フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第七十二話

「クルーゼ隊長。フロンタル隊に動きがありました」

 

「ようやくか」

 

ナスカ級高速戦艦〈ヴェサリウス〉の艦内でクルーゼは顔を上げる。

現在の状況を把握してかあの男もようやく重い腰を上げる気になったのだろう。

 

「報告しますか?」

 

「放っておけ。した所で鎮圧部隊が返り討ちに遭うだけだ」

 

最強の部隊の名は伊達ではない。

 

「しかし手慣れていますね。あそこまで動けるなら何故、今まで動かなかったのでしょう?」

 

「動こうと思えばあの男はいつでも動くことは出来ただろうさ。私の予想では最後の火消しの為に出てくるのだろうと予想はしていたのだがね」

 

そう言いながらクルーゼは笑う。

 

「しかしフロンタルも運がない。前任が優秀過ぎたあまり、ザラがこれまでしてきた出来事にザフト自体が内側から崩壊するとは考えてもいなかっただろう。人の愚かさとはどこまでも変わらないものだ」

 

あの男は現状をどう見ているのだろう。

救う価値も無い愚か者共と考えているのだろうか?それともまだ人は変われるのだと信じているのだろうか?

それは本人にしか分からないことだ。

だが、今こうして動いていることから考えるに現状を放置して更に悪化させるのを食い止めようとするだろう。

その為に旧クライン派と合流し、利用するという可能性もゼロではない。

 

「さて・・・私も行くとしよう。どうやらザラ議長がお呼びのようなのでね」

 

「準備は出来ております」

 

とはいえ、自分の目的は変わらない。自分のような存在を作り出した世界への復讐。それだけは変わらない。

だが、もし自分を止めるのならきっとあの男だろう。

 

部下に誘導されるクルーゼは昔の事を思い出す。

それはデュランダルを通じてフロンタルに初めて出会った四年前の時のことだ。

 

『クローンである彼の寿命の問題を解決出来ないか・・・だと?そもそもの話、我々動物の寿命とテロメアの長さに関してはあまり関係ない。クローン=寿命が短いというのはただの眉唾だ。ちゃんとした生活を取り給え。その健康状態を保ち続ければクローンであろうとも長生きすることは出来る。個体差はあるがね。もっとも外見や組織的の老いに関しては私でもどうしようも出来んが』

 

もしテロメアが寿命と関係していたらネズミやチンパンジーは人間の倍は生きるぞと言われた時はデュランダルと二人で唖然としたものだ。

言われた通り生活習慣を変えてみれば予想されていた年数よりも長く生きる事が出来ている。

クルーゼからして見ればフロンタルはレイや自分の恩人ともいえる。

だが、気味が悪いのも事実だ。

自分達の動きを全て先回りしてその可能性を潰している。そのような気がしてならない。

全てが自分の思い通りにならないのは分かっていたことだ。

それと同時に自分がやろうとしている事があの男にとって障害になるという事も。

 

(可能性か・・・やれやれ。そんなものに少しでも期待している私も完全に人を憎みきれんとはな)

 

そうクルーゼは思いながらヴェサリウスを後にするのだった。




キャプテン「そう言えば・・・隊長、この大量の資金と資材はどこから掻き集めたんです?今、プラントは資金や資材不足でしょう?」

フロンタル「大半はポケットマネーでかき集めた」

キャプテン「はい?」

フロンタル「お蔭で私が今まで貯めてきた財産の大半を失ったよ」

エル(・・・絶対に失敗出来ないやつだ!!)



お風呂上がりなトリトマちゃん


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