して自分のモノですって言っているようなもんである。

まあでも、食料生産の禁止は流石にやり過ぎだとは思うけどね?地球理事の方もさ、ちょっとは考える頭あるだろ?何らかの事故で地球からプラントに輸送が出来なくなったらプラントは経済的に大ダメージを受けて立て直しが厳しくなると言うのに。

いや、アイツらはコーディネイターのことなんかどうでもいいか。

そんなくだらない言い争いが続く中、シーゲル・クラインが口を開いた。

 

「静粛に!」

 

その言葉に皆一同静かになる。

そして静かになった部屋で真っ先に口を開いたのはフロンタルだった。

 

「・・・これで少しは話が出来る。ご協力に感謝します。シーゲル・クライン殿。今回皆さんに報告すべきことがあり、私はこの席に出席しました」

 

フル・フロンタル。

滅多に席に座ることのない男だが、彼のナチュラルとの共存という目的にシーゲル・クラインも一目置いている男だった。

そんな彼は仮面の奥でその場にいる全員を見渡し、そして口を開いた。

 

「今回、行方不明になったラクス・クラインの捜索の際、私は連合の新型艦と遭遇し接触しました。そしてその接触の際、漂流し、行方不明だったラクス・クラインがその艦で保護されたのを確認出来たのです」

 

その言葉に何人かが困惑の声を上げる。

だが、フロンタルの言葉に否定的な人間もいた。

 

「馬鹿なことを!ナチュラルがそんなことをする理由がないだろう!」

 

だが、その言葉をフロンタルは否定する。

 

「ですが、今回の件で無事にラクス・クラインの保護が出来ています。クライン嬢にも何度か質問をしてみました。何もされていないか、と。その質問に彼女は何もされていないと答えたのです。ならば、この件は信憑性はあるでしょう」

 

そう言うフロンタルだが、噛みつく人物はいた。

 

「それは貴様がそう言わせているだけではないのか!」

 

ヘルマン・グールド。

ぶっちゃけ言う。おまえ本当に誰だよ?

いやね?本編に出ていたらしいことは聞いたことあるんよ?でもさ、ザラ派ってだけでめっちゃ影薄いんだよね。

そんな根も葉もないことを言う男にフロンタルは言った。

 

「そう思われても不思議ではありません。なので一度帰還したアスラン君に彼女と二人きりにして見ましたが、特に変わったことはないとおっしゃっていたので問題ないでしょう」

 

「・・・・ッ」

 

押し黙るヘルマン・グールド。

そんな彼にフロンタルは気にすることなく話を続ける。

 

「地球連合も…そしてオーブも一枚岩ではありません。過激派のブルーコスモスのことを良く思っていないナチュラルも一定数いることでしょう。ならばそんな彼等と交渉し、協力するのも一つの手です」

 

「ならばオーブのことはどうなる!条約を無視し、あのような兵器を作っていたんだぞ!」

 

「それについては後日、私が直接聞いてみましょう。ですが、彼等にも彼等なりの理由がある筈です」

 

「なに?」

 

その言葉に一部の議員は眉を寄せた。

 

「現状、オーブも連合からあまり良く思われていません。武力をあまり持たない彼等からすれば、いつ攻め込まれるか分からないこの状況から脱するべく、防衛出来る戦力を用意するのも分からなくはない。国の防衛の為、新たなモビルスーツを開発し、配備する。多少のリスクは背負ってでも私達も同じことをする筈です」

 

そう言うフロンタルに反論の声はない。

反論したい。が、言葉が出てこないのだろう。

まあ、これに関しては俺も良く分からん。国の防衛の為と言われればそれまでだし、それを間違いだと否定しづらいしな。

 

「我々はこの現実の中で、平和と安寧を手探りで模索していくしかない。ここで我々が感情的に動いてしまえば、争いから争いを引き起こす毒になることを自覚しないといけません」

 

この歪な世界で全人類が可能性を持ったまま生き残るのは確かに難しい。だが、そういう世界だからこそ───

あの温かさを持つ者が再び現れる。

フロンタルは待っている。バナージ君のようなそれでもと言えるような彼等の“存在“を。




プロフィール6

実はフロンタル、アズラエルと接触したことがない。

接触したとしてもお互いにコイツ、話が通じるな?と思うくらいだが
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