フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
プロフィール
RX-0 ユニコーンガンダム
バナージ君の機体にしてフロンタルが初めて戦った機体。
皆さんも知っての通り、全身サイコフレームの頭がおかしい機体。
シナンジュの化け物染みた機動力でトリトマはダメージを受けていたが、そのシナンジュをデストロイユニコーンは余裕で後ろから追い抜いてくる。
そのGは圧は解説書内でデストロイモードにおいて瞬間的に20Gにまで達したとされる
神コーンは光の速さと言われているが、実際は不明。
「全滅!?全滅とはどういうことだ!?そんなバカな話はなかろう!!」
「カーペンタリアは、とにかく正確な情報を・・・」
慌ただしい雰囲気の中、アスランはカツカツと足を進めながら議長───父がいる部屋へと足を進めていた。
「何をしている!ジブラルタルからも応援を出させろ!」
「無人偵察機じゃ駄目だ。今欲しいのは詳細な報告なんだよ!」
「そんな話は聞いてないぞ! 」
「どこからの情報だそれは!」
怒声と切迫した声が廊下に響き渡る中、アスランは目的地である議長室についた。
「失礼します!」
そう言って部屋に入ったアスランが見た光景は現状報告をする将校達とその報告で忙殺されている父──パトリック・ザラの姿があった。
「使用されたのはサイクロプスのようです。基地の地下に、かなりの数のアレイが・・・」
「クルーゼは?」
「まだコンタクトは取れておりませんが、無事との報告を受けております」
「あの男から詳細な報告を上げさせろ」
そう言ってパトリックは次の報告に耳を傾ける。
「アイリーン・カナーバ以下数名の議員が、事態の説明を求めて議場に詰め掛けています」
「少し待て」
「は!」
パトリックはアイリーン・カナーバの名前を聞いて少し待てと部下を黙らせる。
そして将校に次の指示を出した。
「ハァ・・・ともかく残存の部隊をカーペンタリアに急がせろ!」
「はッ!」
「浮き足立つな!欲しいのは冷静且つ客観的な報告だ!それでクライン等の行方は!」
そう叫ぶパトリックの返答に部下の男は言う。
「まだです。かなり周到にルートを作っていたようで。思ったより時間が掛かるかも知れません」
「・・・あまり使いたくはないがフロンタルが寄越した情報を使って探し出せ。後、司法局を動かせろ。カナーバ等、クラインと親交の深かった議員は全て拘束だ!」
「えっ!?・・・しかし・・・」
「スパイを手引きしたラクス・クライン!共に逃亡し行方の解らぬその父!漏洩していたスピットブレイクの攻撃目標!子供でも解る簡単な図式だぞ!クラインが裏切り者なのだ!」
「えっ!?」
「なのにこの私を追求しようとでも言うのか、カナーバ等は!!奴等の方こそ!いや、奴等こそが匿っているのだ!そうとしか考えられん!」
あまりに無茶苦茶な理由に男は戸惑いの表情を作りながらも、パトリックの言う事を聞くしかない。
何故なら彼はこのプラントの議長であり、最高権力者であるのだから。
「りょ、了解です!」
そう言って男が部屋から出ていったのと同時、パトリックは用意されていた椅子に腰を降ろす。
「・・・・はあ」
親子二人だけになった部屋でパトリックは大きな溜め息をつく。
そしてそんな彼にアスランは口を開いた。
「・・・・父上」
「なんだ、それは」
「失礼致しました!ザラ議長閣下!」
苛立しげに答えるパトリックにアスランはすぐ名称を変える。
そんなアスランにパトリックは言った。
「状況は認識したな?」
「はい・・・ですが、しかし、私には信じられません。ラクスがスパイを手引きした等と・・・そんなバカなことが・・・」
未だに信じられないというアスランにパトリックは椅子に取り付けられたパネルを操作すると、部屋の天井から一枚のモニターが降りてくる。
そしてモニターに映し出された一枚の映像は工廠にはフリーダムとラクス、そして赤服を来た一人の男の姿があった。
「・・・見ろ。工廠の監視カメラの記録だ。フリーダムの奪取はこの直後に行われた。フロンタルがこの証拠を提出しなかったら誰が彼女になど嫌疑を掛ける。お前がなんと言おうが、これは事実なのだ。ラクス・クラインは既にお前の婚約者ではない」
「あのフロンタル議員が!?」
クライン派の後釜にして穏健派であるフロンタルがこの映像を提出したのだという。
そんなあり得ない事を聞いたアスランは目を見開いた。
だが、パトリックは忌々しげな顔を作りながらも、アスランに言う。
「お前は知らなくて当然の事だ。奴はクライン派派閥の人間ではあるが、自分に不利益になるような事であれば親密な関係を持つ相手でも容赦無く切り捨てる裏の顔を持ち合わせている。今回の件に関しても、奴はクライン等が怪しい動きをしていた事を前々から周知していた。そして切り捨てる段取りもな」
パトリックは苦虫を噛み潰したような顔をしながら話を続ける。
「今回のスピットブレイクの事もそうだ。スピットブレイクの本来の目的であるアラスカ基地の強襲を最初から知っていて、それでいて尚且つ、アラスカ基地の罠のことも知っていた!こうなることを始めからあの男は予見していたのだ」
「では、ザラ議長はフロンタル議員がラクスを使ってスパイを手引きしたとお考えなのですか?」
アスランのその言葉にパトリックは首を横に振る。
「最初はそうなのだと考えた。フロンタルがスパイを手引きした張本人なのだとな。だが、コレを見てその考えは違うと改めさせられた」
そしてモニターに違う映像が映る。
それは宙域でフリーダムと普通のモビルスーツより一回り大きい機体が戦闘をしている様子の映像だった。
「お前はフロンタルが戦場に立つ時のパーソナルマークは知っているだろう」
「あ、はい」
その言葉にアスランは頷くと、パトリックはシナンジュに画面をアップさせる。
そして盾と機体の胸元に描かれているマークを見て、アスランは困惑の声を上げた。
「これは、フロンタル議員のパーソナルマーク?」
困惑するアスランにパトリックは頷く。
「ああ。最初は偽装か何かと思ったが、あの機体は元々フロンタルの専用モビルスーツとして作られたものらしい。しかもあの機体が発進したのは六番ゲート。フロンタル隊が拠点とする地区から発進したとなれば、あの場にいたのはあの男しかありえない」
赤い彗星自らが出陣し、それでいて取り逃がした。
「最初はあの男が取り逃がす事があり得るのかと考えたが、あの機体はテスト運用していた最中でそれでいてトラブルも起きたと報告があった。実際、ハインラインからもそう報告が来ている」
だからこそフロンタルが犯人だというのは真っ先に候補から外れたのだとパトリックは語る。
そしてそんなパトリックにアスランは言った。
「では、フロンタル議員は今何処に?」
「今は取り押さえて部下諸共拘束し、奴の本拠点で軟禁している。議員としての権限も取り上げてな」
どうやらもう拘束済みではあるらしい。
そしてパトリックはアスランに言った。
「お前には重要な任務がある。まだ非公開だが、国家反逆人であるクラインの暗殺と奪取されたX10Aフリーダムの奪還、そしてそのパイロット、及び接触したと思われる人物、施設、全ての排除にあたれ」
「接触したと思われる人物、施設まで全て排除・・・ですか?それはあまりにもやり過ぎなのでは!?」
その言葉にパトリックは言った。
「X10Aフリーダム、及び、X09Aジャスティスは、ニュートロンジャマー・キャンセラーを搭載した機体なのだ」
「ニュートロンジャマー・キャンセラー・・・?そんな・・・何故そんなものを!プラントは全ての核を放棄すると!」
そう言うアスランにパトリックは怒号する。
「勝つ為に必要となったのだ!あのエネルギーが!準備が出来次第工廠へ行き、ジャスティスを受け取れ。お前の任務は重大だぞ。心して掛かれ!」
その重大な責務にアスランは呆然とするしかなかったのだった。