彼女がその後どうなったのかとか決意とか書かなきゃよねぇ
てことで書き上げました
(タリス視線)
私はあの日、親友に腕を千切られた
ただ彼女と一緒に戦っただけで…あそこまで豹変するとは思わなかった
しかも豹変した途端に強くなっていた
それだけ彼女の怒りというものは大きかったのだろう
しかし…あの姿は今の今まで隠していた『本音』…とでもいうのだろうか
どのみち、私の知るちょっとぶっきらぼうで優しいキロンはもういない
今の彼女は本能が殺戮と破壊を求める暴君だ
腕を千切られて意識が朦朧としてる中で見た彼女の後ろ姿はまさしく最凶最悪と言っても過言じゃない
そんな後ろ姿を見ながら私は意識を手放した
「…こ…ここは…?」
目が覚めるとそこは知らない天上…いや、知っている天上だった
そう…ここは円卓の医務室だ
「目…覚めたんですね。大丈夫ですかタリスさん?」
「ひ…ヒラミー…か?」
私の側にいたのは円卓の元気印にして可愛い妹的な存在のベディヴィア卿ヒラミー・レイディオだった
…しかしなぜ彼女が?
というかどうして円卓の医務室に私はいる?
「おじーちゃんからタリスさんが戻ってこないと連絡があったから私とクレイさんで探しに行ったの」
「…そうか…キミとクレイモアさんが…」
「辺り一面酷かったよ…孤児院の子供達はみんな殺されてたし、犯人と思われる集団も顔面ズタズタにされて…なによりタリスさんは左腕が無くなってたんだよ…」
「…」
「私たちが見つけなかったらタリスさん…間違いなく死んでたわ。応急処置をした後私がここまで運んだの。それとクレイさんが現場を調べてるけど、未だに何もわかってないわ」
「…」
「ねぇタリスさん…あの日…一体何があったの?…なんで…左腕が無いの…?」
「…それは…」
ヒラミーに色々聞かれて私はあの時起こった悲劇を語るかどうか悩んだ
円卓の騎士といえどヒラミーはまだ若い
若いが故にあの酷い出来事を聞かせるのは酷だろうと思う
「…今は無理に話さなくていいけどさ…おじーちゃんには話してね。あの人が私たちのリーダーなんだからね」
「…ああ…すまない…」
「私はおじーちゃんに目を覚ました報告しに行くわ。みんな心配してたし、きっと顔を出しに来るよ。それじゃあまたね」
それだけ言ってヒラミーは部屋を出て行った
目をつぶってあの日の出来事をゆっくり思い出す
「ああ…ああ…ああああ…!!!」
程なくして私は大量の涙をこぼしたのは言うまでもない
あの日、大好きな孤児院に帰ったたった1日で大切な宝、自分の左腕、そして大事な親友を失ったのだ
ショックがあまりにも大きすぎたのだ
しばらくして涙が止まったが、心に開いた穴は大きかった
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(ヒラミー視点)
部屋を出ておじーちゃんのところへ向かう途中、程なくしてタリスさんの泣き声が聞こえてきた
その声を察するに、とても辛く悲しい出来事があったのだろうと理解できた
「…タリスさん…よっぽど酷い出来事に遭ったのね…」
あまりの悲しさに思わず涙を流しそうになるが私はそれを我慢しておじーちゃんのところへ行く
「おじーちゃん、ヒラミーです」
「ベディヴィア卿か、入っていいぞ」
おじーちゃんの部屋に入るとクレイさんもいた
何か話してたのかな…
「相変わらずその呼び方は変わらんかヒラミー殿」
「おじーちゃんがいいよっていうからいいの」
「やれやれ…」
私たちのよくあるやりとりを見て、おじーちゃんことアーサー卿のオースティンさんは少し微笑んだように見えた
会話がひと段落すると、おじーちゃんにタリスさんのことを話す
「そうか…ならばあとで私も彼女に顔を出さねばな」
「そういやあの孤児院の調査はどうだったクレイさん?」
「ああ、我がここにいるのはその結果を報告するために来た。あとで貴殿にも伝えるつもりだったが丁度いい」
いつのまにか調査が終わっていたのでこの人の仕事の出来がよくわかってしまう
そんな思いはさておき、クレイさんは調査結果を報告した
その内容はとても残酷なものだった…
「…そ、そんなことが…」
あまりにも酷い出来事に私は吐き気を覚える
というかトラウマになるレベルだった
タリスさんの心が壊されるのも無理はない…そんな出来事だ…
「なるほど…いつもライオネル卿が話してた親友が彼女の腕を…」
「ええ。どうやらその者がタリス殿の腕だけでなくチンピラたちを絶命させたようです。己の拳のみで」
「ところで孤児院の子どもたちも彼女の親友が?」
「いえ、傷跡を見ましたが子どもたちは鋭利な刃物で斬られる、銃弾で撃たれるといったものばかり。おそらくはチンピラたちがやったのでしょう」
「…それって…」
「我の予想だがおそらく留守のタイミングでチンピラたちが孤児院を襲撃したが、帰ってきたタリス殿たちに歯が立たず倒され、その後にそいつが殴り殺したのでしょう。タリス殿はそれを止めようとして失敗して腕を千切られた…ざっとこんなところでしょうか」
クレイさんの仮説は最初から最後までとても残酷なものだった
惨殺された子どもたちもそうだけど、その後の悲劇も中々だった
「ところでライオネル卿の親友はどのような者かわかるかね?」
「タリス殿がたまに話すので名前は知っています。名前はキロン・ホワイトスノー。かつて殺し屋コンビとして裏社会で有名だったホワイトスノー夫妻の娘だそうです」
「…なるほど、孤児院を襲撃した者たちの目論見がみえたな」
「つまりその夫婦への恨み…そういうことでしょうか」
「おそらくな。そしてその矛先はあのキロンという娘にも向けられた…だろうな」
タリスさんの親友…キロンさん…
実は悲しい過去を秘めてたのかな…
「ところでランスロット卿、そのキロンの行方は?」
「いまだ行方はつかめてないです。しかし彼女が通った後はかなりひどい有様なようであることが確認されています。木々はへし折れ、動物たちはバラバラ死体、辺りは穴だらけ。どうも見境なく破壊行為をしているとのことです」
「ひええ…」
マジ…?
何もかも破壊し尽くすとか…どこかの伝説の超サイヤ人なのよ…
タリスさんすごい人と親友だったのね…
「ひとまず報告は以上です」
「ありがとう、ひとまず引き続き行方を追ってくれ。くれぐれも慎重にな」
「はっ」
「私はこれからライオネル卿の元へ向かおうと思う。すまんがベディヴィア卿もついてきてもらえるか?」
「わかりました」
「では参ろう。ランスロット卿も頼んだぞ」
「おまかせあれ我が王よ」
こうして私とおじーちゃんはタリスさんの元に向かって歩み始める
…その背後でクレイさんの目線がとても痛かったけどね…
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(タリス目線)
あれからどのくらい経ったのだろうか
私はいつの間にか泣き止んでいたようだ
そうなるまで泣いたのは初めてだ
そんなことを思いながら顔を上げると珍しいやつがこの部屋にいた
「ずいぶん泣いたようだなライオネルのねーちゃんよ?」
「シェイマス…なぜあなたがここに?」
意外なことにマーハウス卿のシェイマス・スティーブンがこの部屋にいたのだ
実は彼とは入隊時期が重なるいわば同期のような存在だが、あまり会話は交わしてない
というかなぜここに…?
「同期の心配ぐらいさせろよな。最高な仲間がボロボロと聞いて黙ってるわけがねぇだろ?」
「すまない…」
「わかったなら何よりだぜ、ハハハ!」
…こいつは本当に…
だがこの男の懐の深さは落ち着く
クレイモアさんが信頼するのも納得だ
…まぁマジにお気楽すぎるところが目立つけども
「さてと…そんな茶番はさておきだ。単刀直入に聞くがお前、その時何を思ったんだ?」
「!?」
「事の顛末はある程度ドリューから聞いている。お前がどんな目にあったのか、左腕を失ったのか、色々あったそうだが豹変した
急に真面目な顔つきになって何を聞くかと思ったら私があの時何を思っていたのかだって?
予想外の質問に私は驚いた
この流れだと私の身に起こったことを聞き求める…そう思ってたがこいつは違った
なんでそんなことを聞くのだろうか…
「なんでそんなこと聞くかってか。ただただ興味があるから…なんてそんなもんじゃねぇ。俺が聞きたいのは本心だ。お前の顔を見ると何か秘めているのは明白だ。別に話したくないなら話さなくてもいいが、お前が苦しいだけだ。だから聞かせろ、俺が全部聞いてやる」
「なぜそこまで…」
「最高の仲間だから…これ以上の理由はあるか?」
その言葉で私の涙は再び溢れ出した
だがそれでも私は私の本心を語り出す
「私はっ!あいつを…!助けられなかった!しんy、親友が苦しんd…苦しんでいるのに、止めれなかった!うう…。初めてあってからずっと…あいつを支えたかった!なのに、なのに!あいつの本心、に、気づけなかった!だから…だから!豹変したあの瞬間…私は、あいつの目を見て、やっと気づいた!うう…」
泣きながらも私は率直に抱いてたものを吐き出す
シェイマスは黙って聞いてくれた
だがやはり途中で喋るのがしんどくなってしまい、ひたすら泣いてしまった
5分してようやく落ち着くと、私は改めて語り始める
「ずっと私はあいつの本心を理解してたつもりだった。助けてあげれたと思っていたんだ。だけど、あの日起こった事件でそれが全て否定されてしまったんだ。豹変した瞬間、私は頭が真っ白になっていた。あいつが1人を殴り殺すまで現実逃避をしてしまったんだ。止めようとしたけど、本当の本心を曝け出したあいつは止まらなかった。何もかも届かなかったんだ」
「…そうか、理解していたと思ったらそれはただの思い込みだったんだな。その本心に気づけなかった自分が許せないし、そいつを止めれなかったことももっと許せないと」
「ああ、そんな私の弱さが腕とキロンを失う形になったんだ」
「しかしまぁ、そのキロンが本当の怒りをさらけ出したからって気づけなかった自分が情けないとか、どんだけお人好しなんだよ」
「お、お人好しとかそういうのはないだろう?親友として当然だろ!」
「まぁいいや…んでどうすんだ?このままじゃダメなんだろ?」
色々吐き出したらなんかスッキリしたな…
そしてどうするかって?
そんなのは決まっている
「愚問だなシェイマス、私はもう決意しているんだ」
「ほお…で、その決意は?」
「私はキロンを救う!あいつは本当は心優しいはずなんだ!確かに彼女の怒りはもっともだ。だが今のあいつは怒りに支配されている…だから私が救い出す!親友として!絶対に!!!!!」
私は決意をあらわにした
絶対にキロンを助ける
その石は何があっても変わらない
やがてそれを聞いたシェイマスは高笑いをした
「ハハハ!お前はやっぱ最高にお人好しだぜ!悪に堕ちたやつにそこまで気を使えるとかお人好しの域を超えてるなぁアッハハハハハ!!」
…めちゃくちゃ笑うな…
ちょっとイラっとしてきた()
「だがいい決意だぜ、俺はそういうのは好きだぜ。ていうか気に入ったよ」
「!」
「それでこそバンガーってもんだぜ!俺も協力するぜ!」
シェイマス…!
やはりこいつはいいやつだな
「てことでいいよなじっちゃん!」
「!?」
突如シェイマスがドア方向に声を向けるとそこにオースティン様とヒラミーが現れた
…ってオースティン様!?
ということは…
「全ては聞いたぞライオネル卿、素晴らしい決意だったな」
「私も全力でサポートするよ!」
全部聞かれてた…
全然気づけなかった…
というか…
「シェイマス…お前まさか…」
「おうよ、俺がわざとじっちゃんたちを部屋に入れず、俺が代わりに入って色々吐かせたんだよ。お前のことだ、じっちゃん相手でも本心を隠そうとするだろうしな。だから俺が一芝居買って出たんだぜ!ハハハ!」
「…」
「ま、これで楽になったろ。これを機にあんまり隠し事は抱えないようにな」
「…ああ」
本心をオースティン様たちに聞かれた私は多分顔を真っ赤にしていたと私は思う
けど心なしかどこかスッキリした感覚ではあった
その後改めてオースティン様に全てを話し、私はとある男から義手をつけてもらうことになる
義手をつけたらまた特訓だ
決意を固めた以上、もっと強くならないといけない
だから待っててくれキロン…
私はお前を見捨てたりはしない
強くなって絶対に助け出すから待っててくれよ、親友!
ちゃんと書けてるかな?
泣きながら喋らすのを文字に起こすと結構難しいのね
ひとまず本編と過去やら外伝やら交互に書いていこうかな
そう思う22歳の魚屋店員であります
それはそうと次は誰の過去を書こうかな?(まず本編だろ)
んじゃ最後に一言
ラーメンはやっぱり醤油だね!