フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第八十二話

「オーブの奴等は一体何をやっているんだ!」

 

シンは戦場の中、インパルスを駆りながらオーブに対する不満を漏らす。

突然として攻め込んできたブルーコスモスを相手に緊急出撃をすることになったのだ。

 

「オーブは中立国の筈だろ!」

 

ブラストインパルスのM2000Fケルベロス高エネルギー長射程ビーム砲の熱線がダガーLを貫き、爆散させる。

 

『シン!無事か!』

 

通信でレイの声が聞こえてくるが、シンに答える余裕はない。

 

『皆!とにかく艦の防衛を意識して!デュランダル議長にケガを負わせる理由にはいかないわ!』

 

少し前にタリア艦長からそう言われ、ずっと防衛戦だ。守るものがある戦いというのはこうも難しいのかと思わせてくる。

と、少し離れたところではスラッシュヴィザードの二門ガトリングと突撃銃で弾幕を張っているクラディアの機体が目に入った。

 

『次』

 

空を飛行するウィンダムを撃ち落としながら彼女は次の敵機に銃口を向ける。その銃口から出るビームの熱線がダガーLのシールドを溶かし、さらに追撃のビームガトリングの弾幕が本体を破壊する。

火力と面制圧によるゴリ押しのクラディアに対し、レイと左側を防衛しているルナマリアは苦戦していた。

 

『もう!私、射撃戦は苦手なのよ!』

 

ガナーザクウォーリアの長射程ビーム砲が火を吹く。

横薙ぎに払われたビームの熱線は複数の機体を破壊するが、レイのフォローがないと手数が足りていない様子だった。

 

ヴィンダムが手にしたビームライフルを連射して攻め込んでくる中、一機、見覚えのある機体が奥に見えた。

 

「あの機体は!」

 

黒い装甲のガンダムフェイス。ZGMF-X88Sガイアだ。

 

「今日こそ墜とす!」

 

インパルスを発見したステラは殺気を隠さずに真っ直ぐミネルバへと突き進む。

と、そんなガイアに熱線が飛んだ。

 

「なんだッ!?」

 

不意打ち気味の狙撃に驚いたステラはその脚を止める。

そして脚を止めたステラのガイアに再び熱線が牙を剥く。ジャンプして回避したガイアに緑色のビームの刃が振り下ろされた。

 

「ッ!!?」

 

その奇襲にステラは咄嗟にシールドでその攻撃を受け流すが、その衝撃までは逃す事が出来ずに弾き飛ばされた。

無様に海へと落ちるガイアに奇襲をしかけた二人はそれぞれガイアの先の動きの感想を口にした。

 

「まさかアレを防ぐとはね」

 

「紛れか?それとも勘が良いのか・・・」

 

ビームスナイパーライフルを持つギラ・ズールとビームトマホークを持つギラ・ズールのパイロットであるウェンとフロストは攻撃を受け流したステラに対し、それぞれ値踏みする。

 

M.A.V.戦術。

 

彼等が得意とする二機一組による戦術であり、宇宙世紀のパラレルでは実際に使用され、一般化した戦術だ。

 

フロンタルがいた宇宙世紀では一般化していない?

 

あれはほら、大体アムロのせいだから。

 

だが、M.A.V.戦術はそもそもフロンタルは誰にも教えていない技術だ。

 

そもそも二機一組の連携により、互いの死角をカバーする。片方を囮にもう片方が奇襲をかけるなどの形で補完しあうのがM.A.V.戦術。それらを両方とも出来てしまう人物(・・・・・・・・・・・・)がフロンタルを含めて二人、旧フロンタル隊にいたからこそ、教える必要がないとフロンタルは判断したのだ。

 

一人はあのアムロと同じ直感と技術を持つ少女。

 

また一人はアコードの失敗作。

 

そんな二人についていけるよう、ウェンとフロストの二人は独学でM.A.V.戦術を極めた。

 

「取り敢えず、あの新型は鹵獲すれば良いんだったか?」

 

「そうそう。コクピットは潰しても良いけど、大破はさせるなって話。まあ、出来ればって話だけど」

 

そんな会話しつつ、彼等はガイア達を見る。

 

「そこのミネルバのモビルスーツのパイロット君。聞こえてるー?」

 

『えっ?』

 

ウェンの気の抜けた声にシン達は困惑した。

そんな彼等にフロストが言う。

 

「俺達でこの新型をやる。お前達は船と周りの奴等を頼んだ」

 

『はあ?なんでアンタ達の言うことなんか・・・』

 

そう噛み付こうとするシンにウェンが言った。

 

「その船、議長が乗ってるんでしょ?なら、お互いにWINWINな関係で行こうや」

 

「合理的に考えれば受けておいてそっちに損はない。それに、オーブからの防衛軍もこっちに向かっている。そうなれば向こうはすぐに撤退するだろう」

 

そう言う二人にレイが頷いた。

 

『そう言う事なら共闘と行こう。あの新型の相手は任せる』

 

「オッケー。ならそっちは任せた。フロスト、あの新型のデータある?」

 

「ああ。機体名 ZGMF-X88Sガイア。他に強奪されたカオス、アビスと同じザフトセカンドステージシリーズの機体で、地上局地戦用に開発された。変形の際にバクゥと同じ四足歩行形態になる。機体スペックは向こうが上。後、フェイズシフト装甲持ち」

 

「ワーオ。情報収集速い。それじゃ前衛よろしく」

 

「ならそっちはサポート頼んだ」

 

「───それじゃあ」

 

「───じゃあ」

 

そして二人はガイアをもう一度見て───

 

「「お願いします」」

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