フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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朝からガンブレ4のpvで笑わせてもらった作者です


第五十三話

「平穏な国でやがりますね、オーブという国は」

 

フロンタルがウズミと会談をしている最中、トリトマはオーブの繁華街でそう呟いた。そんな彼女にキャプテンも頷く。

 

「まあ、中立国ですから。自国は平和だと思っているのでしょう。もっとも平和に少々過信し過ぎているみたいですが」

 

「───平和の国、ですか」

 

コロニーやプラントとは違い、隔壁に穴が空いたら死に繋がる危険はないし、地球にある国である為核攻撃の心配もない。それゆえの過信ではあるのだろう。

 

「ここまで平和だと眠くなりそうです」

 

「貴方に平和な国は合わなさそうですね」

 

欠伸をする彼女にキャプテンはそう答えると、トリトマは言った。

 

「キャプテンさんは私をバトルマニアかなにかと思ってます?私だって好きで戦っている訳じゃねーですから」

 

「そう言いつつも相手には容赦ありませんよね?」

 

「そりゃそうですよ。殺しに来る敵に容赦はしねーのは当たり前です」

 

戦争を終わらせる為には敵を潰すか、話し合いで和解する以外に知らない彼女にとって自身を殺しに来る人間は敵としか見ていない。

死ぬのが嫌なら戦場に出てこなければいいのにと考える彼女にとって隊長がアフリカの砂漠で気にかけていたキラ・ヤマトというコーディネイターは正直、あまり好きではなかった。

 

「オーブがここまで平和だとプラントなんて平和もクソもねーことが嫌になるくらい分かりますよ。プラントの皆さんもこの国の人達みたいに穏やかな人が多かったら隊長があんなに苦労することなかったでしょうに」

 

そう言う彼女にキャプテンは苦笑いを浮かべると、不満そうに言う彼女に言った。

 

「皆が皆貴方やこの国の人達のような人じゃありませんから。それにフロンタル隊長はそんな人達を含めて信じているんじゃないですか?人とコーディネイターが手を取って平和に暮らせる世界を作れると。そんな奇跡みたいな可能性をあの人は手に入れようと頑張っているんでしょう?」

 

キャプテンのその返答を聞き、トリトマはしばらくの間なにか考えるような顔をした後、口を開いた。

 

「世界がこのオーブのように平穏で平和になるのなら、私は頑張ってその世界を目指したいと思ってます。ただ・・・」

 

「ただ?」

 

口を紡いだトリトマにキャプテンは髪で顔が見えないトリトマを覗き込むと、普段の彼女が見せることない不安そうな顔に驚いた顔を作る。

そしてそんなキャプテンにトリトマは口を開いた。

 

「不安なんです。隊長が頑張って世界を平和にしようとしている中で、それでも世界が何も変わらなくて隊長の口から“やっぱり人は変わらなかった“って言葉が出るのが・・・とても」

 

「・・・トリトマさん」

 

そう思いつめていた彼女にキャプテンの声が響く。

ハッとしたトリトマは顔を上げると、キャプテンは彼女に言った。

 

「確かに貴方がそう思うのも無理はないと私も思いますよ?今の私達コーディネイターやナチュラルは互いに滅ぼさなければならない敵としてしか見れていません。フロンタル隊長もこう言っていました。『人が争うのは今、人が進化の入口に立っているからだ』と。そして『そうして争わなければ人は人同士の争いで滅びてしまう』。もしかしたらフロンタル隊長は私達が想像することが出来ない未来を見ているんでしょうね」

 

「そうですね・・・多分、私もそうだと思います」

 

隊長が見ている未来がなんなのか・・・知るすべはない。

 

「きっとフロンタル隊長はいつか全部話してくれますよ。今、私達は私達に出来ることをしましょう。それが今の私達がやるべきことです・・・それはそれとしてトリトマさん」

 

「・・・なんでやがりますか?」

 

首を傾げるトリトマにキャプテンは屋台に指を指しながら言った。

 

「彼処でフロンタル隊長がオーブに来たら食べてみたらいいと言っていたマンボウとかいう魚の串焼きが売っているみたいなんですが・・・食べてみます?」

 

「食べます」

 

「なら買っていきましょうか」

 

隊長がオススメと言うのならきっと美味しいのだろう。

先程までの暗い話から一変して彼等はオーブの観光を楽しむのだった。

 

 

 

 

 

「あのキャプテンさん・・・」

 

「なんです?」

 

「このマンボウ?とかいう魚の串焼き・・・すっごく臭いんですけれど」

 

「まあ、フロンタル隊長はよくわからない魚を生でいったりするゲテモノ好きですからねぇ」

 

「ゲ、ゲテモノ好き・・・」

 

知りたくないフロンタルの側面を知ったトリトマであった。




キャプテン プロフィール

キャプテン、若そうに見えて実は四十二歳である。
前にトリトマのアレな姿を見てぶっ倒れなかったのは、彼女と同い年か少し下の娘が二人いたからであった。
もっとも、八年前に妻と離婚してから会っていないようであるが。

トリトマ プロフィール

彼女には二つ下の妹がいるのだが・・・如何せん容姿が似ていない。
どれくらいに似ていないのかって?
それはあのフロンタルがえっ?トリトマの・・・妹?と首を傾げたくらいである。
もっともフロンタル曰く、遺伝子操作をすれば容姿はある程度は改造できるらしいが、ここまで似ていないのか?と疑うレベルだったらしい。
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