フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
数刻前───
「ええ。どうやら一部議員は三国側につくという話になっておりまして。もしこの件が締結されると、私はおろか、貴方方もかなり苦しくなる筈。ですから、ここで手を打ちませんか」
男はそう言って連絡先の人物に言った。
「ええ。
自分が思案したということはいつでも揉み消せる。アスハ家は当主であるウズミが居なくなってからはあの姫様が受け追っている。だが、今の彼女は姫という立場の傀儡だ。こちらとしては都合が良い。
五大氏族に関してはマシマ家とキオウ家、そして事実上脱退したサハク家には敵対する事にはなるが、上手く事が進めば黙らせる事が出来る。
所詮精鋭とはいえ、たかが二艦。数の暴力には勝てはしない。
そして私がこのオーブの実権を握るのだ!
◇◇◇◇
「ラクス!子供達と一緒にシェルターへ!僕は他に避難していない子がいないか見に行く!」
「分かりました。キラもお気をつけて!」
そう言ってシェルターのある方へと向かう彼女を見送って、キラは建物の外に出た。
少し離れた遠方───軍港の方角が明るい。そしてかすかに何かが燃えるような臭いが潮風に乗って流れてくる。
「襲撃!?一体誰が!?」
中立国であるオーブが襲撃されている。そんな普通なら有り得ない出来事に驚愕していたその時───
バギュー、ンリッブオオオオオッ・・・!
その激しい音のあと、やや尾を引くような爆音が、草木を激しく揺すった。
「うっ・・・・・!?」
キラは通常のモビルスーツとは全く違う爆音に、耳を塞ぐ。
空の上を一機の黒い影が一瞬で横切り、前方の低い山陰をかすめるように上昇した。
「あれは・・・モビルアーマー!?」
音速を越えた速度で飛行するそれに驚愕しながらキラはその場に立ち尽くすのだった。
◇◇◇◇◇
音速を越えた速度でエムが搭乗するアリュゼウスは襲撃があった軍港へと向かう。
襲撃のあったその場所は同じプラント所属のミネルバが停泊していた場所で自分達がいる場所からは少し離れている。
隊長とトリトマが到着次第、ガランシェールも発進予定であり、自分はその時間稼ぎだ。
フロスト達を乗せたギャルセゾンが現場に到着するまで約五分。それまでは自分やその場にいる機体達が主戦力となる。
「報告。接敵まであと五十秒。」
その言葉と同時、エムはファンネル・ミサイルを射出する。
発射された数条のミサイルは雲を描きながら遠方を飛行中だったウィンダムと戦艦にその牙を剥いた。
音速を越えた速度でミサイルはウィンダムの装甲を食い破り、撃墜させ、戦艦の分厚い装甲にも少なくないダメージを与えた。
奇襲する筈だった彼等は予想外の奇襲に動揺を隠せていないのか、慌てふためいている。そんな彼等にアリュゼウスに装備された二門のメガ粒子砲が火を噴いた。
放たれたその熱線が機体を溶かし、爆破させる。
その爆煙の中をエムは突き進みながら、数十機のモビルスーツを見ていった。
「これより─── 戦闘を開始します」