フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
「それで、彼の状態はどうだ?」
意識がないキラ・ヤマトをストライクのコクピットから引き降ろし、自分達が乗っていた輸送艦まで運び込んだ後、フロンタルは彼の容態をキャプテンに聞いてみる。
フロンタルのその問いにキャプテンはなんとも言えない表情を作りながら答えた。
「できる限り治療はしましたが・・・正直な話、心配な状態です。高熱に身体の彼方此方に火傷跡がありました。適切な医療機関で処置を行なえばすぐに回復は見込めますが、今私達の現状では必要最低限の治療も出来ませんので・・・」
「・・・そうか」
簡単な治療までは出来ても、今のキラ君のように重度のものは流石に厳しいと。
「後は彼の回復力に期待するしかありませんね」
「こればかりはどうしようもない。早めに救援が来てもらうのを待つしかない。最悪、近場の街かオアシスまで歩くことになるかもしれん」
「げっ・・・」
トリトマが嫌そうな顔を作る。
そこまで嫌か・・・砂漠を歩くの。
そんなフロンタルの提案にキャプテンは首を横に振る。
「それは悪手かと。もしその捜索に貴方が行ってしまってアークエンジェルという艦が来てしまったら誰も交渉出来ませんし、救助隊が来てしまったら尚更です」
つまりこれも却下と。
さてそうなるとマジでやることがない。
どうすっかなぁ。さっきストライクの基礎データと戦闘記録は手持ちの機材でコソッと抜き取ったけど使い道が・・・いや、あるな。オーブにデータを横流しするか。確かオーブはアストレイを開発する際、イージスの自爆で大破したストライクの残骸を回収して作ったんだよな。クワトロ・バジーナ経由で横流しすればアストレイを早めに生産出来るだろ。
ただ・・・モルゲンレーテやジャンク屋が何するか分からんのが怖いが。
「やることがないならいっそのこと休めばいいでしょう?どうせ私達、砂漠のど真ん中で遭難して水分確保以外やることありませんし」
「そうですよ隊長。隊長は働きすぎです。後の事は私達に任せて休んでいてください」
「だが───」
「人の厚意は大人しく受けて置いた方が自分の身の為でやがりますよ?」
ヒェッ
トリトマが笑顔でとんでもねえ殺気を飛ばしてきた。
これ以上粘ると確実に彼女の何かを踏む。
そう感じたフロンタルは内心ではビビリ散らかしながらも分かったと言って近くの箱に腰を降ろす。
「ではトリトマさん。私達は簡易的ですが救援の為の目印をつくりましょう。あって困るものではありませんし」
「それは構わねーですが道具なんてねーですよ?」
「道具がなくても出来る目印を作りますからいりませんよ」
「そうですか。では、ささっと準備しましょう」
そう言いながらさっさと医務室から出ていくトリトマとキャプテン。
フロンタル以外に誰も居なくなった医務室。
そしてフロンタルは一度、ベッドで横になっているキラを見る。
身体の彼方此方に出来た火傷跡。そして苦しそうに顔を歪めながら魘されている彼の姿はとても痛々しい。
そんな彼にフロンタルは小さく呟いた。
「キラ君。これから先、君は私と同じように更に深い絶望を見ることになるかもしれないだろう。そんな絶望が待ち構えるかもしれないなか、君は彼のようにそれでもと言えるのかね?」
そう言って、フロンタルはキラに暑くならないように布をかけ、そのまま部屋を出ていった。
そして誰も居なくなった医務室でキラのうめき声が小さく響く。
それは彼が落としてしまった友の名前だった。
フレイ───カズイ───と。
キラ・ヤマト
ウチの作品だと原作より悲痛な目にあった主人公
乗り越えてバナージやグエル枠になれるかどうか怪しい
作者曰く、イオ・フレミング並みまで主人公補正を落とそうか考えたらしい。
ちなみにコレがボツネタのキラちゃんだったらこの時点で精神がへし折れて、フロンタルの駒になってる可能性がある。
そうなった場合?キラちゃんとトリトマのフロンタルの奪い合いになってフロンタルの胃が死ぬ
つまりは修羅場