フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
今、DESTINY編がいつまで続く内容になるのか予想してみたら、アニメだと百話強、小説だと約十巻分超える予想になってしまいました・・・。まだ、劇場版も残っているのに・・・
「アスラン君。君は今のプラントがどうやって独立までこぎ着けたのか知っているかな?」
「どう、とは?」
突然の言葉に思わずそう言い返してしまう。
「君が知っている範囲で良い。聞かせてもらえないかな?」
「・・・分かりました」
その言葉にアスランは頷き、口を開く。
「プラントが独立する事が出来たのはプラント理事国に最新の医療技術、インフラ技術を常に提供することと、地球に落とされたニュートロン・ジャマーの無償撤去、そして先の戦争の被害による賠償金の要請を双方執り行わないことを条件に独立を認めたと」
「大体は合っている。だが、一つ付け加えるのなら地球、宇宙で武力戦争が行われた場合、こちらは保有する戦力の最大三分の一を出す事も内容に入っている。尤も、そんな大規模戦闘は今のところないがね」
そう言い終わった後、フロンタルはカップに口をつける。
そしてそのカップを机に置いた後、閉じていた口を開いた。
「だが、それはあくまで表側の内容であって真実はもっと暗いものだ。なんせ、この独立の裏には"ロゴス"や"ブルーコスモス"も関わっている」
「・・・・・」
その言葉にはアスランも驚きはしなかった。
なぜなら、それはヤキン・ドゥーエ攻防戦の時の話を自分達は彼等の目の前で聞いていたのだから。
「プラントの独立に一部コロニーの買い取り。理事国は勿論反発も多かった。だが、そんな彼等を無理矢理納得させたのは"ロゴス"の力があってのことだ。彼等の支援がなければ理事国、いや地球連合はほぼ機能しなくなる。そしてその"ロゴス"のトップこそが・・・」
「ブルーコスモスの盟主 ムルタ・アズラエル、ですね」
「ああ。あの男が裏で手を回し、プラントの独立が成立した」
皮肉な事に長年、コーディネイターにとって念願だったプラント独立にはナチュラルが大きく関わっている。
もし、あの盟主王の手引きが無ければプラントは独立する事さえ出来なかったかもしれないのだ。
そしてその毛糸の先ほどしかない橋を繋いだのがこの男だ。
だからこそ先のフロンタルの言葉がアスランの中で渦巻く。
『それは君も良く分かっているだろう?コーディネイターの傲慢・・・自分よりも劣っている人種に媚びを売っているようにしか見えない私をプライドだけは無駄に高い彼らが良しとするかね?』
確かに自分がまだプラントで暮らしていた頃、そういった人々は周りに数多くいた。
そうした人々にとって目の前で紅茶を啜る男は売国奴のようにしか見えないだろう。
「旧ザラ派にとって、私は邪魔な存在だ。一部旧クライン派でさえ、私のことをよく思わないでいる」
「クライン派も・・・ですか?」
旧クライン派は元々、フロンタルが身を置いていた席だ。前任者であったシーゲル・クラインの信頼と信用を手に入れていたこの男の事を良く思っていないでいる?
アスランのそんな疑問をフロンタルは答えていた。
「だからこそ、ラクス・クラインが必要だった。彼等を纏め上げる為にな。だが───」
「それが上手くいかなかった、と」
「その通り。後の事は大体話の内容を聞いていれば掴めてくるだろう?」
ラクスが誘拐され、フロンタルの信用が堕ちた。そんな所にデュランダル議長がラクスの偽物を使ってその信用を取り戻すように仕向け、それが今であると。
「貴方は────」
アスランは無意識に口を開き、目の前の男に一番聞きたいことを口にしていた。
「"一体、何が目的なんだ"?」
一瞬の沈黙────
────そしてその言葉が紡がれた。
「私の目的はただ一つ。