フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第三十七話

「・・・・はーあー・・・」

 

面倒な事を押し付けられたとトリトマは自分の後ろを歩く彼等に小さく溜息をつく。

隊長に差し入れを届けようとしたら同年代くらいのナチュラルの人達に捕まり、彼等をストライクのパイロットがいる隊長の部屋に案内したら、今度は隊長の部屋にいた三人を押し付けられるというどうしてこうなった?という状況だった。

 

(案内しろって言われても私に何を案内しろと?)

 

初めて地球に来た私に何を案内しろというのか。正直、何をすればいいか分からない。

と、そんな彼女の前に一人のザフト兵が向こう側から歩いてくるのが見えた。

 

(おや?確かあの人は・・・)

 

バルトフェルドの部隊と副官のダコスタだったか、タコスだったか・・・まあ、そんな名前の人が歩いてきたので、トリトマは彼を呼び止めた。

 

「あー・・・そこの人、ちょっと良いです?」

 

「・・・?何でしょう?」

 

トリトマの言葉に進む足を止めるダコスタ。

そんな彼にトリトマは言う。

 

「この人達の案内頼んで良いです?私、今日初めて地球に来て地上の事はさっぱり分からねーですので」

 

「確か貴女はフロンタル隊長の・・・分かりました。では彼等の身柄は私が預かります。隊長方にもそうお伝えください」

 

「ありがてーです」

 

やっと面倒事から解放される。

トリトマはそう考えていると、ダコスタはそんな彼女に口を開いた。

 

「代わりと言ってはあれですが、バルトフェルド隊長に伝言を任せてもよろしいでしょうか?」

 

「それくらいお安い御用です。で?内容は何でしょう?」

 

そう言うトリトマにダコスタは後ろにいるマリュー達に聞かれないよう彼女に耳うちした。

 

「フロンタル隊長から送られたモビルスーツの一機が今、持て余している状態でして。その機体の所有者をどうするかを決めるようにとお伝えください」

 

そんな伝言にトリトマは首を傾げる。

 

「モビルスーツを持て余すってなんです?よっぽどピーキーな機体なんでやがりますか?」

 

彼女の質問にダコスタは頷いた。

 

「ええ。高機動高火力の強襲モビルスーツなんですが、装甲の厚さがディンよりも薄いせいで生存性がなく誰も乗りたがらない機体でして・・・」

 

「なるほど」

 

ようは特攻機である。

確かに性能がどれほど良くても、パイロットを碌に守ることが出来ない機体なんて誰も乗りたがらないだろう。

 

「内容は分かりました。では貴方のとこの隊長さんに伝えておきますね」

 

「はい。よろしくお願いします」

 

伝言内容を聞いてトリトマは振り返ろうとしたその時、ダコスタが何か思い出したようにトリトマに言う。

 

「ああ。そういえば連合の新型モビルスーツであるストライクと言う機体なんですが───」

 

「?」

 

首を傾げる彼女はストライクの今後を聞いて───

 

「え?それホントです?」

 

あまりのことに思わずそう聞き返してしまうのだった。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

「ご苦労だったバルトフェルド。君の隊には迷惑をかけた」

 

フロンタルのその言葉に対し、バルトフェルドはコーヒーを入れたカップを手に小さく肩を竦める。

 

「ここであの嬢ちゃんに死なれてオーブを敵に回すよりかは安い被害だ。まあもっとも、アンタの評判はうちの隊では悪くなると思うが良かったのかね?」

 

「それに関しては仕方が無いとこちらも割り切っている。だが、これでアスハやオーブを問い詰める手札が増えたと考えればその程度は許容範囲だ」

 

そもそもザラ派にはクッソ嫌われているけどな!俺!

戦場で戦果を上げているからザラ派は俺に強く言えねえだけで!

まあ、クッソ嫌がらせはされるけれども!

そう思うとムカついてきたな・・・ストレス発散に昼飯食べにいくか。

 

「バルトフェルド。私は少し席を外す。彼等の監視を怠るな」

 

「そう言うアンタはどこに行くつもりだい?」

 

「昼食だ。昨日の夜から何も食べていないのでな」

 

本来の俺だったらエナドリで十分だったんだがなぁ。流石に他人がいる所でフロンタルがエナドリをキメるのは絵面がヤバすぎる。

つか、キメたらトリトマに怒られる。

彼女がうちの隊に入って最初にブチギレたのが執務室の机の上に並べられたエナドリ缶だったからなぁ。

 

今でも覚えてるわ。鬼の形相で詰め寄るあの悪魔が・・・

 

思い出すのは止めよう。自分の健康管理で女の子に怒られるなんてなんか惨めになってきた。

 

「なら、一緒に食事はどうだい?フル・フロンタル。この辺でいい店を知っている」

 

「ほう?」

 

いい店ということはあれかな?ドネル・ケバブかな?

一回食べてみたかったんだよねードネル・ケバブ。

歳とってからあんまり肉料理食べなかったけど偶にはいいか。

 

「では昼は君に頼もうか。バルトフェルド」

 

さてさて、すぐにクワトロ姿に変装してバルトフェルドオススメの店に───

そう考えたその時───

 

「あ、なら私も一緒に行ってもいいですか?」

 

聞き覚えのある声が部屋の入口から聞こえてきた。

フロンタルとバルトフェルドはそちらに視線を向けると、そこには先程キラ君達を任せたトリトマがいた。

 

「トリトマ。彼等はどうした?」

 

一応な。一応聞いておく。やらかしてないならそれ以上はきかんけど。

 

「そこにいたバルトフェルド隊長の副官らしい人に預けてきました。この基地を案内しろって言われても私も来たばっかりで知らねーですので」

 

あー・・・そういえば彼女初めてだったな。地球に降りるの。

これは私のミスだわ。

 

「それはすまない。私の判断ミスだった」

 

「いえいえ。後、バルトフェルド隊長に伝言預かってますが今、聞きます?」

 

「聞こうか」

 

「えー・・・フロンタル隊長から送られたモビルスーツの一機が乗り手が居らず持て余している状態ですのでその機体の所有者をどうするか決めてください。だ、そうです」

 

その伝言を聞いてフロンタルは───

 

え?機体一機持て余してんの?試作品のギラ・ズール以外に送った機体なんて・・・あ。

と、考えた所で思い出した。

あのモビルスーツを。

最初はジンを始め、ディンやシグーの規格落ち部品や、不採用部品を流用した強襲機コンセプトで試作し、ストライク達が出てからは倉庫の肥やしなっていたのでバルトフェルド隊に贈りつけた紙装甲モビルスーツ。

 

 

・・・・ケンプファーかぁぁぁぁッ!?




機体解説

ケンプファー

開発経緯は強襲機の開発が遅れていた開発部にフロンタルがこんな機体でいいんじゃね?感覚で設計図を渡したのかきっかけだった。
ジン、ディン、シグーの規格落ち部品や、不採用部品を流用しており、特にディンの不採用品を多く採用したからなのか装甲面が紙装甲となっている。
武装はほぼあのケンプファーと一緒だが、武装面に関してはストライク達GATシリーズが持つフェイズシフト装甲を如何に早くブチ抜いて戦闘不能にさせるかという迷走極まった理由となってしまった。



後、友人がキャラの挿絵を作ってくれました!



【挿絵表示】



どうやら友人はこんなキャラに見えたらしい・・・マジで?
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