フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
フロンタルさんの転生する前の事が少し公開されます
───夜。
オーブの閣僚達による会談と食事会という名の交流会を終えたフロンタルはホテルの一室に用意されてあった椅子にゆっくりと腰を降ろした。
「───ふぅ・・・」
仮面を取り、身体全体の力を抜いて椅子に体重をかける。今日の会議は中々に面倒な内容だった。
マスドライバーの無期限使用の承認に此方側へ身を置きたいという、異例の宣言。
これを受け入れたら多分、ユーラシア連邦に隠れているブルーコスモスの過激派共とソレを支援しているジブリールがヤケを起こして、核を周辺国にドカン!という可能性もなくはないだろう。
だが、もしそうなればアズラエルが黙ってはいない。あの男はあの男でどんな状況になっても、地球で核を撃つことだけはしなかった。奴なりの美学というものがあるのだろう。
そこまで行ってしまえば後は連合とブルーコスモスの過激派の潰し合いだ。長い目で見れば、間違いなく連合側が勝つ。ユーラシア連邦が音を上げて奴等を見限る状態に追い立てれば良いだけだ。
とはいえ、それはあくまで時間と運があってこその話。
ジブリールが強硬手段に乗り切り、アズラエルを暗殺に振り切ったら話は変わってくる。奴はロゴスを乗っ取り、原作以上にやりたい放題することだろう。
今後の利益と利便を優先してオーブを受け入れるか。私が予想する最悪の予想を基準に拒否する算段をするか。
これらをデュランダルや地球連合の閣僚達と今後、話し合わねばならない。
連合の閣僚連中は目先の利益を優先するだろうがなぁ・・・
マスドライバーはソレだけ価値がある代物なのだ。自分達も地球から宇宙に上げる為の物資はアフリカにあるマスドライバーにまで運搬している。オセアニア───オーストラリアにある地球のプラント基地からアフリカまでの輸送はかなり金がかかるのだ。
それが、パプアニューギニア周辺にあるオーブのマスドライバーが無償で使えるのなら、運搬費用や時間も含めてメリットしかない。
それを一部技術の提供と防衛の際、同盟国との条約を守れば手に入るとなれば誰だって飛びつくだろう。
拒否権はある。だが、実際はあってないようなものだと結論が出て、フロンタルは大きな溜め息をついた。
考えるだけ無駄だよなぁ・・・結果は分かりきってるし。
何時もこうだ。トップに立てば周りから文句は言われ、かと言って今のように中間管理職は、今後の事を机に並べても、目先の利益に目が眩んだ馬鹿共に意見は潰され、拒否される。
ストレスが溜まるような事しかねえじゃねえか!!人間、テラといい、ヤーナムといい、宇宙世紀といい、人の本質はなーんにも変わらねえ!
俺じゃなきゃとっくに人間に愛想が尽きて見限ってるぞ!!
どっかでキチゲ発散しねえとやってられねえ。
クソが。シーボーンを殺す事だけを考えてたテラ時代の方がまだマシってどうだよ。
まあ、気持ちはわかるよ?でも、明日はトリトマちゃんとデート・・・もといお出かけだろ?少しは気を楽にしないと。
・・・・・それもそうだな。ちょっと頭冷えたわ。
ならよし。で?今思ったけど、お前って女の子と出かけたことあんの?
あるわ。転生する前に何度か。でも正直な話、転生する前の記憶はほとんど残ってない。ほぼ知識だけだし。
確かテラの時、コピーした人物の出力間違えて死ぬまで自分が転生者だってこと忘れてたんだったか?
そ。それで転生前の記憶は一部、強烈なモノを除いて何にも覚えてねぇ。家族も友人も───それこそ自分の名前もな。
じゃあ、今も残ってるその強烈な記憶ってなんだよ?
・・・昔、顔も声も霧かがってうろ覚えになった幼馴染と一緒に遊んだ灯台と高台の広場と海。後は・・・そんな彼女を願いを叶えて、彼女を見殺しにした記憶だけだよ。
プロフィール フロンタルさん
フロンタルさんにはオリジナルフロンタルとシャアの亡霊が中に潜んでいるが、それよりも昔、ずっと彼の中で見てきた人物がいる。
フロンタルさん自身、それが誰なのか大体見当がついているそうで、何時もボケ倒しているソレに突っ込む事はしても邪険に扱うことはない。