フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第八十五話

「キャプテン。定期連絡があったと聞いたが、何か変わったことでもあったか」

 

《ムサカ》の艦橋、艦長席に座るキャプテンはフロンタルが来たのと同時、モニターをアップさせ、アークエンジェルとエターナル、そしてクサナギが映った映像が拡大される。

 

「隊長の言った通りになりましたね。見たことのない艦が二隻ほど一緒ですが足付きがきましたよ」

 

「すぐに出撃する。キャプテン、艦は任せる」

 

「すぐに?分かりました。エルさん、艦内放送をお願いします」

 

「りょーかいしました」

 

キャプテンの指示を聞いてエルはすぐにマイクの電源を入れる。

 

『ムサカ乗組員各員へ。目的の足付きを発見しました。モビルスーツパイロットはすぐに準備をお願いします。その他クルーはすぐにスーツの着用をお願いします』

 

そう言ってエルは放送を切り、席から離れた。

 

「私もスーツ着てきまーす」

 

「すぐに戻って来てくださいね」

 

「分かってますよ」

 

そう言って艦橋から出ていくエルを見送り、フロンタルも身を翻した。

 

「私も出るぞ」

 

「いってらっしゃいませ。ああ、後、パイロットスーツはちゃんと着ていってくださいね?トリトマさんに怒られたくなければ」

 

釘を刺されたんすけど?

お前が信用ないからだよ

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

アークエンジェル艦橋にて

 

「初めまして・・・・と言うのは変かな。地球で出会った以来か。アンドリュー・バルトフェルドだ」

 

「マリュー・ラミアスです。しかし驚きましたわ。まさかこうして出会う事になるとは思いませんでした」

 

「それはお互い様さ。なあ、少年?」

 

そう言いながらバルトフェルドはキラに視線を向ける。

 

「え・・・はい」

 

どう答えて良いか分からず、目を逸らすキラにバルトフェルドは苦笑した後、マリューは言う。

 

「我々にご協力していただけるのは感謝します。ですが、自国の反逆行為と分かっていて行動するのは並大抵のことでは・・・」

 

そう言うマリューにバルトフェルドは言う。

 

「正直、ザラ派のやり方にうんざりしていただけさ。アイシャにも相談して今は一部の部下と一緒に残存するクライン派と残って貰っている。この件についても納得してはくれたさ。まあ、急な話だったから色々と言われたがね」

 

「・・・・そうですか」

 

そう言って肩を竦めるバルトフェルドにマリューはそう答えるしかなかった。

 

「それはさておき、ここからは真面目な話だ。今、俺達はL4コロニー群に向かっているんだったな?」

 

バルトフェルドの質問にマリューは答える。

 

「はい。予定ではそのように」

 

「こいつは確か、開戦前にバイオハザードを起こして破棄されたコロニーだろ?」

 

「ああ。このメンデルの事故はオレも記憶にある。けっこうな騒ぎだった。でもま、そのおかげか一番損傷は少ないし、とりあえず陣取るにはいいんじゃないの?」

 

無人のコロニーは開戦後、L4を巻き込んだ戦闘でも攻撃の対象にはされずに大きな損傷を受けることもなかった。

陣を取るには問題ない。

 

「それには同意する。だが、問題があってな」

 

「・・・・月ですね。現在地球軍は奪還したビクトリアから次々と部隊を送ってきていると聞いています。そこでプラントを総攻撃するつもりなのでしょう」

 

そう言うラクスにバルトフェルドは冗談めいた口調で言った。

 

「元々それがやりたくて仕方ない連中がいっぱい居るようだからな。青き清浄なる世界の為に・・・だったか?」

 

その言葉に誰もが口を噤む。

 

「なんでコーディネイターを討つのが青き清浄なる世界の為なんだか。そもそもその青き清浄なる世界ってのが何なんだか知らんが、プラントとしちゃあそんな訳の分からん理由で討たれるのは堪らんさ」

 

バルトフェルドは飄々とした口調で話す。その途中でカガリが怒ったような顔で艦橋から出て行った。彼の話に気を悪くした・・・という訳ではないだろう。

 

 

「だがまあプラントもプラントで一部以外はナチュラルなんか既に邪魔者だっていう風潮にある。特にトップの連中はな。当然防戦し反撃に出る」

 

「────二度とそんなことのないように・・・ってね」

 

沈黙が艦橋に満ちる。

 

「それがどこまで続くんだか」

 

「・・・・酷い時代よね」

 

「ああ・・・」

 

終わりの無い負の連鎖。それが永遠と続く。

ジョージ・グレンもこんな未来は予想だにしなかった筈だ、ただ、よりよい未来を、人類の新たな可能性を求めてと一歩を踏み出したはずなのに。

 

「でも・・・・そうしてしまうのもまた止めるのも、私達、人なのです。いつの時代も私達と同じ想いの人も沢山居るのです。創りたいと思いますわ。そうでない時代を」

 

「・・・・そうだね」

 

ラクスの言葉に促されるようにキラも頷いた。

 

「とは言っても、だ」

 

バルトフェルドはそんな雰囲気のラクス達に真剣な表情で言う。

 

「事はそう簡単には運ばんだろうな。あの男がいる限り」

 

「あの男?それは一体・・・?」

 

マリューのその問いにバルトフェルドは答えた。

 

「フル・フロンタルだよ」

 

その名前にその場にいた全員が声を詰まらせる。

 

「ダコスタ君から聞いた話なんだが、そこのクライン嬢は奴の出した提案を一度断っている。向こうからしてみれば我々の存在は邪魔でしかないだろうな」

 

「でも、あの人もあのラクスと同じ平和を目指しているはずじゃあ・・・」

 

キラのその言葉にバルトフェルドは首を横に振った。

 

「それは最終的には、だ。だがソレよりも今のフロンタルはザラ派の動きを警戒している」

 

「それは、何故?」

 

マリューの問いにバルトフェルドは言う。

 

「プラントの付近の宙域でザラ派が何かしらの大量破壊兵器を作っているという情報があった。恐らく、フロンタルはこの戦争に使われるだろうその兵器を警戒している」

 

「それは一体・・・?」

 

「それについては分からん。ただ、フロンタルが警戒するという事は相当ヤバい代物なのは間違いないだろうな」

 

そう言って一息つくと、バルトフェルドは再び口を開く。

 

「それが何なのか・・・まずはフロンタルを探さなきゃならん。正直な話、ザフトも内部分裂を起こして混乱している状態だ。ザラ派とクライン派・・・いや、ザフトという軍だけで見るならフロンタル派か。それがなかったらエターナルと一緒に脱出もできなかっただろうしな」

 

「ザフトで内部分裂が起きているだって?」

 

その言葉にムウが反応した。

 

「ああ。パトリック・ザラがトップとして立つまではザフトの総指揮はフロンタルがやっていた。だが、アラスカを侵攻する少し前にフル・フロンタルは総司令官の座をパトリック・ザラに引きずり降ろされてからの大敗北を二回もしたもんだからザフト内で打倒ザラ派ができちまった訳よ」

 

ソレを聞いたムウは呆れ半分とフロンタルに対して畏怖を込めながら言った。

 

「おいおい・・・赤い彗星ってのはそんな事までやってんのかよ」

 

「他にもあの人はモビルスーツの開発や医療発展、外交もおこなっておりました。たった五年でプラントの生活もかなり良くなりました。全てあの人がいたからだと民衆からの人気も高いお人でしたから・・・」

 

「冗談だろ?それが本当なら化物だぞ・・・」

 

「ソレが出来ちまったのさ。フル・フロンタルは」

 

バルトフェルドがそう言った瞬間だった。

 

「艦長!!敵影を確認しました!」

 

「「「「!!」」」」

 

クルーのその叫びと共に皆の空気がピリピリとした雰囲気になる。

 

「数は!」

 

「数は四!うちの一機は高速機の模様!」

 

「映像は出せるか!」

 

「出せます!」

 

バルトフェルドの指示にミリアリアはすぐに映像を映し出した。

先頭の一機。

それは“赤い機体“だった。

後続機はかなり後ろだが、そのモビルスーツの袖には装飾が描かれている。

そして先頭の赤い機体の胸元に描かれた紋章。それにキラ達は見覚えがあった。

 

「あの機体は!」

 

「待ち伏せしていたな!フロンタルめ!」

 

「各員!戦闘準備!急いで!」

 

アークエンジェル内でキラ達が戦闘準備をする中、フロンタルはシナンジュのコクピットの中で艦にいるであろうラクスに問いを投げた。

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

「あの時の答えを聞かせてもらおうか。ラクス・クライン」





フロンタルさん プロフィール

トリトマちゃんの事はどう思っているの?

部下。もしくは少し大きな娘程度にしか思っていない。現時点で

因みにフロンタルさんの事、オリ主は中身がヘタレ過ぎるので自分から絶対に告白しない。


だからコイツは襲われる側

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