フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED 作:鉄血
「先頭のモビルスーツとの距離八千メートル!後続機との距離は約三百メートルほど!戦闘予想時刻は五分です!」
「総員、第一戦闘配備!急いで!」
キラ達はフロンタルを迎撃すべくカタパルトデッキへと急ぐ。
そして向かってくる赤い機体にマリューは臆せずに叫ぶ。
「時間は私達が稼ぎます!皆さんは早くエターナルへ!」
『ラミアス艦長!』
手元のモニターにキサカの顔が映る。
「クサナギの状況は!?」
『出られる!大丈夫だ!』
「バルトフェルド艦長!エターナルは動かせますか!」
「悪いが最終調整をしていない段階で出てきたもんだから出撃は出来ないと思ってくれ」
「分かりました。ではエターナルはそのまま待機を」
「すまん!」
フル・フロンタル。その戦いぶりをマリューは二度見てきた。最初は敵とした時は手も足も出ず、ただ一方的にやられていた。
そして二度目は砂漠でストライクに乗った彼に助けられている。
「正直勝てるとは思えないけれど!」
と、次の瞬間───
「後方、接近する大型の熱量を感知!」
「えっ!?」
「なに!?」
マリューとバルトフェルドはセンサーを見ていたサイを見る。
サイは顔を強張らせながらも、二人の艦長に言った。
「───戦艦クラスのものと思われます・・・!」
◇◇◇◇
ドミニオン 艦橋にて───
「コロニーメンデル、港内に戦艦の艦影、三隻です!うち一隻をアークエンジェルと確認!」
口元を引き締めたナタルと対照的に、アズラエルが浮き浮きと声を弾ませる。
「これはラッキー。どうやら我々の方が速かったようですネ」
そしてナタルを見やり、なんでもないことのように言う。
「サ、じゃ、始めてください。艦は沈めちゃってかまいません。ボクが欲しいのは、例のモビルスーツなんで」
そんなあからさまに過ぎる言葉を聞き、ナタルの眉間に皺が寄る。
だが、アズラエルはそんな彼女の表情になど目もやらず、勝手にパイロット控え室に指示を出す。
「こっちも発進準備だ。今日こそちゃんと仕事をしてもらわないと」
そんなアズラエルに対し、オペレーターは更に状況の報告を入れていく。
「・・・!アークエンジェルを含めた戦艦の更に先、熱源反応が五つ接近中!」
「なに?」
ナタルは眉をひそめながら、オペレーターに言った。
「映像を出せるか?ザフトかもしれない」
「出せます!」
そう言ってモニターにその機体が映し出された。
「なっ!?」
見たことのない赤い機体。だが、モビルスーツの顔ともいえる頭部は一つ目であり、ザフトの機体というのは間違いない。
だが、それよりもそのモビルスーツの胸部に描かれたエンブレムにナタルは見覚えがあった。
「赤い彗星だと!?」
その言葉に艦橋にいたクルー全員に緊張が走った。
そして赤い彗星と知ったアズラエルは笑う。
「へえ?アレが噂の。話が通用するコーディネーターらしいので無力化して捕縛しちゃってください。上手くいけば良い駒になってくれるでしょうし」
そんな無理難題を!
ナタルはアズラエルにそう言いたかったが、赤い彗星を相手に気を抜くわけにはいかない。
「総員、戦闘配備!イーゲルシュテルン、バリアント起動!ミサイル発射管、全門スレッジハマー装填!目標───”アークエンジェル及び、敵モビルスーツ部隊”!」
◇◇◇◇◇
「ん?この感覚・・・・別の物が混じっているな」
次の瞬間、ゲイツに搭乗しているトリトマから通信が入った。
『隊長!奥に別の部隊がいます!』
はっや!え?まだゲイツやギラ・ズールのセンサー範囲に入って無いよね?
「数はわかるか?」
『数は一ですが、多分これは戦艦か何かです!』
ウッソだろ。なんかいるなーって思ってたけど戦艦が一?もしかして盟主王と常夏三馬鹿がいんの?つか、まだギラ・ズールやシナンジュのセンサー範囲に三隻以外機影映ってねえんだけど?
ヤバい・・・トリトマもうそこまでいってんの?怖ぁ・・・
フロンタルは索敵範囲外にいるドミニオンを感知したトリトマに若干内心で恐怖しながらも、部隊全員に指示を出した。
「皆はトリトマの指示に従って足付きの相手をしろ。なるべく撃墜はするな。彼等にはパトリックを追い詰める為の餌になって貰わねばならん。私は奥にいる戦艦の足止めをする」
『あの隊長、もしかしてフリーダムとジャスティスの相手って・・・』
「お前にしか出来ん。最悪、一機は私の方に送れ。”たかが新型のモビルスーツ四、五機”程度なら私一人でも捌ける」
『む・・・それくらい私だって出来ますよ!』
そう言い返す彼女にエムは言う。
『疑念。トリトマはシミュレーションでいつもサザビーに負けていますが』
『それは関係ねーですよね!?』
そんなやりとりをする二人と残り二人にフロンタルは言う。
「遠慮はするな。墜とす気でかからないとガンダムには勝てんぞ」
「「「了解!」」」
「了承」