フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第五十九話

「──────」

 

部屋の時間が止まったかのように、トリトマとフロンタルは動けなかった。

それもそうだ。何故ならほぼ裸同然の姿であるトリトマが呆然と自分を見ており、そしてそんな彼女の裸体を私は直にこうして見てしまっている。

 

これ、俺、終わったわ 。(確信)

 

お風呂あがりだったのだろう。ちゃんと身につけているのは下着一枚。

しっとりと濡れた腰まである長い髪を拭くためか、首にはタオルがかけられている。

そんなだらしない格好のまま、トリトマはまるで石のようにその身体を硬直させていた。

隠す所も隠せていない今の彼女の姿にフロンタルも驚愕で身体が動かせなかった。

だからこそ、彼女の肢体に目が入ってしまう。

濡れてしっとりとした長い黒髪に、風呂上がりでほんのりと赤みの差した肌。そして何よりも、その胸。

普段の服の時然り、前に彼女の水着姿を目にした事もあったが・・・なんというか、その・・・かなりある。

普段から着痩せして誤魔化しているからか、そのギャップと言うべきか、アンバランスさと言うべきか・・・エム曰く、ミーアより大きいと言っていたのもあながち間違いではないのだろう。

 

「・・・・・」

 

お互い硬直して動けないまま、ただ時間だけが過ぎていく。

そしてその空間にエルが水を差した。

 

「トリトマちゃん、頼まれたアイス、冷蔵庫に入れといたよーって・・・うわー、大胆な事するねー」

 

その言葉にトリトマがついに反応した。

 

「え、エルさん?部屋に隊長がいるように見えるんですけれど、これって幻覚か何かでやがりますか?」

 

幻覚呼びされてんぞオイ。

 

いや、それは流石に無理があるんじゃないかなー?俺が言うのもあれだけどさ・・・

 

「うんにゃ、さっきそこにいたから連れてきた。明日のことについて話しておきたかったみたいでさー」

 

そう言うエルにトリトマは自分の頬を抓る。

普通に痛い。つまり今、自分の前にいる隊長は幻覚の類ではないということだ。

 

「・・・・幻覚じゃない・・・・幻覚じゃない・・・?」

 

では今、自分の前にいるこの隊長は───

 

「あっ・・・あっ・・・あっ・・・ああああああああ・・・」

 

顔が一気に真っ赤になる。そして今、自分の格好を見て──

 

「うきゃあああああああああああああッッッ!!?」

 

普段の彼女からは絶対に聞く事のない悲鳴がホテルの館内に響き渡った。

 

 

これ、俺が悪いのかあああ!?いや、俺が悪いか!!

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「見られた・・・見られた・・・隊長にあんな恥ずかしいところを見られちゃいました・・・」

 

暫くした後、部屋着に着替えたトリトマは、部屋のベッドに敷かれていた掛け布団に包まりながらそんな言葉を繰り返し呟いていた。

 

「・・・・・」

 

まあ、確かに目を逸らすことが出来なかったのは事実。それは私に非がある部分だ。

いくら事故とはいえ、俺が悪いのは違いないだろう。

 

でも事故だったとはいえ、さ。

 

うん?

 

眼福だったろ?

 

張っ倒すぞお前!?

 

とはいえこのまま放置というのは流石に私も気まずいにも程がある。だからこそ、フロンタルは先にトリトマに謝罪をすることにした。

 

「すまない、トリトマ。すぐに目を逸らす事が出来ずに申し訳ないことをした」

 

その辺りホント紳士だよなあー。オリジナルシャアだったら多分謝りはするだろうが、内心ではウキウキしてたと思う。

 

やめろ。マジでやめろ。想像出来るから。

 

謝罪するフロンタルにトリトマは若干顔を赤らめながら顔をこちらへ向け、言った。

 

「・・・いくら部屋の中とはいえ、あんな格好で出たのは私です。それに隊長が部屋にいることに気が動転して私、隊長の前であんな・・・」

 

さっきの光景をまた思い出したのか、トリトマはまたトマトのように顔を真っ赤にして布団の中に潜り込んだ。

そんなトリトマにフロンタルはどうしたものかと考える。物で釣る・・・いや、それは流石に彼女に申し訳ない。そうなると安っぽくなってしまうが、彼女が今一番望むものを聞いてそれを叶えるのが一番だろう。

 

「トリトマ」

 

「・・・・なんですか」

 

フロンタルの言葉に彼女は顔を出さないまま、トリトマは返事をする。

 

「今回の件は私が悪かった。その非礼としてなんだが、トリトマが私にやって欲しいことや出来ることを叶えてみせよう。何かリクエストはあるかね?」

 

ただし、エムのようなぶっ飛んだ事は除くが。

 

フロンタルのその言葉の後、暫しの沈黙。

駄目かと思った時、トリトマは自分にも聞こえるかどうか怪しい小さな声で言った。

 

「・・・じゃあ、隊長と一緒に・・・その・・・で、お、お出かけしてーです」

 

彼女のリクエストにフロンタルは───

 

お出かけ・・・要はデートだよなこれ?一日・・・でもこっから先の予定、確かほぼ全部埋まってんだよなぁ・・・。いや、死ぬほど頑張ればいけるか?いや、やるか。トリトマのお願いを叶えるって言っちゃったし。

 

「・・・分かった。元々オーブには数日間滞在する予定だ。その内の一日、空けておこう」

 

「ほ、ホントにでやがりますか?」

 

布団の中から顔を出す彼女に、フロンタルは頷いた。

 

「ああ。その一日を空ける分、トリトマ。君にも書類仕事は手伝ってもらう事になるが、良いかね?」

 

「それくらいならやります!」

 

ガバっと嬉しそうに身体を起こすトリトマにフロンタルは──

 

 

三徹確定√だなあ!でも、トリトマが喜んでくれるならまあ、それでもいいか。

 




ストライクフリーダム

フロンタルさん曰く、欠陥品。色々な武器こそ搭載されてはいるが、汎用性が全くないのこと
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