フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第五十六話

「はぁ・・・・」

 

パトリック・ザラのオペレーション・スピットブレイクの宣言から数時間───フロンタルは大きな溜め息をつきながら執務室の椅子に腰をかける。

その溜め息の理由は先の会議についてだった。

 

いやさぁ・・・分かってはいたけどさぁ・・・でもまさか強硬手段で俺からザフトの指揮権限を奪ってくるとは思わなんだ。

 

アラスカを強襲するのは止めた方がいいと忠告はしたけど、絶対に聞かねえだろ。あの男は。

さてスピットブレイクを回避する手段をあの男に取られてしまった以上、俺のやる事はジェネシスを撃たせないようにするだけだ。

フリーダムに関してはまだ多少猶予はある。

俺からしてみればフリーダムは奪われても個人的には特に問題はない。

いや問題はいくつかあるにはあるが、もう一つの件がなぁ。

それはクライン親子の暗殺の件だ。シーゲルは別に暗殺されても問題はないが、ラクスは死んでしまっては困る。 

なんで死んでは困るのかって?

ゆかりんとアコードの件だよ!

最終的にラクスはFREEDOMでとんでもない地雷になるからその保険も掛けておきたい。

 

それまで”俺も自我を保てるか分からん”しな。

 

と───

 

「また難しい顔してやがりますよ?隊長」

 

「む?」

 

突然声を掛けられ、フロンタルは顔を上げた。

そこには部屋着姿のトリトマの顔が考え事をしていたフロンタルの目先にあった。

しかもそれだけではない。

 

「・・・?どうしたんです?」

 

鎖骨ぅ・・・!後、服!ズレてるって!

 

首を傾げる彼女は気にしていないようだが、フロンタルにとって目に毒だ。

仮面で顔が見えないことがここで幸いした。

内心でめちゃくちゃテンパっているフロンタルは自分を覗き込むトリトマに言った。

 

「服がズレているぞ」

 

フロンタルのその言葉に彼女はキョトンとする。

そして彼女は自分の胸元を見て「そう言う事でしたか」とズレた服を元に戻した。

 

「やっぱり男性用の服ですから私には大きいんですよね。まあ、私は気にしてねーですよ?この部屋はどうせキャプテンさんか私しか来ませんですし。それに隊長に見られて困るものなんてねーですし」

 

そう言ってトリトマは執務室の端にあるソファに腰を降ろし、机に置かれたクッキーを口にいれた。

 

「あっ、これ美味しい・・・オーブにはこんな美味しいお菓子があるんですね」

 

そしてトリトマはフロンタルに顔を向けた。

 

「で?隊長さん、なんで難しい顔をしていたんです?何かあったんですか?」

 

「ああ。今回の会議でザラ議長に今まで私が指揮をしていたザフトの指揮権を取られてしまってね。おかげで今のザフトでの私の立場は只の隊長だ」

 

「いや、逆に隊長がザフトの総司令官やっていたのが驚きなんですけれど・・・というか初耳なんですが?」

 

顔を引き攣らせる彼女にフロンタルは小さく肩を竦めながら口を開いた。

 

「言う必要がなかったのでね」

 

「だからって・・・いえ、いざとなったら私がぶん殴ってでも止めます」

 

「それは止めたまえ」

 

それは流石にシャレにならん。

歳の差半分以上ある彼女の修正パンチをくらったら多分俺、情けなさ過ぎて泣きたくなるわ。

 

流石に私はあの情けない大佐と同格になりたくはない。




今話のトリトマちゃん

【挿絵表示】

フロンタルの視線
ホントに無防備である


シナンジュのプロフィール
フロンタルがコズミック・イラで作ったシナンジュ、実は数えるほどしか乗っていない。

なんだったらシナンジュのコクピットに乗った回数だけならトリトマの方が多いのである。
出撃もしないのにナニしているのかって?

ガンダム vs Zガンダムのシャアゲルに乗ったハマーン様を思い出して見てください

シナンジュが可哀想になってきます
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