フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
数時間前───
「貴方がトリトマ・レオントッツォですね。フロンタル隊長から聞いています。私はハインライン社開発部技術長のアルバート・ハインラインです」
「は、はぁ・・・」
隊長の命令で新型のモビルスーツのテストパイロットをして欲しいと言われ、足を運んで見ればすごい速さで喋る技術さんが待っていました。
「今回貴女を指名した理由ですが、近々ロールアウト予定のニュートロンジャマーキャンセラーを搭載した新型モビルスーツ、フリーダム及びジャスティスの“機体性能”を完全に発揮出来るであろう人物が貴女だと耳に挟んだのでフロンタル隊長には無理を言って来てもらいました」
「は?えっ?」
にゅ、にゅーとろんじゃまー?フリーダム?ジャスティス?
なんです?その単語?
意味不明な単語がトリトマの頭を駆け巡る。
アカデミーでは居眠りばかりで碌に勉強していない彼女は更に混乱していた。
新しい“機体の性能”を確かめるだけじゃねーんですか?
戦闘技術やモビルスーツの操縦技術はフル・フロンタルですら正面では戦いたくないと言わせる程の彼女だが、そんな彼女にも弱点がある。
それは興味がないことには一切無関心であったせいで、頭が他のコーディネイターやナチュラルに比べてかなり悪いのだ。
好きなことはすぐに覚えるのに、嫌いな事はイヤイヤ覚えたせいですぐに忘れる。
フロンタルがトリトマとハインラインが相性が悪いと言ったのは、彼女のその性格を知っていてこそだった。
「つい先日、渡されたフリーダムとジャスティスの操縦マニュアルには目を通しましたか?」
「え、そりゃあ、まあ・・・」
「それならば構いません」
隊長から新しいモビルスーツの操縦マニュアルだから覚えておきなさいと言われ、丸一日読み漁っていたので完璧に覚えている。
そんな彼女に対し、ハインラインはそれなら問題ないと言った様子で、彼女に言った。
「なら、さっそく試験場に向かいましょう。時間には限りがありますから」
「はい?あ、ちょっ───待ってくださいよ!?」
◇◇◇◇◇
「問題ありませんか?問題なければ返答をお願いします」
「・・・問題ねーです」
試験場でジャスティスのコクピットに乗り込んだパイロットスーツ姿のトリトマは声を上げる。
「なら結構。今から貴方にはジャスティスを使って二十機の訓練用のジンを倒してもらいます。ジャスティスの性能テストですので好きなようにやってください。後、今回はAI制御でモビルスーツを動かしていますので問題なく撃墜してかまいません」
「・・・うへぇー」
誰にも聞こえない声でトリトマはそう呟く。
機械は殺気がないから動きが読み辛いのにそれが二十機。やる気を無くす。
「では、カウントを始めます。5」
だが、隊長の期待を裏切る訳にはいかない。しかも“機体性能”の確認と言っていたから好きに暴れられる。
「4」
「あんまり気は乗らねーですが・・・ジンだと私の動きについて来れないですし、丁度良かったです」
本気で戦ったらどうなるのか───それは私自身も気になることだ。
「3」
そう言えば本気でモビルスーツを動かしたのっていつでしたっけ?えーっと・・・確か───
「2」
ああそうだ。隊長と初めて戦った時だ。
「1」
まあ───
「0」
「どうでもいいですけどね!!」
◇◇◇◇◇
フロンタルはハインラインから提示された動画を見て内心、冷や汗をかいていた。
「・・・・・」
なあ、これもうホラーだろ。
パージしたリフターを気付いていないジンにぶつけた後、建物の影でトリトマ側から見えてないジンにビームライフルの照準あわせてんだぞ?
しかもジン部隊に突っ込む際もさ、視線が全くズレないでビームライフルの銃口をこっちに向けたまま弾幕の間からスーッて近づいてくるんだぜ?
こえーよ。なに?トリトマにアムロでも取り憑いてる?
ジャスティスがカッコいいじゃなくてめっちゃ怖いって思ったの初めてなんだけど。
そして彼は思った。───トリトマ、キラ君以上にヤバくね?
トリトマ・レオントッツォ プロフィール記録2
トリトマが士官学校にいた頃はモビルスーツの操縦関係と体術以外の項目で毎日のように補習を受けるくらいにはお馬鹿さんであった。
そんな彼女をフル・フロンタルはスカウトをした。
その時の彼女の心境は彼女以外に誰も知らない。
ザフトの噂
ジャスティスの悪夢
トリトマが操るジャスティスが一時期ザフトのシミュレーターで出現したことがあった。
その時にシン・アスカも一度だけ挑戦したことがあったようだが、索敵外からの置きビームによって一撃で撃墜されたらしい。
その時、ザフト兵が口を揃えて言ったと言う。
どうやってアレに勝てと