フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第五十一話

「オデュッセウスの操作には慣れたかい?エム」

 

「首肯。AIサポートもあって操作は簡単です。ですが、依存は良くないシステムかと」

 

「まあ、気持ちは分かるとも」

 

気怠そうにする眼鏡をかけた女性はそう言って、ノートパソコンに映る機体データを見ながらエナジードリンクの缶に口をつける。

彼女の名前はカミシラ。

このガランシェールの整備長にしてフロンタルがギラ・ズールやデルタカイといった宇宙世紀の機体群を整備させるのに信用できる人材として連れてきたのが彼女だった。

腕もよく人付き合いも悪くない。カフェイン中毒なのを除けばだが。

 

「AIによるパイロットのサポート・・・なるほど、確かに天才と言われたボクや自尊心の塊であるコーディネイターであれば決して思いつかないことだ。OS技術に関しては彼ほどパイロットを見ている人間はいないだろうね」

 

感心したようにカミシラはAIサポートのOSに称賛する。

 

「とはいえ、これは同時にパイロットから成長を奪う代物でもある。一般パイロットならこれで充分だが、君のような実力のあるパイロットは無用の長物になるだろう。道理でトリトマも扱いづらそうな反応をする訳だ」

 

エースパイロット用というよりかは一般兵用にチューンされた代物だと言うカミシラにエムは目を丸くした。

そんなエムにカミシラは首を傾げる。

 

「どうしたんだい?そんな顔をして」

 

「感心。そこまで分かるとはびっくりしています」

 

「・・・君はボクの事をどう見ているんだい?」

 

「返答。時折隊長のもとに行ってはエナジードリンクをたかりにいく人、でしょうか」

 

「失敬な。ちゃんと仕事はしているとも。たかりに行くのは間違っていないけれども」

 

「疑問。そこは否定するべきでは?」

 

「否定出来ないものをどう否定するんだい?」

 

そう言って彼女は胸元のポケットから煙草を取り出すと、それに火をつけた。そして軽く息を吸って煙を吐く。

 

「厳禁。格納庫で煙草は禁止だと言われていた筈では?」

 

何を隠そう二年前、格納庫で煙草を吸って火災報知器を鳴らしたのはこの人だ。まあ、その後にフロンタルがモビルスーツの装甲で焼肉をしていた事がバレたのだが。

 

「彼の無茶振りに答えるボクの身にもなってくれないかい?」

 

「返答。隊長はもっと忙しいですが?」

 

「彼の場合は自業自得だよ。色んな分野に手を出しては結果を出して異動しを繰り返しているから忙しくなるんだ」

 

そう言って煙草の煙を吐く彼女にエムは首をまた傾げた。

 

「質問。整備長は昔の隊長を知っているんですか?」

 

「まあね。六年の付き合いだ。この隊にいるのも彼が私に頼み込んできたから来たと言える」

 

どこか懐かしそうにする彼女は言う。

 

「最初に彼と会ったのは私がいたモビルスーツ開発所に彼が来た時だったね。最初は遺伝子学者と聞いて場違いにもほどがあると興味すらなかったが、ムーバブル・フレームの基礎設計を提出されて驚きで衝撃を受けたよ。彼はボク以上・・・いや、あのハインライン以上の天才じゃないのかってね。それで一年くらいは一緒の部署にいたけれど、ある程度満足したら軍事の方へと行って、違法組織を潰しまわっていたと聞いているよ。その時だろう?君が彼と出会ったのは」

 

「首肯。そうなります」

 

「まあ、そんな事もあって彼とは腐れ縁のようなものだ。トリトマやキミのように彼に好意を持つなんてことはない。それに・・・」

 

それにと言って彼女は口を開く。

 

「デルタカイやオデュッセウス、それにシナンジュといったワンオフ機を弄らせて貰えるんだ。これ以上に幸せなことはないだろう!?」

 

荒い息をつきながら興奮気味の彼女にあのエムすら流石に引いてしまうのだった。




トリトマちゃんの部屋を見せてください

トリトマ「なんにもねーですよ?」

床に散乱した服に皆の集合写真、紅茶コレクションに机には散らばった書類。

エム「・・・?質問。あの本は何処にいきました?」

トリトマ「な、なんのことか私わからねーですよ?」

おい、何を隠した?
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