フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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トリトマ編

体調不良で暫くは投稿頻度が落ちます


第二十六話

ジリジリと太陽の熱が肌を焦がす。

この暑さで垂れる汗が気持ち悪い。

 

「・・・暑っつい」

 

トリトマが快晴の空と太陽を憎々しげに見上げながら、砂しかない周囲の監視を続けてはや数時間。

隊長の指示で救援隊かアークエンジェルが来たら報告するように言われ、こうして監視をしているのだが如何せん暑い。

と、後ろから砂を踏みしめる音が聞こえてくる。

誰だろうか?交代まで後一時間はある。

彼女はそう思いながら彼女は足音がする方へと視線を向けると、そこにはサングラスをかけた隊長がいた。

 

「トリトマ。何か変化はあるか?」

 

「特には。ただ暑いだけです」

 

そう答える私に隊長が水が入ったボトルを渡してきた。

 

「水だ。飲んでおくといい」

 

「別に喉は乾いてねーですけど?」

 

正直な話、現状水分は貴重だ。そうやすやすと水を飲むわけにはいかない。

そんな風に断る私に隊長は言った。

 

「喉が乾いていなくても飲んでおけ。砂漠では常に身体の水分は抜けていく。大丈夫だと思っていても身体の方はそうではないぞ。それに人の厚意は聞いておいた方がいいと言ったのは君ではないか」

 

「・・・分かりました」

 

どうやら本気で気を使っての事らしい。

人の厚意は大人しく聞いておく。そう言ったのは私なのにまさか言った隊長に説かれるとは思わなかった。

私は隊長から水を受け取った後、少量の水を口に含む。

生ぬるい水で喉を潤す私に対し、隊長は私の横の岩場に腰を下ろした。

 

「隊長?」

 

横に座る隊長に私は困惑するしかない。

どうしたのだろうか?と考える私に隊長が先に口を開いた。

 

「すまないな、トリトマ。君をこのような面倒事に巻き込んでしまった」

 

「へ?」

 

突然謝る隊長に思わずそう返事を返してしまうが、すぐに私は訂正の言葉を口にする。

 

「いやいやいや、隊長のせいじゃねーですよ。そもそもの話、機械トラブルはどうしようもねーじゃないですか」

 

「そうかもしれんが巻き込んでしまったのには違いはない。君には別の日に休日を割り振らんといかんな」

 

「気にしなくてもいいですよ。どうせ休みをもらってもやることなんてねーですし」

 

「家族に会いに帰らないのかね?」

 

隊長のその言葉に私は───

 

「私に家族はいねーですよ」

 

「・・・・・」

 

その言葉に隊長は一瞬無言になるが、すぐに口を開いた。

 

「履歴書には君を含めて四人と書いてあったが・・・訳ありかね?」

 

「ええ」

 

「なら聞かないでおこう」

 

「そうしてくれるとありがてーです」

 

正直な話、家族の事を何も覚えていないのだ。

昔、コロニー事故に巻き込まれて一年以上目を覚ますことがなかったと母親と名乗る女性から聞いている。

父親もそして自分を姉と慕ってくれた妹も。

目覚める以前の記憶がスパッと消えてなくなっている私にとっては彼等は赤の他人でしかない。

目が覚めてからの自分にあるもの。それはトリトマ・レオントッツォという名前と、モビルスーツの操縦技術。そして“シャア・アズナブル“という人の名前のみ。

 

正直な話、そのシャア・アズナブルという人がどういう人なのか分からない。

それどころか顔も知らないし、名前もなんとなくその名前を知っているというだけだ。

もし、そのシャアという人に会えれば何か分かるのだろうか?

でも正直、知らなくても構わないかと彼女は思う。

 

「どうした、トリトマ」

 

「んー・・・なんでもねーですよ」

 

だって今がとても楽しいから。

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