フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
ところで皆さんは新しいガンダムを見ました?
個人的にはエヴァに似てきたなぁ・・・と思いましたね
朝──8∶45
フロンタルはホテルのフロント・フロアの柱の影に置いてある観光ガイドのパンフレットを一枚手に取り、アーケードとコーヒー・ラウンジの方を迂回しながら改めて泊まっているホテルを見学する。
改めて見ても豪勢な作りのホテルだ。ホテルのフロント内に入る太陽の光は計算されてフロント全体を明るく見えるように設計されており、ここのフロントを設計した人物はさぞ、建築にセンスがある人物だったのだろうと考えさせられる。
ホテル全体の建築様式を一通り見終わると、フロンタルはそのままフロント・ドアへと向かい、外に出た。
ヤシの葉をゆする風がもう吹いている。今日は寒くなりそうだと思いながら待ち合わせ場所へと向かう。
昨日はエルに散々言われたのだ。
待ち合わせ時間より早く来ること!と口酸っぱく言われ、待ち合わせの十五分ほど早く来てみたが、やることがない。
そう思えばやることがないと考えたのはいつぶりだ?と思わず考えてしまう。
と、そんなフロンタルの背後から聞き馴染みのある声が聞こえてきた。
「・・・お、お待たせしました」
振り返るとそこには────
「に、似合わねーですよ、ね?」
少し肌寒くなってきたこの日に合わせてか、珍しく厚着をしてきたトリトマは普段見慣れている彼女とは正反対の雰囲気を纏っていた。
いつもはポニーテールにして纏めている長い黒髪を降ろし、普段の彼女なら絶対に履かないロングスカートを履いている。
それは彼女の服装も同様だ。
普段のトリトマは、飾り気のないワイシャツに黒のロングパンツや年頃の娘がしないような男っ気の多い格好でいることが多い。
だからか、暖色系の服装でおしとやかさがあるトリトマを見るのは始めてだった。
普段とのギャップ差でどう反応すれば良いか分からないフロンタルは少し困惑した様子で彼女を見る。
そしてそんなフロンタルにトリトマは言った。
「・・・隊長?」
彼女のその言葉にハッと我に返る。フロンタルは一度咳払いをした後、自分の前に立つトリトマに言った。
「すまないな。普段の君を見慣れているせいか、いつもと雰囲気の違う君に困惑していた。だが・・・その服は自分で選んだ服ではないな?」
その言葉にトリトマは苦笑する。
「はい。この服は昨日、買い物でエルさんに選んでもらった服です。エルさんからもう少し女の子っぽい格好をしろって言われました」
「そうか。しかし・・・こうしてみると、今の君は普段の君とは思えないほどのおしとやかさもあるな」
「それは普段の私はおしとやかじゃねーって言いたいんでやがりますか?」
前言撤回。トリトマはトリトマだわ。
「ソファの上でよだれを垂らしながら寝ていた君がおしとやかとでも言いたいのかね?」
「フギャアーッ!!」
顔を真っ赤にして襲いかかってくる彼女を宥めつつ数分───
「・・・落ち着いたかね?」
「・・・穴があったら入りてーですよ・・・」
少し落ち込んでいたトリトマは気を取り直しつつ、フロンタルに言った。
「
一瞬───
トリトマの声が聞き覚えのない声と被って聞こえたような気がした。
「──────」
なんだ───さっきのは?
何処かで聞いたことのある?いや、それはない。
疲れで幻聴でも聞こえたのか?
最近、忙し過ぎて碌に休んだ記憶もないしきっと幻聴だろう。
フロンタルはそう決めつけ、トリトマと一緒に街へと歩いていくのだった。