フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
『じゃ、隊長達を迎えに行ってくる』
ギャルセゾンに搭乗したフロストはすぐに離陸の準備へと入る。
『そっちはよろしく。私はエムのフォローに入るから』
『へまするなよ』
『そっちこそ』
そんなやり取りをし終わり、離陸しようとしたその時───
『ん?』
『む?』
互いのセンサーにこちらへと近付いてくる物があった。
方向は森の方から。しかもかなり速い。
二人は警戒しながらその物体に警戒する。
そして───
キィィィィィィィィ───と、赤い車体をあちこち凹ませた伝統あるアメリカンスポーツカーがぐるぐると回りながら現れた。
『車?避難中の一般人がこんな場所に迷い込んだのか?』
あまりに不釣り合いな乱入者に二人は見つめていると、ガタガタと運転席なら音がし出した。
ドアを開こうとしているようだが、何かにぶつけでもしたのか完全に歪んだ状態らしい。
「ええい、鬱陶しい!」
そんな言葉と共に、ドアが吹き飛んだ。
足が運転席が出てくる。そしてその中から二人がよく見知った顔の人物が出てくる。
顔の彼方此方を黒く汚した少女と、仮面の男。
トリトマとフロンタルだった。
「・・・隊長!車がベコベコじゃねーでやがりますか!これどうするんです!?」
「非常時だ。それに私達が黙っていれば問題ない」
彼女の叫びに、彼はそう言って目の前のギラ・ズールとギャルセゾンを見る。
「待たせた、ウェンにフロスト。さて・・・トリトマ。ガランシェールへと戻るぞ」
何ごともなかったようにスルーするフロンタルとギャーギャーと叫ぶトリトマ。
いつもの二人にウェンとフロストは肩を竦めるのだった。
◇◇◇◇◇
ガランシェール艦内
「おや、お帰りなさい。思ったより早かったですね?」
「ああ。それに相手の目的もある程度は分かった。暗殺部隊を仕向けた以上、私達の暗殺を手引きしたものがオーブにいる」
「成る程。つまりこの襲撃はフロンタル司令官を暗殺する為のおとりだと?」
そう言うキャプテンにフロンタルは首肯した。
「・・・それ以外にもあるだろうと考えている」
そもそも、大体の目論見の予測が出来ているだけで、奴等の本当の目的は分からない。
単にザフトと手を組んでいるのを勘違いして襲撃という事もあり得る。
とはいえ、その話は後だ。今は目の前の事に集中しなければなるまい。
「トリトマ。出撃の準備は出来たか?」
そう言ってトリトマに声をかけると、返事はすぐに来た。
『準備は出来てます。いつでも発進できますよ』
そう返事が返ってくる。
「トリトマ。今回の我々の任務はブルーコスモスを撤退させることだ。それにもし余裕があるのなら、アーモリーワンで強奪された新型モビルスーツを回収しておきたい」
『もし回収するならどれくらい壊しても問題ねーです?』
そう聞き返すトリトマにフロンタルは言った。
「コクピットは潰しても良い。本体も大部分が残っていたら問題ない。ただ、回収はあくまでも出来たらの話だ。無理なら撃墜しろ」
再利用するだけだし、コクピットは潰しても入れ替えるだけで楽な作業だ。捕獲が無理なら無理で撃墜してもこっちには痛手もないしね。
『分かりました。出来たら捕獲はしてみます』
そう話を切り上げると、エルが言った。
「トリトマちゃん。こっちもデルタカイの発進準備出来たからいつでもいいよ」
その言葉と同時にトリトマは言った。
『───了解しました。───トリトマ、行きます』
陸戦仕様デルタカイ───出撃。