フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第九十話

『私は・・・それでも争いを容認し、仮初の平和を手に入れる貴方の提案を認めません』

 

『・・・ラクス?』

 

「・・・・ほう」

 

細々と彼女の口から出たその返答にフロンタルは最初の会合と同じように仮面の下で目を細める。

 

「理由は?」

 

大方予想はついているが、自身の考えを否定する彼女の意見も最後まで聞いておくのも聞き手として大事な事だ。

そう言うフロンタルにラクスは言った。

 

『貴方の提案は確かに最善なのかもしれません。ですが、貴方が提示したその未来でガス抜きとして戦いに巻き込まれた人々の犠牲を仕方がなかったと容認してしまえば、それが何度も繰り返す事に躊躇いを持たなくなってしまいます。その中で家族や故郷を失い、苦しむ人々を貴方は見て見ぬ振りをしろとおっしゃるのですか?』

 

「だからと言って今もなお続くこの恨みの連鎖を食い止める事は不可能だ。誰しもが君達のように聞き分けが良い訳ではない。君達も知らず知らず心の奥底では恨みを抱いているのではないかね?お父上を亡くした君達なら」

 

『『ッ!?』』

 

反逆者のレッテルを貼られ、国に殺されたシーゲルと地球連合からオーブを守るため自害する道を選んだウズミ。

細かな内容は違えど、どちらとも復讐する相手はいる。

もし、復讐出来ると問われたらその手を取ってしまうかもしれないと思うくらいには彼女達の中にもあった。

そしてそれはキラ達も同様だった。

自分達も大切な友を殺されて互いに殺し合ったのだから。

 

「今の我々に必要なのは時間だ。そしていずれは連合、プラント、そしてオーブや赤道連合と協力し、人類の宿願でもある統一政権を実現したいと私は考えている」

 

土台がしっかりとしていなければその上に物を建ててもすぐに崩れ落ちる。ならどうするか。

その言葉をフロンタルは知っている。

例え夢物語でも実現しようと努力してきた人々があの世界にはいたのだから。

 

「それはコーディネーターだけで実現出来るものではない。だからと言ってナチュラルだけ出来るものでもない。一国家、一民族に帰属する我ではなく、人類という種に帰属する我。国家、民族、宗教。これらの壁を取り払い、我々人類が本当に平和を望むのならそこまでしなければスタート地点に立つことは出来ない。もし、君が全ての人間の代弁者となるのならば己さえ捨て去って"私と同じ土俵に"立たなければならない。君にはソレが出来るのかね?」

 

『それは・・・・』

 

ラクスはフロンタルのその言葉に何も言い返す事が出来なかった。

それほどまでにフロンタルの言葉には重みがあった。

そしてその凄まじい狂気の鱗片も共に。

それはカガリも同様だ。真の平和というものはどれほど手に入れるのが難しいのかを真正面から考えさせられる事になったのだから。

だからこそ、今まで父がオーブという一国家の平和を今まで維持出来ていたのが凄かったのかを自覚する。

バルトフェルドもマリューもムウもそして長い付き合いになるキャプテンやそのクルー達、それどころかあのアズラエルですらフロンタルの会話を聞きに入っていた。

 

「今の私は自らを器と規定している。この世界で生きる人々の想いや宿願を背負い、人類を生かし、人々がそれを望むのなら私は願望機にでもなってみせよう。この仮面はその為のものだ」

 

そう言い切ってフロンタルは口を閉じる。

そして一息ついた後、ラクス達に何時もの口調で言った。

 

「時間はないが、一時間待とう。その間に私達と同盟を組むかどうかよく考えてくれたまえ。アズラエル理事殿も戯言につき合わせて申し訳ない」

 

『いえいえ。面白いモノを見せてもらいましたヨ。僕も現実を見ていない彼女達にはうんざりしてましたしネ』

 

「お気に召したのなら光栄と言っておきましょう。では、また一時間後に」

 

『ええ』

 

そう言って通信を切る。

 

「・・・・ふぅ」

 

緊張の糸が途切れたフロンタルは小さく溜息をつき、肩の力を抜いたその時だった。

 

ゴシャッ!!っと、フロンタルに拳が突き刺さる。

 

な、なんだぁ!?

 

突然の事にフロンタルは内心で焦りながら顔を上げると、自分がいた場所には拳を振り抜いたであろうトリトマが立っていた。

だが、少し様子が可笑しい。

何故なら彼女の目元に大粒の涙が浮かび上がっていたから。

 

え!?俺なんかした!?なんか泣かすような事した!?

 

「トリトマ、どうした?なぜ泣いて────」

 

いると言う前に更に拳が飛んでくる。

 

「待て!トリトマ!」

 

何故殴ってくるのか、そして何故泣いているのか分からないフロンタルは彼女の手を掴みながら制止を促す。

 

「どうした?何があった?何故、私に拳を振り下ろそうとする?」

 

そう言って彼女を宥めようとしたら頭突きが飛んできた。

 

「ゴッフ!?」

 

肺の空気が抜けると共にその衝撃でフロンタルとトリトマは床に倒れ伏した。

そして胸の中でトリトマは何時もの元気な声ではなく、か細い声で言った。

 

「もう、二度とあんな事を言わねーでください・・・」

 

その声は震えており、何時もの彼女らしくない。

そんなトリトマにフロンタルは問う。

 

「・・・・何を、だね?」

 

「隊長は、隊長のままで良いんです。器だとか自分をモノのように扱うような事は言わねーでください」

 

「・・・・・」

 

胸の中で子供のようにポスポスと痛くない拳で叩いてくるトリトマにフロンタルはただ────

 

「すまない。もう言わないと約束しよう」

 

「・・・・ぜってーですよ・・・?」

 

「ああ」

 

そんなやり取りをする二人にキャプテンとエム以外の場にいたクルー達は────

 

 

総員心の中のツッコミ

 

なんかシリアスな雰囲気が一気にラブコメになったんですけど?




サウナの温度1d100℃

フロンタル「これクリッたら逆に駄目なやつじゃん」

デュランダル「そう簡単には出ないだろう」

クルーゼ「というかなんだね?この企画は?」

いいから振れ

ダイスロール

フロンタル 42

デュランダル 75

クルーゼ11

フロンタル「まあ、普通だ。クルーゼよりは」

デュランダル「サウナとしては丁度いい」

クルーゼ「は、ははははは!見える!最期の扉が!最期の扉が見える!」


セーター服のエムちゃん


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