フロンタルに憑依した苦労人転生者のガンダムSEED   作:鉄血

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第九十三話

『・・・ガンマ線レーザー砲、ジェネシス?』

 

フロンタルの口から出たその言葉にその場いる全員が訝しげな表情のままフロンタルに視線を寄越している。

そんな状況にフロンタルは淡々と答える。

 

「元々は外宇宙に出る宇宙船の為に作られた加速装置だったものを兵器として軍事転用されたものだ。仕組みとしてはジェネシス本体内部で凄まじいエネルギーを爆発させてその発生したガンマ線を円錐状のミラーブロックで照射するというものだ。天文学におけるガンマ線バーストを人工的に発生させレーザーとして発射すると言えば分かりやすいか」

 

あまりにも規格外過ぎる話に皆が話についていけていない。

 

『つまり・・・使われたらどうなる?』

 

「地球に向けて発射され直撃した場合、地球の大気のオゾン層は壊滅し、大気の組成も大きく変化、地球の空は光化学スモッグに覆われ、地表には大量の紫外線と酸性雨が降り注ぎ続け、地球上の生物も莫大な熱量で焼き尽くされるか遺伝子異常で正常に子孫が作れなくなる。生き残れればの話だが」

 

その説明にバルトフェルドは苦虫を噛み潰したような顔で納得したように声を漏らした。

 

『成る程な。長い目線で見たら生き残る確率どうこうじゃないってことか。文字通り死の星になるってか?冗談じゃないぞ』

 

その言葉に反応を示したのはアズラエルだ。

 

『ああそう!そうだよ!ったく、冗談じゃないッ!』

 

癇癪を起こした子供のような仕草でアズラエルは言葉を紡ぐ。

 

『ナニが『ナチュラルどもの野蛮な核』だ!そのジェネシスとかいう兵器の方が遥かに野蛮じゃないか!』

 

地球に依存する彼等にとってそれは深刻どころではない脅威になる。

 

『そんな物があると知っていてどうしてアンタは止められなかったんだ!仮にもアンタは議員の席に座っていたんだろ!』

 

おっと?こっちに飛び火が飛んできたぞ?まあ、ごもっともなんだけれども。

 

そんなアズラエルにフロンタルは言った。

 

「ジェネシスの製作自体については私も止めようがなかった。私が議会に入る前の事だったのでな。だからこそ私が議員になった後は撃たせないように睨んではいたのだが、フリーダムが強奪された時、私もフリーダム強奪に関与していると疑われて議員の座を剥奪されてしまった。それからはパトリックのやりたい放題になっている訳だが」

 

『そんな・・・僕のせいで・・・?』

 

フロンタルの言葉にキラが膝から崩れ落ちるように座り込む。

そしてそんな事実の片棒を担いでいたラクスもまた口元を抑え、しゃがみ込んだ。

 

『キラ!』

 

『ラクス!』

 

カガリとアスランは二人を心配するように駆け寄るが、フロンタルは何も気にする事はなく、話を続ける。

 

「最初はジェネシスを破壊しようかと考えたが、流石にガンマ線バーストを発生させるエネルギーを内部で閉じ込めなければならない代物を破壊しようとなると、核を何百発と撃ち込まなくてはならない。だが、ソレを実行してしまうとパトリックは確実にジェネシスを撃ち込むだろう」

 

しかも六回も撃つこと出来るんだぜ?アホじゃねえの?

 

『そうさせない為の暗殺って訳か』

 

「ええ。そして私が停戦を彼等に促し、連合と関係を結んでいく。もちろんジェネシスの解体は行っていくつもりだとも。君達がプラントに核を撃ち込もうとするなら話は変わってくるが」

 

お前等が殺る気ならこっちもそれ相応に考えるぞオラと警告も与えていきながらフロンタルはアズラエルに言う。

 

「それで?私に全面的に協力してくれるかな?」

 

その言葉にアズラエルは即答だった。

 

『当たり前じゃないか!そんな物を残して置くわけにはいかないだろ!』

 

「君達はどうする?ラクス嬢にアスハ君?」

 

『オーブを滅ぼさせるわけにはいかない。私も協力する』

 

『私も・・・知らなかったとはいえ自身の責任は果たします』

 

「よろしい。なら────む?」

 

そう言いかけた所でフロンタルはトリトマが急に顔を上げたのが視界に入った。

 

「どうした、トリトマ?」

 

フロンタルのその問いにトリトマは小さく呟いた。

 

「・・・何かが、きます」

 

その言葉と同時────

 

「隊長、コロニー内で熱源反応がありました!数は二!この反応は・・・〈デュエル〉?」

 

「なに?」

 

その言葉にフロンタルは思わずそう呟いてしまった。

 

デュエルだぁ?クルーゼのヤツ、俺が此処にいるのを分かっていて何を企んでいる?

 

それと同時に艦橋が大きく揺れた。

 

「今度はどうした?」

 

エルに聞いて見るとすぐに返事が返ってくる。

 

「攻撃です!この識別コードは友軍です!」

 

クルーゼめ。誘ってやがるな?

どうやら俺の友人は遊びたいらしい。俺ではなく、キラ君達と。

そんな状態の中、フロンタルはアズラエル達に言う。

 

「どうやら余計な横やりが入ったようだ。話の続きは彼等を追い払ってからにしよう。キラ君にディアッカ君。君達も一緒に来たまえ。どうやら私の友と君の友人がお呼びのようだ」

 

その言葉にキラは酷い顔のまま、顔を上げ、ディアッカはまさかといった表情でいた。

そしてそんな二人ともう一人。

 

『悪いが俺も行って構わないか?』

 

そう。もう一人とはムウだった。

どうやら彼もまた、クルーゼが自分を呼んでいると分かったらしい。

 

「いいだろう。トリトマ、エム。船の警護は任せる。キャプテン、心配はないだろうが戦闘準備を」

 

「了解しました」

 

「了解です!」

 

「了承」

 

そしてフロンタルは身を翻し、格納庫へと向かう。

 

「一度、向き合わなければならんか」

 

どうやらクルーゼとは一度殴り合わなければならないらしい。




資料1

ニュータイプについてのフロンタルの考察

これは私の予想でしかない。ニュータイプは私達に感知出来ない微粒子の動きを感知、または無意識に扱う事が出来るのではないかと私は予想している。

宇宙世紀ではミノフスキー粒子の流れや動きを感知することで未来予知じみた予測が出来るのではないのかと考えている。
ビーム兵器を扱う時も、モビルスーツを動かす時も必ず粒子は圧縮、または宙を流れるように動いていく。
私達には感じる事が出来ないその粒子の動きをニュータイプはそれを殺気として感じ取れるのかもしれない。

サイコミュやサイコフレームそのものがニュータイプのミノフスキー粒子や微粒子の扱う感覚を極限まで高め、それらを脳波コントロールして操るのがファンネルなのではと予想している。

サイコフレームの発光現象もサイコフレームそのものが発光しているのではなく、ニュータイプの粒子を干渉する出力が関係しているのでは?とも考えられる。

その出力が大きければ大きいほど、サイコフレームが増幅器としてパイロットのニュータイプの能力を増幅させ、最終的にはサイコシャードのような現象を起こせるのではないのだろうか?

だがこの考察にも穴がある。
それは死者の声が聞こえるというもの。
ただ、生きている人同士なら彼等にも聞こえるように出力を上げ、ソナーやエコーロケーションのように粒子を震わせれば伝わるだろう。

だが、死者の声は?
死んだ人間は言葉を話す事はない。
山びこのように宙に響き渡っているのだろうか?それともまた別の仮説がなのだろうか?
だが、もし。もし、魂というものが本当にあるのだと仮定したら私やこの肉体に眠る亡霊のように宙にそれこそ、成仏することなく無数に漂っているのだとしたら───

いや、辞めて置こう。考えるだけでも恐ろしくなる。
まあそのあたりは私の仮説であって実際はそうでないだろう。


おやどうしたのかね?トリトマ。ケーキを買ってきたら一緒に食べようと呼んだ?ああ、なら一緒に食べよう。いい紅茶がある。それも一緒にな
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