フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
フロンタルがこのSEED世界で設計したモビルスーツ1
EWACジン
EWACジェガンをベースにジンを改良したモデル。やたら頭部がデカい。
この機体のおかげでシャトルにフレイが乗っていることが分かった。
どっかのジャーナリストやジャンク屋がこの機体を見たら絶対に欲しがる高性能カメラを固定装備しているのでバレたら結構ヤバい
なおこの機体、SEED FREEDOM編でアコードの自作自演の核攻撃を大気圏外でバッチリ撮影していた
「それで?彼の様子はどうだ」
輸送艦に戻ったフロンタルは何時もの特注軍服を着込み、キラの様子をキャプテンに聞く。
そんなフロンタルの質問にキャプテンは答えた。
「今はまだ起きています。ですが何をしても反応がない状態でして・・・」
「そうか」
こりゃ重症そうだな。カミーユみたいに精神崩壊してなきゃいいんだが。
そう短く答えるフロンタルに対し、キャプテンは言った。
「では、フロンタル隊長。後は頼みます。私は救援信号を確認しないといけませんので」
「ああ、そちらも頼む」
互いにそう答えながらフロンタルは彼がいる医務室の扉の前に立つ。
そしてその扉を開けた。
カシュッ!と空気が潰れるような音と共に扉が開く。
そして薄暗い医務室の中にいるであろうキラに言った。
「入るぞ」
その言葉に返答はない。
フロンタルはそのまま薄暗い医務室に入り、医務室の明かりをつける。
明るくなる部屋の一角───ベッドの上に彼はいた。
虚ろな目で天井を見上げるキラ・ヤマトの姿があった。
キラのその姿を見て、彼の感想は簡素なものだった。
まあ、そりゃ友人を自分の手で落としたんだ。責任感があるキラ君だったらそうなるわな。
だがまあ此処での退場は早いぞ、キラ君。
さて、メンタルケアの時間だ。
◇◇◇◇◇
僕がフレイをカズイを・・・そして花をくれたあの子をこの手で殺してしまった。
そして殺した僕は今をのうのうと生きている。
このまま死んだほうが良かった。
サイやミリアリアもフレイやカズイを落とした自分を恨んでいるだろう。
キラが自分の自責に押し潰されるその時だった。
「やあ久しいなキラ君。ジョージ・アルスターの件以来か」
誰かが自分の名前を呼んだ。
キラはその声が聞こえた方へほんの少し顔を向ける。
そこにいたのは───
「──────」
声が、出なかった。
自分よりも体格は大柄。そして金色の長い髪。そして見覚えがある仮面。
その男は───
「君を救出するのには苦労した。砂漠に機体が埋まりかけていたのもあるが、どうもモビルスーツの安全装置類には知識があまりなくて少々手間取ってしまった」
その声を聞いてキラは確信した。自分の目の前に立つ男。その男の名は───
「フル・・・・フロンタル」
前に自分達を襲撃し、それでいて誰も殺さずザフトと連合の交渉を成立させた赤い彗星と呼ばれた男だった。
◇◇◇◇◇
「フル・・・・フロンタル」
キラが掠れるような声で自分の名を呼ぶ。
そんなキラにフロンタルは口を開いた。
「具合はどうかな?キラ君。過酷な環境の砂漠で君を見つけた時は驚いた。アークエンジェルはどうした?君に何があったのか・・・聞かせてもらえないだろうか?」
私がシャトルを撃ち落としたことを最初から知っていたら彼視点からしてみればおかしいからな。
だからこそ一度彼から引き出す。
キラからしてみれば辛いことかもしれんが、誰かに吐き出すことが出来れば多少なりとも楽にはなる。
そんなフロンタルとキラとの会話に少し間が開く。
そして今まで黙っていたキラがポツリと口を開いた。
「全部・・・僕のせいなんです」
「・・・ほう?」
最初の一言はそんな会話。だが、だんだんとキラはその苦しみから逃げるようにフロンタルに事件の内容を語っていく。
「シャトルを狙った敵を撃ち落とそうとして引き金引いて・・・僕に花をくれた女の子やフレイやカズイが乗ったシャトルを撃ち落としたのは僕なんです。あの時、僕が間に合っていたら・・・フレイ達を守れていたかもしれないのに・・・」
そう言って蹲る彼に対し、フロンタルは何も答えない。
何故ならそれが戦争だからだ。
大切な人が巻き込まれて死ぬなど当たり前だ。その大切な人を自身の手で殺してしまうというのも無くはない。
それと同時に無性に腹立つわ。
キラ君は自分のせいだ自分のせいだって言って自罰してるけど、本来は俺達大人に責任を取らせるべきだからな。
流石にこんなキラ君を戦場に出せんわ。
「それは君だけの責任ではない。キラ君」
「・・・えっ?」
その言葉にキラは顔を上げる。
「君は自分のせいだと言っているが、私が聞いた話だと民間シャトルが脱出したタイミングは戦闘中だと聞いた。そのタイミングでの出発は悪手でしかない。民間人を乗せたシャトルを出発させるタイミングはいつでもあった筈だ。たとえば戦闘が始まる前にシャトルを出発させるとは考えもしなかったのかね?」
「それ、は・・・」
何も言い返せない彼に対し、フロンタルは言う。
「君が友人や民間人を殺してしまった件についても同様だ。君にその友人達を撃たせた原因を作ったのは一体何だ?」
「それは貴方達ザフトが襲撃をしてきたからじゃないですか!貴方達が襲撃をして来なかったら今頃僕達は───」
「確かに。君が言っていることも間違いではない。だが、それを回避する手段を君達は幾つも持っていた筈だ。しかしその手段を捨て、今のこの状況を作り出したのは君達だ」
「じゃあ───!」
キラが勢いよく立ち上がる。そしてフロンタルに八つ当たるかのように叫んだ。
「僕はどうすれば良かったんですか!あの時、貴方にストライクを渡していれば正しかったって、二人を死なせずに出来たって言いたいんですか!」
そのキラの言い分にフロンタルは淡々と答える。
「正しい選択はない。ナチュラルもコーディネイターもただ無意識に与えられた選択肢を自分で模索しなければならない。人は絶対的な存在になることはできない。君も私もいくつもある選択という可能性の中で正解を選び取るしかない。今回のシャトルについては誰に否がある訳でもない。ただ、皆で選んだその結果が今回の件になってしまったというだけだ。君だけが背負う責任ではないということを覚えておいた方がいい」
「でも・・・僕は・・・ッ!」
それでもというキラにフロンタルは彼の肩に手を置き、彼を落ち着かせるように言った。
「君はまだ子供だ。責任は我々大人に取らせなさい」
「あ・・・う・・・・」
我慢の限界だったのだろう。フロンタルのその言葉にキラは子供らしく泣き出してしまう。
原作ぶっ壊してキラ君にはとんだ被害を与えちまったんだ。ならその責任は背負ってやるさ。
───と、その時。
ドォーン!と遠くで爆発音が聞こえた。
「爆発ッ!?」
その爆発音と同時、トリトマから連絡が来た。
『隊長、今時間いーですか?』
「どうしたトリトマ。先の爆発はなんだ?」
そのフロンタルの問いに無線越しでトリトマは答える。
『えっと・・・方角四時の方向で恐らくですが私達を救助に来たザフト部隊とハイロゥエンジェルが交戦しています』
「ん?」
ハイロゥエンジェル?アークエンジェルじゃなくて?
つか、ハイロゥエンジェルてもしかしてエンジェル・ハイロゥのこと?え?なに?エンジェル・ハイロゥがあんの?
この世界、SEEDじゃなくてVガンだったっけ?
この時、フロンタルは宇宙猫と化した