フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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と、投稿です


第三十四話

「ラミアス艦長。まずは君達の件について話をしよう」

 

フル・フロンタルは紅茶が入ったカップを机に置き、マリュー・ラミアスに視線を向ける。

 

「まず君達の目的はあの連合が開発した新型───ストライクを連合の本部があるアラスカへと輸送することだろう。違うかな?」

 

「・・・ええ」

 

フロンタルのその言葉にマリューは渋い顔をする。

マリューはフル・フロンタルが自分達の目的を知っていることに何ら疑いを持たなかった。

目の前に立つ男は連合でも恐れられる赤い彗星だ。自分達の作戦や目的など予想出来ているのだろう。

そんな返事をするマリューに対し、フロンタルは言う。

 

「だが、君達が連合の本部があるアラスカへ向かった所で君達やこの船には生き延びる道がない」

 

「いえ、あの艦とモビルスーツは連合にとって切り札になります。ソレを連合がやすやすと切れる筈がありません」

 

そんな僅かな希望に縋ろうとする彼女に対し、フロンタルは否定した。

 

「それはどうかな?」

 

そう言いながらフロンタルはマリュー達の前まで歩を進めながら口を開いた。

 

「連合には反コーディネイターを掲げるブルーコスモス思想の強い高官達が多い。そんな無駄な思想を持つ彼等がコーディネイターである彼を乗せ、そのおかげで生き延びた艦とそのモビルスーツを欲しがると思うかな?」

 

「それは・・・・」

 

フロンタルのその言葉にマリューは返事を返すことが出来なかった。だが、そんな彼女にフロンタルは更に追撃の言葉をかけた。

 

「それに君達は民間人であるアルスターのご息女を乗せたシャトルを事故という形とはいえ、撃墜してしまっている。その案件があるアークエンジェルとストライクは連合にとっては不必要な存在だ。例え、君達がこのままアラスカへと向かっても裏切り者として攻撃されるか、良くて使い捨ての駒として扱われるだけだろう」

 

この件のせいで連合にとって原作よりもアークエンジェルとストライクは邪魔な代物でしかない。

例え、彼等が無事にアラスカへと辿り着いた所で、反コーディネイター思想の高官達に殺されるがオチだろう。

 

「そんな・・・」

 

フロンタルが突きつけるその現実に逃げ道がどこにも無いと悟った彼女は顔を暗くする。

そしてそんなフロンタルに噛みついた人間がいた。

 

「なら、私達オーブが彼等を保護させてもらう!」

 

「ほう?」

 

フル・フロンタル相手に真正面から意見を言える人間はそういない。ましてやこの場にいる中で言える人物は一人だけだろう。

フロンタルは自分を睨みつけるような視線を向けるカガリに顔を向けた。

そしてそんなフロンタルに対し、カガリは言った。

 

「我が国、オーブは中立国だ!コーディネイターのこいつや彼女等を此方で保護をしても問題ないだろう!」

 

オーブ。

 

他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しないという理念を持つ地球の中立国。

確かにあそこならキラ達は問題なく過ごせるだろう。

 

でもな、カガリ嬢。これはそんな問題じゃないんだよ。

 

「君の言う通り、彼等をオーブで保護することは出来るだろう。だが、君は少々向こう見ずでもあるな。それは連合や大西洋連邦にとっての裏切り者を君は庇うと言うことになるからだ。そこにいるキラ君はまだ民間人という立場を利用して逃れることは出来るかもしれんが、他はそうはいかない。すぐに彼等の引き渡しを要求されるだろう。最悪の場合、オーブを攻める動機を与える行為になりかねない」

 

それしたらオーブの他国の争いに介入しないという理念を相手に利用されるかもしれないしな。

そんなフロンタルの言い分にカガリは言う。

 

「オーブは他国の侵略を許すつもりはない!そうなれば───」

 

「それは君達、オーブの言い分だ。言葉は言葉でしかなく、理念や法律そのものに力はない。例え君達が他の国へと侵略をせずとも、周りはそうは思わないだろう」

 

オーブは侵略しないと言っていても、周りからすれば自衛の為とはいえ武力を持つ国だ。

もし、気が変わって攻めてくるかもしれない。なら、オーブよりも更に強い力をと、周りは新しい兵器を開発していくだろう。

なら武力を捨て、平和を唱えるのが是かと言われればそれはノーだ。

まず、自分を守れる手段がない。

同盟国が守ってくれるから───話し合いをすればどの国とも解決出来る。そんな軽い理想だけで考えている頭の可笑しい連中の言い分なんぞ聞く必要はない。

何故なら最後、皆は口を揃えてこう言うだろう。

 

なんで自分達を守ってくれないんだ───と。

 

同盟国からしてみれば、他国に頼って武力を持たない同盟国なんぞ、ただの都合の良いカモだ。利用価値がある間は蜜を啜り、その国に価値がなくなったら捨てればいい。

どうせ最後に頼れるのは自分なのだ。

その最後の武器を捨てた連中には、それ相応の未来を与えて置けばいい───

 

いかんいかん。フロンタルになりきり過ぎた。

 

前世のことは忘れよう。今はキラ君達のことについて考えなければ。

そしてフロンタルはキラとマリューの二人に顔を向ける。

そして彼等に言った。

 

「今、私が君達に提示出来る方法は三つある。まずは一つはこのままアラスカへと戻り、捨て駒になる。だが、それは君達も本意ではない。そして二つ目。オーブ、もしくはプラントに亡命する。君達がそのどちらかに亡命をするのなら私が手回ししよう。尤もこの戦争が終わってからにはなるがね。そして三つ目。今後私が立ち上げる“袖付き“に加わるか───選びたまえ」




プロフィール

トリトマ・レオントッツォ

彼女のフロンタル以外の人間関係

キャプテン

上司。そこそこ仲は良くフロンタルの迷惑行為によく愚痴をこぼし合っている。


アレクセイ・コノエ

前の艦長さん

すれ違った時には話し合う程度。


部下

そもそもコーディネーターの中で戦闘以外に壊滅的な彼女はいい目で見られていない


アルバート・ハインライン

正直な話、苦手。


ラクス・クライン

偶に会う護衛先であり、現在のラクスにとって数少ない同性の話し相手。

お菓子で餌付けされている←オイ


アスラン、イザーク、ディアッカ、ニコル

士官学校の同期。
模擬戦では四対一で完勝した。イザークからライバル視されているが、本人は気にしていない


ミーア・キャンベル

二期で登場予定

偽物とはいえ、アイドルであるミーアがトリトマの追っかけをするとかいう訳分からん状態になっている

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