フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

97 / 190
仕事が忙しすぎて中々投稿が出来ませんでした・・・

忙しくなるのはもう少し先の筈でしょ・・・


第九十二話

「さて、前置きが長くなってしまった。これから本題に入ろう」

 

ラクスとアズラエルとの同盟が確立となった現状を喜ばしく思いつつも、フロンタルは次の段階に向けて話を促した。

 

「まず、この戦争を終わらせる為にはまず私がプラントへと戻り、連合との休戦協定を結ばねばならないということだ。それは二人も存じていることでしょう。が、その際にこれだけは確実に阻止しなければならない事が二つある」

 

『阻止しなければならないこと、だと?』

 

「ええ」

 

アズラエルの直ぐ側にある艦長席に座るナタルが言うと、フロンタルは答えた。

 

「まず一つ目はジャスティスのパイロットであるアスラン君のお父上・・・パトリック・ザラをプラントの議長の座から引きずり降ろさなければならない。あの男が議長の座にいる限り、戦争が終わることはない」

 

その言葉にラクス達は沈黙する。

それについては彼等も良く分かっていた。

彼の息子であるアスランも父には自分の言葉はもう届くことはないだろうとこの身をもって実感している。

 

「だが、それについてはある程度の保険はかけてある。こうなる事も予想してな」

 

『暗殺するつもりなんでしょう?ソレが一番手っ取り早いやり方ですから』

 

「ええ」

 

アズラエルの言葉にフロンタルは短く返答する。

 

「だが、あの男にスパイを送り込むには随分と苦労はした。あの男はああ見えて自分のことに関しては誰よりも臆病だ。周りには必ずあの男に対する忠誠心が高い人物を置いている。お陰で余計な事が起こらないか心配だったがね」

 

そんなやり取りをする二人の会話に一人、割り込む者がいた。

 

『暗殺だって・・・!そんなのまだ分からないじゃないか!まだこれからちゃんと話が出来るかもしれないだろ!今、その話し合いが出来ないからって勝手に決めつけて何もかも分かった気になるなよ!』

 

カガリだった。

どうやら彼女はパトリック暗殺には反対らしい。

 

「では、君はどうするつもりなのかな?ユニウスセブンで妻が死に、アスラン君にも自身の行いが間違っていると裏切られ、もはや死なば諸共というヤケを起こしているあの男に君はどうするつもりなのかね?」

 

『それは・・・・』

 

フロンタルの言葉に彼女は言い淀む。

そして返事を返すことが出来ないカガリにフロンタルは言った。

 

「言葉は言葉でしかない。相手に受け止められる意思がなければそれはただの音の連なりでしかない。たとえ君が今、あの男と対面したとしても煩わしいとしか思わないだろう」

 

『そんなの・・・ッ!』

 

分からないじゃないか────そう言おうとした時。

 

『・・・もう良いんだ。カガリ』

 

『・・・アスラン?』

 

その言葉を止めたのはアスランだった。

 

『フロンタルの言う通りだ。俺は・・・父を、止めることも出来なかった』

 

彼は苦く呟く。

 

『今さらながらに思い知った・・・。俺は何も出来なかった。────何も分かってなかったと・・・』

 

話し合えば、理解してもらえると思ってプラントに戻った。親子なのだから間違った道を歩む父を、止めるのが自分の義務だと思い───

 

だが、結局何も分かっていなかった。父にとって間違っているのは自分の方なのだから。

肉親としての愛情に当て込んでちゃんと話せば分かり合えるなどと、甘い期待を持っていただけで───

 

『フル・フロンタル。一つ頼みたい事がある』

 

「なにかな?」

 

その言葉にアスランは一息ついた後、その口を開いた。

 

『俺が父を止めます。たとえ・・・この手で殺す事になったとしても』

 

『アスランッ!』

 

ガガリはアスランを止めようと叫ぶが、アスランは言う。

 

『俺も・・・決めたよ。自分が今、しなければならない事を』

 

アスランのその覚悟にガガリは止めることが出来なかった。

ここで否定する事は簡単だ。

だが、それはアスランが決めた覚悟を無駄にしろと言っているようなものである。

 

『・・・バカ野郎ッ』

 

今にも泣きそうな声でカガリはそう言う。

だが、それでも彼の意思が変わる事はもう、ない。

そしてアスランはモニターに映るフロンタルを見て言った。

 

『それで・・・構わないか?』

 

「ああ。構わないとも。だが、それで君は良いのかね?親殺しの道は君が思うほど楽ではないぞ」

 

『ああ。覚悟はもうできている』

 

「なら、私からはもう何も言わんよ」

 

彼の覚悟に余計な些事は不要。

もとよりパトリックはアスランが手にかけなくても殺さなければならなかったのだ。

それをアスランがやると言うのなら是非も無い。

 

『それで?もう一つはなんです?その様子だとそれが本命だと思うですけれどネ?』

 

アズラエルのその言葉にフロンタルは「ええ」と短く答えて本題を告げる。

 

「もう一つは確実に防がねばならない事だ。パトリックが隠している大量殺戮兵器───ガンマ線レーザー砲。ジェネシスを地球に向けて放たれるのはなんとしても避けなければならない」

 

それはフル・フロンタルが恐れる全生命の全滅という最悪のシナリオだった。




プロフィール

資料02 キャプテン

キャプテンの正式な名前はサルビア・エルネスタ

43歳

彼の今の名前は彼が結婚する前の名前。
6年前、とある事件で離婚するまでは別の名前だった。

トリトマの事については娘のように思っているらしく、フロンタルと同じく甘やかしている。
彼には娘が二人いたらしく、もう何年もあっていないが一番上の子はトリトマと同い年になるらしい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。