フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第六十三話

「・・・まず、私とフロンタルの関係を話す前に君達三人に聞きたいことがある」

 

「・・・?なんでやがりますか?」

 

首を傾げる三人にクルーゼは言った。

 

「君達はフロンタルの事をどんな人物だと(・・・・・・・・・・・・・・・)認識している?」

 

「どんな、でやがりますか?」

 

その言葉の意味が分からなかった。

 

「言い方を変えよう。君達から見てフル・フロンタルはどんな印象の人間に見えた?」

 

クルーゼの問いに三人は顔を見合わせた後、順番に答えた。

 

「私は凄い人だなーって。モビルスーツ開発したり、議長としても仕事をしたことがあったりって。ただ、そのせいで色んな苦労をしてるみたいだけど」

 

「応答。私は理想の指揮官だと思っています。取捨選択や残虐行為の意味をちゃんと理解している人だと」

 

「私の第一印象は・・・優しい人ですかね。私達の事や周りの事に気を使って色々と根回ししてくれますし、ちゃんと責任もとってくれる人でしょうか?」

 

三人が三人、フロンタルに対しバラバラな印象を持っていた。

だが、三人のフロンタルに対する印象を聞いてクルーゼは確信をもった声音で口を開いた。

 

「私はな、異常な男だと(・・・・・・)思ったよ。それに関しては私は今もそう思っている」

 

「・・・異常?」

 

首を傾げるトリトマにクルーゼは頷く。

 

「ああ。私が初めてフロンタルと会ったのは六年前、デュランダルの紹介で知り合った。私の寿命をどうにか出来るかも知れないという人物が来たとね」

 

「寿命って・・・クルーゼさんは何か重い病気でも持ってやがるんですか?」

 

「いいや。だが、そう簡単な話ではないとだけ言っておく。ともかく、そういった事で私は奴と知り合った。そして始めて会ったその日、私はフロンタルにこう言われたよ。"テロメアの長さなど寿命にはあまり関係ない。健康やストレスに対して気を使う事だ。そうすれば普通に生きられるだろう"とな」

 

そう言われ、生活習慣を気にするようにしたものだ。

そうしたら重かった身体は徐々に軽くなっていき、私は今もこうして生を謳歌している。フロンタルは私やレイの命の恩人とも言っても良い。

 

「話を聞くと良い話っぽいけど・・・なんで隊長さんを異常だと思ったのか気になるんだけど」

 

エルの質問にクルーゼは答える。

 

「君達はフロンタルの履歴を見たことがあるか?」

 

「隊長の、履歴?」

 

「返答。見たことはありません」

 

首を振る三人にクルーゼは言った。

 

「遺伝子工学、モビルスーツ開発、軍の指揮、評議会の仲間入りに、議長の着任・・・私が知る限り、奴はこの七年間(・・・)でこれだけの部署や座へと転々と渡り続け、自分の名を各業界、プラント中に上げている。これを異常と言わずになんと言う?」

 

「ああ、そう言うこと・・・」

 

その言葉にエルだけは納得したようだった。

 

「エルさん?どう言うことでやがりますか?」

 

「質疑。詳しい説明を」

 

未だに意味が分からない二人にエルは言った。

 

「要はね、隊長が今まで入ってた職業って言えばいいかな。普通の人なら(・・・・・・)十数年、もしくは数十年かかるような成績や立場をあの人はたった七年(・・・・・)でその場所に辿り着いてる。しかも、ただの七年じゃない。クルーゼさんが言ってた五つの立場、纏めて全部に隊長さんは自分の名前を上げたの。たった七年で」

 

「「・・・・!?」」

 

その意味を理解した瞬間、二人は有り得ないと言った表情で息を呑む。

 

「二人のその反応は尤もだ。奴がやってきた事は例えスーパーコーディネイターと言われる存在であろうと不可能だ。これにはデュランダルも言っていたよ。フロンタルからしてみれば、我々コーディネイターとナチュラルの差などあってないようなものだと」

 

「でも・・・それだと普通の人は隊長さんから絶対に距離を置こうとするよね。でも二人はしなかった。何か理由があるんじゃないの?」

 

エルの問いにクルーゼは───

 

「・・・ああ。あの男もただの人間だった(・・・・・・・・・・・・)事を私達は知っていたからだ」

 

 

クルーゼはどこか懐かしむような顔を作りながら、あの時の事を思い出す。

あの時のフロンタルは今よりも性格面はかなり尖っていた頃で、私も若く、あの時は私も無意識にムキになっていたのかもしれない。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

『フロンタル。君は何時も似たような格好をしているな。何か理由でもあるのか?』

 

『実のところ、私と出会った時からこうなんだ。私もフロンタルがいつもと違う服を着た回数なんて片手で数えられるほどでね。とはいえ、あまり好奇心を抱かない事を勧めるよ』

 

デュランダルがこう口を挟んできた。

 

『クルーゼ。その質問に不備がある』

 

『不備だと?質問の何が不備なんだ?』

 

クルーゼの問いにフロンタルは答える事はせず、作業の手を止めることもしなかった。

 

『クルーゼ。フロンタルは自分で考えて見ろと言っているんだ。私は理由を知っているが、一度自分で考えてみてはどうかな?彼の教え子達もそうやって成長していったんだ。自分で物事を考える訓練にもなる』

 

『そうか。なら、考えてみるとしよう』

 

 

数日───

 

 

『フロンタル。お前は似たような服を数十着着回しているな?それは何故だ?』

 

『その質問は、まだ厳密性に欠けるな』

 

フロンタルはドアのそばに立つ、クルーゼを一瞥してから山のように積まれた組織標本の整理に取り掛かる。

 

 

更に数日───

 

 

『フロンタル、お前の服ごとの差異をすべて確認した。お前の服選びはある程度動きやすく、それでいて身体の変化に対応出来るようになっていた。だが、それ以外にまだ別の理由があるのだろう?それも不確実な何かが』

 

『その通りだ』

 

フロンタルはようやく振り返る。

 

『クルーゼ。お前は部屋にいる時、服装は適当な格好でいるだろう?』

 

『つまり、似たような服を着ている理由は・・・』

 

『その時の私の気分だ』

 

その言葉に『待った!』と声がかけられる。デュランダルがガラスで仕切られた部屋から出てきた。

そしてフロンタルに言う。

 

『私にした説明とはまるで違うではないか、フロンタル!あの時君が語っていたのは、余計な注目を集めたくないと───』

 

『理由というものは複数存在しても問題無いのをお前も知っているだろう、デュランダル』

 

フロンタルはデュランダルの言葉を遮った。そして───

 

『デュランダル。お前にはお前の知るべきことを伝え、クルーゼにはクルーゼの知るべきことを伝えた。それだけのことだ』

 




実は───ユニコーンのED曲であるRE:I AMの歌詞は今後のトリトマちゃんエム、そしてフロンタルさんが辿る道になってたりする。

例えば最初の

Please hear me I want to tell you
(ねえ聞いて、貴方に言いたいことがあるの)

トリトマ達からフロンタルさんへ

Please sing to me I wanna hear your voice
(ねえ、歌って、貴方の歌が聴きたいの)

フロンタルさんは歌ってくれるけれど、オリジナルフロンタルは絶対に歌わないから

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