フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第五十二話

フロンタルとウズミの対談から丸一日が経った。

 

「さて、返答を聞かせてもらおうか。ウズミ・ナラ・アスハ。私が提案した取り引きを承諾する気になったかね?」

 

フロンタルの要求──終戦後、赤道連合とプラント───そして運よくば地球連合との同盟参加と現在、隠蔽しているアストレイの情報提供。

その対価はこれも終戦後にはなるが、ニュートロンジャマーを抑制することが出来るニュートロンジャマーキャンセラーの引き渡し。

 

正直な話、この取り引きには不確定要素が多い。

まずは連合が三国同盟に参加するかどうか。

コーディネイターを憎むナチュラルにとってそれは受け入れられないことだろう。

一時的に同盟を組んで核を使用できるようになった連合が油断したプラントに攻撃を仕掛ける可能性もある。

だが、フロンタルの三国同盟には既に赤道連合がOKサインを出したとこちらも確認済みだ。

もし先の考え通りになったとしても、半ばに中立国の赤道連合が割って入らざるを得ないだろう。

彼等はそのリスクを考え、それを承知した上でフロンタルの取り引きに乗った。 

民の暮らしを少しでも取り戻そうとする為に。

恐らくオーブはその保険だ。赤道連合だけでは荷が重いと目の前の男は考えているだろう。

その為の我々。民を守る為に武力を持った我々に目をつけた。

しかも国同士の信頼と信用。そして国の経済やライフラインを武器にして。

ここでフロンタルの取り引きを断れば、プラントとの関係は明らかに悪くなる。下手をすれば敵として見なされるだろう。

そうなれば同盟に何故参加をしなかったのかと一部の層から反発が起こるかもしれない。

フル・フロンタルは冷徹な男である。

可能性に溢れる世界を作るという理想を掲げている男ではあるが、それと同時に現実もよく見ている。そしてそれを武器に交渉や取り引きを持ちかけてくるのだ。

だがウズミはそんなフロンタルに臆することなく口を開いた。

 

「悪いが、君の取り引きに”我々オーブは応じられない“」

 

「ほう?」

 

ウズミが出した返答にフロンタルは仮面の奥で目を細める。

 

「何故応じられないのか・・・理由を聞きたい」

 

オーブ側にもメリットがある選択を蹴ってまで中立を保とうとするウズミにフロンタルは問う。

 

「確かに君がこれからやろうとしていることは今、この世界の人々にとって必要なものであり間違いではないのだろう。だが、私にはそれが正しいとは思えない」

 

「それは何故?」

 

「君が作ろうとしている可能性という未来・・・それは確かに人にとって必要なものだ。だが、今の人類にとってその可能性という未来は早すぎる。今、彼等に必要な物は時間だ。ナチュラルとコーディネイターが手を取り、そして──」

 

「話し合うことでお互いを理解し合えると?」

 

そう言うフロンタルにウズミは頷いた。

なるほど。確かにそれも間違いじゃないし、やり方も嫌いじゃない。けどそれで上手くいくんだったらダブルオーのソレスタルビーイングや後に出てくるコンパスのような組織は必要ないんだよ。

 

「アスハ代表。一つ貴方に言いたいことがある」

 

「何かね?」

 

そう言うウズミにフロンタルは言った。

 

「”人は知り合えても手を取り合うのは簡単ではない”」

 

「なに?」

 

フロンタルのその言葉にウズミは目を細める。

そんなウズミにフロンタルは言った。

 

「かつて可能性を信じた少年が言った言葉だ。なぜ世界は変われないのか。なぜ、皆が分かり合える世界がこないのか。それは人類は分かり合えることが出来ないからだ」

 

「なんだと?」

 

「理屈では消せないのです。恨みも、後悔も。貴方のように割り切ることが出来ない人間はどこにでもいる。万人が認める正しい行為なんてものは存在しない。私や貴方のいう正義は必ずどこかで誰かを爪弾きにする。結局その爪弾きにならないため、別の誰かを爪弾きにする為に人は争う。それは自覚できるものではない。貴方も私も結局は誰かを爪弾きにしている」

 

その言葉にウズミは答えることは出来なかった。

かつてウズミもコーディネイターの存在を否定していたのだから。

 

「結局、貴方は私と同じだ。理想を語っておきながら現実を知り、挫折する。だが、私はその挫折を知った上で彼等がこの世界に現れるの待っているのです」

 

「・・・彼等?」

 

ウズミの問いにフロンタルは頷いた。

 

「ええ。それでもと可能性という未来を掴もうとする人間・・・人と人とが分かり合おうとし、そして変革していく彼等──”ニュータイプ“と呼ばれる彼等を」




DESTINY編少し前にデュランダルがトリトマをデスティニープランの一人にしようと袖付きから引き抜こうとしたことがある。

フロンタルは最初は彼女を成長させるいい機会だと一瞬考えたが、トリトマの後任がアグネスだと知って、速攻で拒否った。

そして彼女の才能がどうしても欲しいデュランダルと自分の胃とトリトマを守る為にフロンタルはチェスで勝敗を決めたのだが、結果はフロンタルの完勝。
フロンタルになる前のオリ主のチェスの実力で勝利を勝ち取った。

フロンタル(オリ主)のチェスの実力?

スパコンAI程度なら連勝は余裕なこと。

やっぱりコイツ人間じゃねえ!
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