フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
ゴールデンウィークは仕事で投稿する余裕がないのでかなり間が開くかと思います
高速で特攻してくるストライク目掛けてジンやバクゥがライフルやミサイルによる弾幕を作る。
だが眼前のストライクはその弾幕の雨をすり抜けるように避けながら接近してきた。
そのモビルスーツらしくないストライクの動きにその場に居合わせた兵達は戦慄する。
「なんなんだよ!あのモビルスーツ!?地上は初めてじゃないのかよ!?」
ジンのパイロットが砂漠を縦横無尽に駆け巡るストライクを見て悲鳴に近い叫びを上げる。
それもそうだ。
連合の新型は地上戦を経験していないと聞いていた。
だが現実はどうだ?
目の前のモビルスーツは砂漠という特殊な環境でありながらまるで人間のようなぬるりとした柔軟性を持ったモビルスーツらしくない動きでこちらへと近づいてくるのだ。
コレを相手に恐怖を覚えない訳がない。
そんな悪魔のような相手にとって彼等は一方的に狩られるのを待つ獲物であった。
◇◇◇◇◇
一方その頃。
このバエル(ストライクです)を止められはせんよ!
マクギリスを一時的にコピーしたことにより、普段の冷静沈着なフロンタルは何処へやら、その雰囲気を全てぶち壊しているフロンタルの頭の中はバエルに染まっていた。
これこそが!(一時的な)自由を手に入れた私の、全てをねじ伏せる力だ!
そう内心で叫びながらジンやバクゥのメインカメラだけを破壊し、無力化させていく。
砂漠という環境の中でよく砂に足を取られないなと思うだろうが、スラスターを吹かしまくってほぼホバー機体のような運用をしているのだ。
おかげでストライカーパックが悲鳴を上げている。
IQがぐんぐん低下している現在のフロンタルを今、不時着した輸送艦で待っているトリトマ達が見たらどうなるだろうか?
キャプテンは恐らく苦笑いするだろう。
まあ、仕事が仕事ですしと多少は大目に見るだろう。
トリトマは・・・想像し難い。
今回は味方に武器を向けているが、今回の件についてはフロンタルの立場が危うくなることはない。
それは何故か?
立場でもみ消すというやっちゃいけない事も出来なくはないが、レジスタンスにウズミ・ナラ・アスハの娘───カガリ・ユラ・アスハがいた場合、此方が最優先事項として部隊を動かせる立場にいるのだ。
だからこそ、フロンタルに損害は殆どない。
だが、バルトフェルドにとっては面白くない。
自分達の部隊に被害が出たとなってはフロンタルに不満が出るだろう。
だからこそ、根回しはしてある。
プロトタイプとはいえ、フロンタルが一から全て設計したこのSEED世界にとってオーバースペックとも言えるモビルスーツを数機、事前に送っている。
それはDESTINY編でフロンタルが自分の部隊に配備しようと計画を練っている機体───ギラ・ズール。
この時代に合わせてコクピットや大抵の機能はジンの使い回しになっていたりはするのだが、機体性能は一級品だ。
ギラ・ズールの納品にバルトフェルドは渋々だが、納得してもらった。
部下に対して情が厚い男だ。正直、気は乗らない提案だっただろう。
フロンタルが戦争を早期終結させる為に動いているということをバルトフェルドは知っている。だが、正直胡散臭いので気は乗らないが、立場的に飲まざるを得ないという形になってしまったが。
そして今回、フロンタル達が乗った輸送艦はそのギラ・ズールやジン、バクゥの装備や弾薬の運搬だ。
モビルスーツなどを運搬出来る輸送艦───ようは補給艦にのってきた為、ストライクのバッテリー等はある程度補充はしてある。
だが多少補充したとはいえ、たかが数時間。モビルスーツを運用するには些かバッテリーが心許ない。
だからフェイズシフトは切った。
あの装甲がビームライフル一発撃つよりもバッテリー電力を喰っているのだ。
そんな装甲、宇宙世紀育ちのフロンタルには必要ない。
当たらなければどうということはないのだから。
OSを地上用に書き換え?そんなもんしなくても感覚でイケるイケる。
だが一つ、フロンタルに誤算があったとすれば───
ストライクがマクギリスと化したフロンタルの操縦技術に性能が全く追いつかず、関節という関節が悲鳴を上げていることと、スラスターを吹かしまくっているがゆえ、ストライカーパックの摩耗が酷いことになっていることである。
ギラ・ズール
フロンタルが宇宙世紀の技術を使って作ったモビルスーツの一機。
他の量産機とは違い、センサー範囲が物凄く広いので不意打ちにはもってこいの機体である。
なおその派生機であるゼ・ズールもフロンタルが設計、秘密裏で現地開発させたシー・ゴーストと共に海で活躍している。