フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第八十八話

フロンタルが戦闘を開始する数分前────

 

『えーっと・・・アークエンジェルとエターナル?あとどこの船か分からねーですけど皆さん、聞こえます?』

 

アークエンジェルとエターナル、そしてクサナギにレーザー通信が入る。アークエンジェルに乗っていたバルトフェルド、そしてマリューを含めたアークエンジェルのクルー、そしてキラ、アスラン、カガリ、ラクスは多少面識のある彼女に唇を引き結んだ。

 

「ええ・・・聞こえていますわ。トリトマさん」

 

その返事をいち早く返したのはラクスだった。

そんなラクスの声を聞いてトリトマは言う。

 

『聞こえてやがりましたか。なら単刀直入で言います。早速ですけれどこのまま降伏してくれねーですか?隊長や私も無駄な戦いはしたくねーですので』

 

そう言う彼女にラクスは首を横に振る。

 

「すみません、トリトマさん。私達はこの無益な争いを止める為にこの場にいます。ここで引くわけにはいきません」

 

そう返すラクスにトリトマは若干苛ついた声で言った。

 

『・・・・どの口が』

 

「えっ?」

 

「なに?」

 

キラとアスランはイラつきを隠さないトリトマの反応に困惑した声を上げるが、その次の言葉を言う前にトリトマは言った。

 

『了解しました。なら貴方方を無力化させます』

 

そう言って通信を切ったトリトマにマリューはカタパルトデッキにいる二人にとっさに声を上げた。

 

「キラくん────ムウ!」

 

『了解!キラ・ヤマト出撃します!』

 

発進するフリーダムに続いて更にアナウンスがデッキに響き渡る。

 

『ストライク発進、どうぞ!』

 

継続してミリアリアが声をかけると、ムウが威勢よく『行くぜ!』と飛び立った。

アークエンジェルから四機のモビルスーツが発進し、トリトマは目を細めた。艦のそばにとどまった一機はランチャーを装備したストライク、そしてもう一機は鹵獲されたと報告があったバスターだった。

 

(そう言えば・・・バスターのパイロットだったグレイトさんはどうなったんでしょうかね)

 

まあどうでも良いかとさっさと割り切り、トリトマは残りの二機を見る。

フリーダムとジャスティス。

フリーダムはともかく、ジャスティスを見たのはテストパイロットとして乗った時以来だ。

 

「フリーダムとジャスティスは私が引き付けます。皆さんはその間に艦の制圧を」

 

『了解』

 

そう言ってギラ・ズール二機はトリトマから離れて三隻の艦へと向かっていく。

 

「・・・・エムさん?」

 

自分に追従するギラ・ズールにトリトマはパイロットであるエムに声を投げる。

 

『提案。貴女だけではフリーダムとジャスティスの二機を抑えるのは厳しいかと。私も引きつけに参加します』

 

「・・・死にますよ」

 

トリトマの駆るゲイツに追従するエムにそう言うが、エムの返答は簡素なものだった。

 

『返答。もとより隊長に拾われていなかったら一兵士として既に死んでいた身です。トリトマさんが気にする必要はありません』

 

そんな返事を返すエムにトリトマは小さく溜息をついてからエムに言う。

 

「なら、私の援護をお願いしても?一対一をしてもあの二機相手じゃエムさんには勝ち目ねーですし」

 

『了承。それで構いません』

 

あっさりと自分の提案を飲むエムにトリトマは軽く指示を出す。

 

「私が撹乱してジャスティスとフリーダムを近づかせないようにします。その隙に援護を」

 

『了承』

 

そう言って離れるギラ・ズールにトリトマはこちらへと向かってくるフリーダムとジャスティスにビームライフルを向けてその引き金を引いた。

放たれる熱線をフリーダムとジャスティスを軽く回避し、反撃とばかりに撃ち返してくる。

 

「その程度で!」

 

反撃で返されるビームを回避し、その横からカーブを描くように山吹色の熱線がフリーダムを襲った。

 

「ビームが曲がった!?」

 

遠方に見える二枚の盾を持った機体がシナンジュのビームを曲げたのを見てトリトマは驚いた声を上げる。

 

『ッ!!』

 

『キラ!』

 

咄嗟の攻撃に回避したフリーダムにジャスティスが駆け寄るが、すぐに我に返った彼女はその隙を逃す理由もなく、ジャスティスに目掛けてビーム・クローを振り下ろした。

 

『クッ!!』

 

振り下ろされたクローをアスランは左手に装備された盾で受け止める。

 

『アスランッ!』

 

ビームサーベルを手にフリーダムが強襲してくるが、フリーダムとゲイツの間に一筋のビームが線を引くように通り過ぎていく。

 

『警告。これ以上の戦闘行為は無意味です。それでもまだ戦いますか』

 

ランゲ・ブルーノ砲改の砲身をフリーダムへと向けたままエムは淡々と言葉を並べていく。

その言葉にキラは言った。

 

『君達もどうして戦うんだ!』

 

その言葉にエムは首を傾げながら問う。

 

『疑問。どうして、とは?』

 

『俺達はこの争いを止める為に戦っているんだ!どうして同じ目的を持つお前達と戦わなければならない!』

 

アスランのその言葉にトリトマは言う。

 

「その原因を作ったのは貴方達でしょう!今更しらばっくれても私は騙されねーですよ!」

 

『なに!?』

 

ジャスティスの盾を蹴り飛ばし、トリトマは距離を取る。

そしてトリトマはフリーダムとジャスティスを睨みつけたまま、感情を剥き出しにしながら叫んだ。

 

「貴方やラクスさんがフリーダムを持ち出さなかったらこうはならなかったんですよ!そのせいで隊長はフリーダム強奪の責任を問われて軟禁状態にされて!隊長がどれだけ割り食っているか知ってやがるんですか!!」

 

その言葉にキラは動きを止め、トリトマに言葉を返す。

 

『それは・・・本当、なのか?』

 

『返答。でなければ隊長は議員による発言権を奪われる事はありません。その結果、全て隊長の見知らぬ所で勝手に動いた味方の行動の責任を全て隊長が取る羽目になりました』

 

そう言ってエムは一度唇を閉じる。

そしてアークエンジェルとエターナルに視線を向けてから口を開いた。

 

『結論。私達からして見れば貴方方が行っている事は平和と言う言葉を名目にして動くただのテロリストです』

 

『そんな・・・』

 

エムのその言葉にキラは呆然とした様子だった。だが、アスランは何か思う事があるのだろう。ただ何も言い返せずにいる。

そんな中、機体のセンサーに反応があった。

 

『増援!!』

 

黒いアークエンジェルから何機かのモビルスーツが出てくるのが見えた。恐らく連合の新型だろう。

そして数機出たそのモビルスーツの最後尾が明後日の方向から飛んできた山吹色のビームに貫かれて爆散した。

 

『『『『!!?』』』』

 

その宙域の近くにいた彼等はビームが飛んできた方向へと目を向ける。

そしてそこにはキラ達が散々苦戦したフォビドゥンを一瞬で無力化したシナンジュの姿があった。

カラミティとレイダーはシナンジュ目掛けてビームと鉄球を飛ばすが、それを難なくいなし、レイダーの頭部を撃ち抜く。

そして黒いアークエンジェルの方へと加速したかと思うと、それきりカラミティは射線上にある母艦ごと撃つことが出来ず無力化された。

あっという間に三機を無力化したフロンタルの実力を目にして動けなかったキラ達は次の通信に皆が我に返る。

 

『始めましてというべきかな。ムルタ・アズラエル。私はプラントのザフト軍所属のフル・フロンタルだ。アークエンジェル及び、エターナルも戦闘行為を今すぐやめて我々の話を聞いてほしい』




フロンタルさんから見て隠者はどう思う?

良い意味で雑。
コンセプトが成熟していて近接機体としては傑作機。

やってる事は宇宙世紀後半に出てきたゴトラタンやカバカーリ、ダハックのように強襲機としては理想系


海原のトリトマちゃん


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