フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
───夜。
海中の中を高速で移動する一機がいた。
オーブの監視網は二年前の大戦の時よりうすく、さらに今のオーブは戦力も大幅に低下しており、内部も二分割に分断状態。だからこうして内通者の手引きによって探知されることなく、楽に侵入する事が出来た。
海中から水飛沫を上げながら一機のモビルスーツが現れる。
「さてさて・・・確認が出来次第、奇襲しろって話だったけどさ」
アビスのコクピットの中でアウルはそうぼやく。
最近、オーブがプラントと手を組み、戦力を拡大しようと各作しているという話があり、状況次第で派手に奇襲して暴れろと言われている。
カメラを拡大して軍港を見ると、かなり離れた場所に自分達が戦ったあの新型艦が駐屯していた。
「・・・お!いたいた!やっぱあの話は本当だった訳ね」
どうやらあの内通者による話は本当だったらしい。
アウルはニヤリと笑ってヘルメットを被る。
自分が攻撃を始めれば、スティングたちも攻撃しにかかるだろう。オーブはそっち側につくんだ。だったらそれ相応に痛い目を見てもらおう。
「・・・・よーし、じゃ、いっちょやりますかぁ!」
アウルは軍港の格納庫に、ターゲット・ディスプレーをあわせて、トリガーを引いた。
◇◇◇◇
「・・・む?」
「・・・なんでやがりますか?」
フロンタルとトリトマは微かな地響きを聞いて、同時に顔を上げていた。
「ちょっと見てみますね」
「ああ、頼む」
トリトマは状況を確かめに窓へと近付いて外を見る。
そして遠方が昼間のようにやけに明るい。そして黒煙が上がっているのを確認したところでトリトマは叫んだ。
「・・・隊長!遠方、軍港の方角で空襲です!」
「なに?」
オーブの市街地でしかもこのタイミングで空襲だぁ!?
なに考えてんだ!?過激派ブルーコスモスのアホは共は!?
「とりあえず避難しましょう!このホテルもすぐに危険になります!」
状況が纏まりきっていない頭だったが、とりあえずトリトマの言う通りに動いた方が良い。
「トリトマ、エムに知らせろ。出撃準備をしろと」
その言葉にトリトマは驚いたような顔をする。
「えっ!?でもそんなことしたら───」
「構わん、今は緊急事態だ。出撃させろ。それに向こうが何か言ってきても、この状況を作り出した向こう側の責任でしかない」
そう言うフロンタルにトリトマは少し考えた後、頷いた。
「・・・分かりました。では、エムさんとフロストさん達にも緊急通信で伝えます。ただ、もう準備はしてると思いますが」
そう言いつつ、トリトマは携帯を取り出すのだった。
◇◇◇◇◇
格納庫内が酷く騒がしい。
エムはそう思いながら、オデュッセウスのコクピットの中でパネルを操作する。
『我らレオントッツォ隊に、敵はなし。敵部隊はすぐだ。出たらすぐに戦闘になると思え!』
「了承。分かっています」
その通話は、モビルスーツを運ぶフラットな機体、ギャルセゾンのコクピットとモビルスーツ、ギラ・ズールの間で無線通信でおこなわれていた。
『ギラ・ズール2のフロストは了解だが、オーブの第一次防衛軍がくるのに、五分・・・いや、十分はかかるんじゃないか?』
『だから私達がやるんでしょうが。トリトマ隊長から出撃OK貰ったわけだし』
『エムもその機体での実戦は初だ。気を引き締めろ』
「同感。そちらこそ気をつけてください」
エムはそう言ってレバーを握る。
そして──
「エム。オデュッセウス────行きます」