フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

206 / 206
投稿!

今回はクルーゼとトリトマ達のシーンです!


第六十ニ話

「・・・・・」

 

クラクションの鳴る音。信号機の歩道音。人混みの中で混じり合う男女の会話。騒がしい街の喧騒の中、クルーゼは目の前にいる三人に目を向けながら内心でため息をついた。

 

「これはどうよ!トリトマちゃん!このワンピース!すごく女の子っぽくなるよ!」

 

「で・す・か・ら!エルさん!私はそんなひらひらして足元がスースーするようなヤツは着たくねーですよ!」

 

「懐疑。本当にそうでしょうか?一度着てみては?」

 

「エムさん!?」

 

店の前でギャーギャーと喚く三人にクルーゼはもう一度溜め息をついた。

 

せっかくのバカンスによる休日がどうしてこうなった?

 

それは数時間前に遡る───。

 

朝───7∶45

 

「クルーゼ。今日から暫くの間、オーブに滞在する予定なのだろう?明日、トリトマ達の買い物に付き合ってやってくれないか?」

 

「・・・何故私がレイより歳上の娘達の買い物に付き合わねばならんのだ」

 

クルーゼの真っ当な返しにフロンタルは言った。

 

「トリトマの人気は知っているだろう?特にコーディネイターの間では彼女の勇敢さやクライン嬢に引けを取らない容姿がかなり人気でな。そういった子に限ってよく出るだろう?」

 

「なるほど。言いたいことは分かった。つまりストーカーから彼女達を守れと?」

 

過保護すぎないか?と言おうとした時、フロンタルは首を横に振った。

 

「いや、逆だ。そういった輩は彼女が毛嫌いしている。見つけたら容赦なく叩きのめすだろうから、抑えて欲しい」

 

逆だった。

 

「後、エルの奴がトリトマを連れてカジノに行かないようにしてくれればそれで良い」

 

フロンタルの口から出た予想外の言葉にクルーゼは思わず眉間を寄せる。その意味と意図が分からなかったからだ。

 

「カジノだと?なぜ、そこでカジノが出る?」

 

「いや・・・前にトリトマがカジノで出禁になってだな」

 

いや、ちょっと待て。

 

「待て。出禁?あの娘が何をして出禁になった?」

 

「いや、私と同じで当てに当てたそうでだな・・・」

 

前言撤回。あの娘(トリトマ)、フロンタルと同じ事をやったらしい。

 

もう一度同じ事をされて面倒事を増やされたくないという本音が見え隠れしていた内容に若干呆れたものの、あの男に欲しいものがあったら何でも買ってもいいからとブラックカードも手渡されてしまった。

何でも金は使えきれないほどあるらしく、個人資産がちょっと言えないレベルで貯まっているそうだ。

そこまで頼み込まれてしまっては仕方ない。友人の頼みとして来たのだが・・・。

 

「じゃーん!どうよ!可愛いでしょ!」

 

「・・・あ、足元がスースーして落ち着かねーですよぉ!」

 

「感想。よく似合っています」

 

目の前でファッションショー紛いな事をしているおかげでまあ、目立つ。特に周りからの視線が。

自分もこの二年、俳優活動をして多少視線を向けられる事があったが、彼女達はそれ以上だ。

コーディネイターである事も大きいだろうが、容姿も端麗で歳頃も良い。そして何より、トリトマは特に有名人でもある。

 

袖付きの勝利の女神。

そう称されているほどの彼女は、テレビでも度々取材もあるくらいで特にコーディネイターの間ではその容姿も相まって人気も高い。なんだったらあのラクス・クライン(ミーア・キャンベル)も彼女のファンだという噂も聞いた事がある。

だからこそ、コーディネイターの割合が比較的に多いオーブでも、彼女の存在を知らない者は少なくない。

そして今に至る。

ギャーギャーと喚く三人にクルーゼは言った。

 

「三人共。此処では目立つ。別の場所に移動するぞ」

 

 

◇◇◇◇

 

 

「助かりました、クルーゼさん。ありがとうございます」

 

とあるレストラン。

礼をするトリトマにクルーゼは言った。

 

「あのまま騒ぎ続けたら周りにも迷惑なのでね。止めさせて貰った。それにもう昼だろう?昼食も取っておきたい」

 

そう言ってクルーゼは適当に料理を注文し、トリトマ達も同じように料理を注文した。

ただ、エムが注文した料理の数を除いて。

 

「君はどれだけ食べるつもりなんだ・・・エム」

 

彼女が頼んだ料理の数は十皿。

机の上に並べられた料理にクルーゼは顔を引きつらせる。

 

「返答。まだまだ食べる事ができます」

 

「エムはねー、結構大食いなのよ。任務中は食料が限られてるからあんまり食べないようにしてるの。・・・だからってあの体型を維持出来るのは可怪しいけど」

 

一瞬、エルの闇が見えた気がする。

そしてクルーゼは自分が頼んだ料理を口にしようとしたその時───。

 

「あの、クルーゼさん」

 

トリトマが自分に話しかけてきた。

 

「どうしたのかね?」

 

手を止め、クルーゼはトリトマを見る。

そして彼女は少しと戸惑うような動作をしてから、口を開いた。

 

「その・・・クルーゼさんとデュランダル議長って隊長と仲が良いですよね。どうやって三人は知り合ったのか教えてくれねーですか?」

 

彼女の言葉にクルーゼは───

 

「良いだろう。だがまずは食事からだ。それからでも構わないだろう?」

 

そう言って魚の切り身を口に入れるのだった。




ムラサメ

オーブの次期主力機体になる筈だった機体。
モルゲンレーテが弱体化したことで生産次期が大きく遅れる事になった。
生産の際に変形機構が上手くいかず、その場で足踏みしていた所でデルタカイの変形機構に見出した。
最初は交渉していたのだが、フロンタルに滅茶苦茶高い金額をふっかけられたのでデータを盗ろうとした結果、バレて大幅弱体化する事に。

最初はモルゲンレーテを跡形も無く潰そうとフロンタルさんは考えていたが、潰したら潰したでブルコスの緩衝材がなくなるじゃんと冷静になり、一応運用出来るレベルまで追い詰めた経緯がある。

なお、これらはセイランが濡れ衣を着せたという方が正しい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

フラガとか聞いてない(作者:もう何も辛くない)(原作:ガンダム)

「フラガとか聞いてない!」▼SEEDの世界に転生した主人公がこんな事を言いながら色々と頑張るお話。▼~現在DESTINY編を投稿中~


総合評価:10406/評価:8.04/連載:185話/更新日時:2026年07月05日(日) 19:59 小説情報

ガンダムSEEDが始まらない。(作者:捻れ骨子)(原作:ガンダムSEED)

なんかガンダムSEEDにあり得ない立場で転生した男が悪戦苦闘してる話。▼連載、始めました。▼そして劇場版とは無関係です(ここ重要)▼阿井 上夫様から主人公リョウガのイラストを戴きました! ありがとうございます。▼【挿絵表示】▼「そういう与太話は彼らが目からビームのひとつも出してから言いたまえ」▼2021/09/05追記▼またしても阿井 上夫様から素晴らしいイ…


総合評価:23995/評価:8.34/連載:60話/更新日時:2026年02月04日(水) 21:36 小説情報

ガンダムSEED 白き流星の軌跡(作者:紅乃 晴@小説アカ)(原作:機動戦士ガンダムSEED)

目覚めたら、ガンダムSEEDの世界でした。▼ガンダムSEEDの変革が始まる!!▼次回作▼‪機動戦士ガンダムSEED Destiny 白き流星の双子〝ジェミニ〟‬▼‪ https://syosetu.org/novel/208711/ ‬


総合評価:25791/評価:8.82/完結:213話/更新日時:2021年03月22日(月) 16:36 小説情報

νシン・アスカは伊達じゃない!(作者:DestinyImpulse)(原作:ガンダム)

▼ 気づけばシン・アスカになっていた!?▼ SEEDは詳しくない!世界は色々と終わってる!頭が偶にキュピーンってなる!先輩は可愛い!アスランとかいう奴がしつこい!▼ そんな思いを胸に抱き、少年は立ち向かう。▼ これは、不遇主人公になってしまった男が運命を切り開く話。▼ ▼ 映画の興奮で気づけば書いてました。アスランやキラに憑依があってもシンに憑依がないなーと…


総合評価:9305/評価:8.37/連載:41話/更新日時:2026年02月25日(水) 20:00 小説情報

転生タイガのオーブ改革録 〜崩れゆく世界で未来を選び直す〜(作者:台風200号)(原作:ガンダム)

気がつけば、そこは『機動戦士ガンダムSEED』の世界だった。▼だが――転生したのはコーディネーターでも、英雄でも、パイロットでもない。▼よりによって「オーブのアスハ家三男」という、政治と陰謀の渦中に放り込まれる地雷原のド真ん中の最悪のポジションだった。▼未来を知る者として、タイガ・ウラ・アスハは決意する。▼――オーブを守る。▼――プラントの滅びを見届ける。▼…


総合評価:2257/評価:6.93/連載:216話/更新日時:2026年07月16日(木) 07:12 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>