フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
「さあ、選びたまえ」
フロンタルがマリュー・ラミアスへ出した三つの選択。
このままアラスカへと行き、捨て駒となるか。それとも目の前の男の力を借りてオーブ、又はプラントへと亡命するか。もしくは連合を裏切り、フル・フロンタルの私兵となるか。
その選択はあってないような選択だった。
まずアラスカに行くのは艦長として・・・いや、マリュー・ラミアス個人として選択肢にはない。
自分ならともかく、元々一般人であるキラ君やその友人達をこれ以上巻き込むわけにはいかないからだ。
自分達が捨て駒になると分かりきっている戦場に彼等を巻き込む訳にはいかない。
そして二つ目。
フロンタルの手を借りて亡命するというのは正直な話、無理だ。
それはフル・フロンタル本人が一度口にしている。
例え亡命したとしても差し出せと言われれば差し出すしかないと。自分達の安全が保証できない以上、この選択肢は最終手段だ。
そして最後。
フル・フロンタルが立ち上げる組織───袖付きという組織に入るということ。
個人的な予想だがこれはフル・フロンタルの私兵になるということだろう。
それは連合を裏切り、ザフトに寝返れと言う事だ。一番安全なのはこの回答なのかも知れないが、マリューにとって恩師でもあるハルバートン提督の意思やコーディネイターに良い顔をしないクルーを無視してまで選ぶことは出来ない。
思い詰める彼女にフロンタルは言う。
「もし今決められないのであれば明日、答えを聞こう。その間にクルーや彼等と話し合えばいい」
「感謝、します」
苦悩していたマリューはフロンタルの提案に礼を言う。
そんなマリューを一目見た後、フロンタルは問題であるカガリと明けの砂漠のリーダーであるサイーブ・アシュマンに視線を向ける。
「さて・・・次は君達についてだ」
フロンタルはそう言って先にサイーブを見る。
この男の目的はアフリカでザフトに占領された土地を奪還すること。その為に明けの砂漠と言うレジスタンスを作り上げた訳だが・・・ぶっちゃけた話、奪還しても君等に先はないよ?
フロンタルはそう内心思いながらも、サイーブ・アシュマンに口を開いた。
「まず、君達明けの砂漠は何を望むのか教えてもらえるかな?内容によっては叶えられるかもしれん」
そう言うフロンタルにサイーブは怒りをぶつけるような声で答える。
「俺達の目的はザフトによって制圧された街を奪還することだ!」
「・・・ほう?」
そんなサイーブにフロンタルは言う。
「街を奪還する、か。それが出来るほど君達には力があると?」
「我々が団結すれば奪還することなど容易だ」
「では、街の復興などはどうするつもりかね?」
「我々の団結力で復興してみせる」
その言葉を聞いてフロンタルは内心呆れ果てた。
本気で言ってんのか?この男は?
街を奪還出来たとして復興はどうするよ?食料は?俺等が引いたら誰がブルーコスモスから君等を守るのよ?
奪還してから先のことは団結だけで乗り越えていけるノリのサイーブにフロンタルは呆れているのを隠すように言った。
「無理だな」
「なに?」
フロンタルのその言葉にサイーブは眉毛を上げる。
「君は今の街の現状を把握出来ていないようだ。今、この街は君の言う団結だけで乗り越えられるような状況ではない」
そう言いながらフロンタルはサイーブを見る。
彼の顔は怪訝そうな表情だが、そんな彼に言った。
「食料はどうするつもりかね?今、この街の食料問題は我々が関与している。我々がこの街から引いてしまえば君達はすぐに食料難になるだろう。そうなってしまえば彼等の不満の先は君達に向けられることになる」
「だが、それもすぐだ!地球連合が───」
「彼らが助けてくれると?それも非現実的だ。一度ザフトに陥落した街を彼らが欲しがるとでも?ブルーコスモスも同様だ。今は、我々コーディネイターがいるから彼等の矛先はこちらへと向けられているだけであり、矛先を向ける我々がいなくなれば次はこの街の住民だ。コーディネイターに与した裏切り者としてテロが多発する要因を作り上げるだけだ」
そう言うフロンタルに対し、サイーブは言う。
「だがそれは貴様ら敵側の予想だ!我々はそうはならない!」
「なら、一度見てみるといい」
「なに?」
フロンタルのその返答にサイーブは困惑するような声音を上げる。
「君はこの街の現状を大まかでしか把握出来ていない。この街は彼の部隊の支配下だが彼らはそちらから手を出さない限り、武力行使をしたことはないだろう?」
それに課題が一つ残っているんだよなぁ。
レジスタンスに紛れ込んだブルーコスモスの工作員をあぶり出す仕事が。
でないと、やってやり返しての繰り返しだし。
「一度、君達がどの立場にいるのか最初から見直した方がいい。君達レジスタンスも、もしかしたら利用されている側になっている場合もある」
「何?それはどう言うことだ?」
「いずれ分かる」
そう言うサイーブにフロンタルはそう短く答え、カガリを見る。
「さて、君とこうして話すのは二年前の会合以来だったか。カガリ・ユラ・アスハくん」
そう言うフロンタルに対し、カガリは睨みつけるような鋭い視線を向けるだけだ。
そんな彼女にフロンタルは言う。
「君らしき人物がレジスタンスにいるという情報は彼から聞いて分かっていた。それを確認する為にアフリカへとわざわざ来た訳だが・・・少し面倒なことになっていて私も困っているのだよ」
「面倒な事?」
その言葉にキラが反応する。
そう。面倒なんだよ。カガリの処遇をどうするのか。
基本的にレジスタンスと言うのは反社会組織───いわばテロリストの扱いになる。
宇宙世紀では袖付きもテロリスト扱いだったからこそ、ミネバ様がネェル・アーガマで捕虜(と言う名の人質)にされた時、慎重に行動する羽目になった訳である。
その組織にオーブ代表の娘がいて一緒に戦っていた?
そんなのが他に知れたらオーブがヤバいねん。そうなったら、オーブはカガリを切り捨てないと周りから目茶苦茶叩かれることになるのよ。
内心では胃が痛いとぼやきながらフロンタルは分かりやすく彼等に説明する。
「基本、レジスタンスは軍として認められない反社会対抗組織に含まれる。言い方を変えればテロリストと同じ扱いだ。そんな彼等の中にオーブの代表───ウズミ・ナラ・アスハの娘である彼女がいたらどうなると思う?」
「……っ、つまり今の彼女の立場はテロリストの一員であり、捕虜として扱われない。なら───」
「ああ。つまり我々やプラントにとって、彼女はオーブを操る為の人質になると言うことになる」
「───ッ!そんなの許される訳が」
「許される訳がないと───君はそう言いたいのかね?」
その言葉だけでフロンタルはカガリを黙らせた。
「君にはまだその自覚はないだろうがこれは戦争だ。君達明けの砂漠は我々からして見ればただのテロリストでしかない。軍として認められず、海賊や盗賊に近い立場である以上、今の君達には国際法の適用も期待出来ない。君の事だ。大方その場の激情で身を任せてレジスタンスに参加したのだろう。それは悪い事ではない───が、君は自分がどのような立場にいるのかちゃんと考えるべきだったな」
フロンタルの言葉に誰も反論することは出来なかった。
「トリトマを呼べ」
フロンタルは入口にいた兵にそう言ってキラ達を見る。
「君達には学ぶべきことが沢山ある。我々の事を知って欲しい。その上で良き協力者になってくれれば嬉しく思う」
どちらに転ぼうが終戦までの計画に支障はない。もし、良い方向へと転ぶことが出来たら大西洋連邦やブルーコスモスを孤立させることが出来る。
君達はどのような選択をする?
私を失望させないでくれたまえ。
最近バトオペで高機動型ケンプファーが当たり五百コストが楽しい日々です
五百コストで使っている機体?
強襲 ティターニア エンゲージゼロ・ブースター装備
汎用 高機動型ケンプファー、ケンプファー、ドルメル・ドゥーエ
支援 ロト
因みに作者の得意分野はフライト機です