フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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全天周囲モニター・リニアシート

フロンタルがSEEDに持ち込んだ技術でDESTINY編では既に完成している。
が、採用しているモビルスーツはDESTINY編ではシナンジュを含め、三機しかない。

シナンジュ  

n_i_t_r_oを装備した外道モビルスーツ

???

全天周囲モニターもパイロットには人気ではあったが、トリトマだけは別の反応をしていた。

彼女曰く、「視界とか、もともとアテにしてねーですから特に変わらねーです」

と、言って周囲をドン引きさせていた


第三十話

───数時間前

 

 

「ストライクとそのパイロットを回収しにいくなどと本気か!マリュー・ラミアス大尉!」

 

アークエンジェルの艦橋でナタル・バジルールの叱責するような声が響き渡る。

 

「ええそうよ。キラ君を放ってオーブに向かう事は出来ないわ。それにアラスカを抜けてオーブに向かうとしても、今の私達はモビルスーツに対抗するだけの戦力がないのが現状です」

 

「だからと言って敵陣であるアフリカの砂漠を横断すると?無謀にも程がある!」

 

キラを救出しにいくというマリューに対し、ナタルの方はキラを見捨ててオーブに向かうべきだと反対する。

 

「それにキラ・ヤマトは民間人を乗せたシャトルを撃ち落としたのだぞ!そんな人間を救出する為に我々の身を危険に晒すことを分かっているのか!」

 

「でも彼がいなかったらここまで生き残れなかったのは事実でしょう!私達には彼に恩があります!そんな彼を見捨てることは出来ないわ!」

 

恩か、それとも軍人としての責務か。

そんな彼女等が意見をぶつけ合う中、その中に割って入った者がいた。

 

「二人共、まずは落ち着け」

 

「「!!」」

 

二人の中に割って入ったのはムウ・ラ・フラガだった。

ぶつかり合う二人をまるであやすようにムウは言う。

 

「二人の言いたいことは分かる。確かにあの坊主は民間人を乗せたシャトルを落とした。でもな、あの状況はどうしようもないと俺は思うぜ?俺もあの坊主と同じ立場なら引き金を引いただろうからな」

 

どのみちデュエルにシャトルは狙われていたのだ。キラがデュエルに引き金を引かなければ結局は見殺しになって、何故彼等を見殺しにしたのかと責められるだけだ。

 

「それにその重荷を前までただの一般人だった坊主に背負わせちまったんだ。だったらその坊主を守るのは俺達のやるべきことなんじゃないか?」

 

そう言うムウに対し、ナタルは言う。

 

「前まではただの一般人だったかもしれませんが、今の彼は軍人です。なら、その責務を背負うのは彼も分かっているでしょう」

 

「そんなの・・・僕達を巻き込んでおいて勝手ですよ!」

 

「「・・・!!」」

 

そんなナタルの言い分に対し、抗議をするような叫びがアークエンジェルの艦橋に響く。

三人が声がした方へと顔を向けると、艦橋の入口には二人の若者がいた。

 

「貴方達・・・」

 

マリューがその二人を見てそう呟く。

そう。彼らは今の話に出てきたキラ・ヤマトの友人であるトール・ケーニヒとミリアリア・ハウだった。

そしてミリアリアが前に出てナタルに訴えるように叫ぶ。

 

「キラが一生懸命戦って、皆を守ろうとしてくれたのに貴方達はキラを見捨てるって言うの!フレイやカズイは死んじゃったし、サイはあれから部屋から出てこない。それに加えてキラまで帰って来なかったら私は貴方達を絶対に赦さないわ!」

 

この短期間で沢山───本当に沢山の事を味わった。

友達は二人死んだ。もう一人は争いは好きじゃないのに頑張って私達の為に戦って行方不明。

もし、キラが今も生きているのだとしたら私達が支えないといけない。でないとキラは自分のせいで彼等を撃ち落としたとその責任感で押し潰されてしまうだろう。

そんな彼等の勢いにナタル・バジルールは一瞬だが気圧されてしまう。

 

「まっ、そう言う訳だ。それに今の俺達はクルーゼの奴に追われている身だ。なら多少のリスクを背負ってでもあの坊主を助けにいくべきだぜ」

 

「・・・・・」

 

大尉の言うことも一理ある。

現状の戦力は艦内に搭載されているスカイグラスパーのみ。それだけの戦力でザフトからの追跡を振り切り、アラスカを抜け、オーブまで向かうのは確かに無謀といっていいだろう。

そんな彼等に押し負けてか、ナタルは「分かった」と答えた。

 

「ストライクが墜落した場所は恐らくこの辺り。だが、砂漠特有の寒暖差によるパイロットの負担と我々がザフトの部隊との接触しないのがこの作戦の要になってくる」

 

このアフリカの砂漠地帯にはレジスタンスが存在しているとはいえ、あくまでもレジスタンス。正規軍ではないし、なにより相手の主力モビルスーツには勝てない。

そして何よりも厄介なのが───

 

「砂漠の虎・・・彼等に遭遇しない事を祈るしかない」

 

「だがやるしかない。坊主を救出するにはな」

 

そしてそんな沈黙の中、マリューは艦内の乗組員に艦内放送を使って通達する。

 

「これより本艦は、ストライクとそのパイロットであるキラ君の救出の為、砂漠を横断します。敵軍との戦闘も可能な限り避けますが、念の為備えておいてください」

 

「皆もそれで良いわね?」

 

マリューのその言葉に皆が頷く。

キラの救出という電撃作戦が始まった。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「対空戦闘!イーゲルシュテルン、ウォンバット撃てッ!ダメージコントロール開始!」

 

マリューは至近距離で爆発するミサイルによって揺れる艦内で声を張る。

バルカンとミサイルで砂漠を駆け抜けるバクゥやジンを迎撃するが、地上におけるバクゥのその機動性に迎撃が追いついていない。

 

「ミサイルと思われる熱源反応多数、急速に接近!」

 

「フレア弾散布!面舵、全速!振り切って!」

 

「もうやってます!」

 

ザフトの一個大隊と戦闘になってからはや十数分。

戦闘の途中、レジスタンスがその戦闘に参加してきたとはいえ、ジン三機とバクゥ七機の相手は分が悪すぎた。

 

「右舷上部被弾!」

 

ミサイルの迎撃が間に合わず艦内を凄まじい衝撃が襲う。

そして一機のジンがバズーカの砲身をアークエンジェルの艦橋に向けたその時───

凄まじいエネルギーによる熱線がジンが持っていたバズーカ砲を撃ち抜いた。

 

「えっ?」

 

ザフト軍も含め、皆がビームの熱線が放たれた方角へと視線を向ける。

そこには一機のモビルスーツが立っていた。

 

「あれは!」

 

フェイズシフトダウンした状態であったが、間違いない。

 

「ストライク!?」

 

マリュー達がストライクのその姿を見て驚愕する。

だが、同時に嬉しくもあった。

 

キラが生きている。

 

そのことに皆が安堵する中で、ストライクがビームライフルを捨てた。

そして二本の重斬刀を手にし、そのままザフトのモビルスーツ部隊へと突っ込んでいく?

だが、この場にいる皆は誰も何も知らない。

 

ストライクのパイロットはキラ・ヤマトではなく───

 

 

「今、私は機嫌が悪くてな。少しばかり八つ当たりに付き合ってもらおうか」

 

マクギリスになりきって少し頭が可笑しくなったフル・フロンタルだということを。




エネルギー問題に関しては次回に分かります
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