フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
「おかえりなさいフロンタル隊長。それで?対談という名の尋問の結果はどうでした?」
「尋問とは失礼な言い方だな。キャプテン」
結構酷いことを言ううちの艦長にフロンタルはそう言い返すが、艦長は悪気無い微笑みを向けたまま言う。
「フロンタル隊長の対談やお話の大体は尋問になるでしょうに。今回の件、フロンタル隊長は分かっていたんでしょう?オーブが連合と共にモビルスーツの開発をしていたのは国土防衛の為。そして前に逃がしたアークエンジェルとストライクを保護したのはその戦闘データとOSが欲しかったから。貴方が鹵獲したストライクに発信器をつけた理由もこれで納得しました。OSや戦闘データを取るためにはモビルスーツに専用の機材が必要になります。だからフロンタル隊長はオーブの何処に生産ラインがあるのかを突き止める為にわざとアークエンジェルとストライクを逃がしたのでしょう?」
ニコニコと微笑みをフロンタルに向けたまま、キャプテンは今までの事を全て言い当ててきた。
「どの辺で気づいたのかね?」
「確信を持ったのは貴方が鹵獲したストライクに発信器をつけさせたところですよ。最初は逃げられた時用の保険かと思いましたが・・・フロンタル隊長はそうするくらいなら爆破させて生存者を纏めて始末するでしょう?なら、彼等を餌にオーブを釣る。それくらいはするかと思いまして」
マジかよ・・・割りと早い段階で気づいてるなこの人・・・。どんだけ観察眼が鋭いんだ?
今までの事を全部纏め上げて正解まで辿り着くとケナンジさんか?あの人も子供の言った事を一字一句聞き流さずに犯人がシャディクだって繋ぎ合わせたからな・・・。
この人の前で下手に喋ると全部暴かれそうで怖いわ。
「それで?対談はどうでした?」
フロンタルの内心など知ったことではないと言わんばかりにキャプテンは対談はどうなったのかと聴いてくる。
「少し時間が欲しいとはぐらかされてしまったよ。やはりオーブを此方側に引き込むのは容易ではないと再度実感したとも」
あまり原発に頼っていなかったオーブを引き込むにはもう少し威力は足りないような気がしたからなぁ・・・。
だからアストレイの件も含めたんだけれど・・・それも厳しいかな。
「戦争が終わってある程度の事が片付いたらニュートロンジャマーを抑制させるニュートロンジャマーキャンセラーを同盟国に配布し、ライフラインやインフラを回復させる。とんだマッチポンプというか自作自演行為というか・・・」
しかも相手側に核を撃たせるメリットも出来るわけだしな。まあ、それはやらせんようにするけども。
「やり方は最悪だがカガリ嬢についても話をさせてもらった。もっとも期待などしていないが」
「最悪本人にやってないと言われますよ?」
「その際は我々を納得出来るような証拠を持って来いと言ってやるとも」
そう言ってフロンタルがソファに客室用のソファに座ろうとした時だった。
「ストップですフロンタル隊長。その席はトリトマさんが寝ているんですから別のところへ」
「なに?」
その言葉にフロンタルは腰を下ろそうとしたソファに視線を向けると、クッションを抱き抱えながら彼女が眠っていた。
すぅすぅと寝息を立てながら幸せそうに眠っている彼女を見て、フロンタルは力を抜いた。
「慣れない地球での長旅に疲れたのでしょう。ぐっすりと眠っていますよ。“隊長と違って”」
トゲがある言い方だなぁ!!
「いや、最近は私も眠れている」
「働き過ぎによる気絶が睡眠に入るとでも?其の内、永眠に変わるんじゃないですか?」
「それは困るな」
過労死で死ぬとか笑い話にもならん。
病院にお世話になったことは・・・うん、数え切れないな。
ちょっとは生活習慣も改善していこう・・・真面目にそう思ったフロンタルであった。