ホリ語り   作:蒼覇初雁

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2025年最初の投稿です
今回の話題になるのは最初期からいるあの子だったりします

…といっても実はこれ私の作品である蒼龍本編で語るべき内容なのかもしれない()
まぁ違いはさほどないしいいかな…?

てことで早速


少女の物語 前編

森の近くの崖

そんな恐ろしい場所であの日、私は運命(好きな人)と出会った

突然の出会いで当時は何も抱いていなかったものの、交流を重ねるにつれて想いはますます膨れ上がる

側にいたい、一緒に過ごしたい、抱きしめたい

そんな思いが心の中で芽生えていった

 

ああ、これが恋というものなんだな

気づくのは遅れたけど、そう自覚するのには時間はかからない

 

だけど、そこまでたどり着くのは簡単ではなかった

その道中で失ったものは多いわけでもないけど、失ったものがあまりにも大きすぎたのだ

それはとても過酷な道のりだった

 

これはとある少女が運命と出会うまでの小さな物語

 

〜〜〜

 

私には年の離れた兄がいる

両親は私が小さい頃に病気で死んでしまったわ

だからずっと兄さんに育てられてきた

祖父母はいるけど、兄さんがあまり頼りたくなかったってことで2人で協力しながら暮らしていた

兄さんのおかげで小学校を卒業できたわ

 

…それなのに、別れは突然だった

小学校を卒業して数日後、いつもと変わらぬ朝を迎えた…そのはずだった

挨拶しながらリビングに入っても返事は聞こえない

まだ寝ているのかな?そう思いながら兄さんの部屋を覗く

しかし部屋に入ると兄の姿は見えずそれどころか家具だったりものだったりも全て綺麗さっぱり無くなっていたのだ

 

すぐに警察に連絡をして調べてもらったがなんの手がかりも見つからない

置き手紙も何も無い

兄さんは…行方不明になったのだ

 

ショックで私はどうすればいいのかわからなかった

まさかたった10年ちょっとで家族を失うなんて夢にも思わなかった

けど、兄と両親の失い方は違う

両親は病気で命を落としたけど、兄はまだ死んだという確証はない

つまりはまだ生きているであろうと私は思う

そんな小さな希望を胸に抱いて私は荷物をまとめ、兄さんを探すべく旅だった

生きているならもう一度会って色々聞き出したかった

 

だけど、手がかりは何もない

町の人々に聞くけど、目撃証言は何もない

SNSに捜査協力をお願いしてもなんの情報もない

完全に八方塞がりだ

 

そんな状況で探し続けて2週間が経過した

それでも何も手がかりは掴めない

それどころかお金も食料も何もかもが底をついてしまった

おまけに今私がいるのは森の中だ

誰にも会うことはないであろう場所に今いるのだ

理由は当然兄を探すため

だがこれでは人どころか動物にも会えない

ほどなくして私は体力が尽きて倒れてしまった

もう指すら動かせない

薄れゆく意識の中でもうすぐ両親の元に行くのだなと思った私は静かに目を閉じて意識を手放した

 

〜〜〜

 

どのくらい時間が経ったのだろうか

目を覚ますとそこはとても明るい場所だった

天国のように思ったが辺りを見回すと壁や扉、窓なんかがある

そして右腕を見てみれば点滴が繋がっていたのだ

その状況から察するに誰かに助けられたのだと理解した

となればここは病院であるともいえる

 

考えていると扉の取っ手がガチャリと音を立てながら動いた

その扉から出てきたのは紺色のスーツを身にまとったなかなか顔の整っている中年男性だ

 

「気がついたようだね」

 

「あ、貴方は…」

 

「私は虹咲ガンマ(にじさき がんま)だ。森で倒れていた君を保護した者だ」

 

「そ、想恋佐久(そうれん さく)です…」

 

ここで初めて自己紹介を交わす

ずっと気を失っていたから当然名前もいってないからね

ちょっと緊張しながら自己紹介を済ませるとガンマさんが口を開く

 

「それにしても驚いたよ。仕事でフィールドワークに来ていたらまさか森の中で女の子が倒れていたからね。放っておくわけにはいかないから私がここまで運んできたんだ」

 

ここで私がなぜここにいるのかを理解した

どうやら森の中で倒れていたところにたまたまガンマさんがきてそこから病院まで運んでもらったらしい

そして私はここで色々手当てをしてもらっていたというわけだ

 

「ありがとうございます…」

 

「ハハッ、礼はいいよ」

 

私は命の恩人に感謝を述べた

死にかけた私を救ってくれたから大きな音ができてしまった

 

「ところで…君はなんであの森にいたのかな?」

 

「…」

 

「良ければ聞かせてくれるかい?」

 

「…わかったわ」

 

それから私はガンマさんにここまでの経緯を話した

突然兄さんがいなくなったこと

兄さんを探すために旅立ったこと

所持金や食料が無くなってしまったこと

森で限界を迎えてしまったこと

ありのまま覆ったことを全部話した

ガンマさんは黙って全てを聞いてくれていた

 

「なるほど、とても過酷な経験をしていたんだね」

 

「ええ。だけどどこへいっても兄さんの情報が得られず途方にくれていたのです」

 

「そっかぁ…けど行方不明の兄を探すために故郷を出てここまできた行動力は驚いたよ」

 

ガンマさんが驚くのも無理はない

そりゃあ12歳の少女が1人で故郷から遠く離れた地までやってきたからね

 

「…そのお兄さんは私も探すのを協力しよう」

 

「いいんですか?」

 

「ああ、仕事の影響で色々なところに行くからね。その時に探してみるよ」

 

「すみませんわざわざ…」

 

「いいのいいの…それはそうと君は身体が回復したらまた旅立つのかい?」

 

「そうしたいのは山々ですが、お金もないですからね…」

 

捜索協力を得た私は回復したら旅立つつもりだった

しかし私は旅の最中にお金を使い果たしてしまっている

このまま出発しても何もできずに飢え死にするのがオチだ

どうしようか考えていると何か意を決したような表情でガンマさんが話しかけた

 

「佐久ちゃん、もしよかったら…私の養女にならないか?」

 

「!?」

 

「兄のためといえど、君みたいな女の子に1人過酷な旅をさせるのはあまり好ましくない。私の家で暮らしながらでもそれはできるはずだ」

 

突然の誘いに私は驚いた

会って間もない女の子をいきなり自分の養女にしようなんて普通はあり得ない

 

「いっておくけど私は下心があっていったわけじゃない。君がほっとけないし、可哀想ではないか。早々に親を失ったから温もりを知らない。そして私には3人の子供がいるのだが、末っ子に君と同い年の娘がいる。そんな娘は少し悩みを抱えていてね…根拠はないけど君ならあの娘の支えになれるんじゃないかと思っている」

 

「…」

 

「もちろん君の意思を尊重する。どうするか君次第だ」

 

養女に誘われた理由を聞いた私は驚いた

簡潔にいってしまえば私に帰るところを与えてくれたのだ

単純に私は嬉しかった

こんな身寄りのない私を家族として迎えてくれるのだから

私の答えはもう決まった

 

「ガンマさんの家族の皆さんがいいのなら…養女になります…!」

 

「!本当かい!なら早速手続きをしよう!」

 

そこから話はすぐに進んだ

ガンマさんは養女手続きをすぐに始め、ここで初めてガンマさんの家族と初めて対面した

 

「お父さんが来いって言うから何かと思えば…」

 

「まさか新しい家族を迎えるだなんてね…」

 

ここにきたのはガンマさんの奥さんである虹咲日和(にじさき ひより)さんと娘さんの虹咲伊織(にじさき いおり)さんだ

他にもお兄さんとお姉さんがいるみたいだけどここには用事があって来れなかったようだ

 

「急で悪いけど、こちらの娘が今日からうちで家族として暮らすことになった想恋佐久ちゃんだ。よろしくお願いしてやってくれ」

 

「よ、よろしくお願いします…」

 

「「…」」

 

挨拶を交わすと静かな空気が漂う

そりゃそうよね、いきなり家族が増えるなんていったらこうなるわ

日和さんと伊織さんがじっと私を見つめてくる

やがて日和さんが口を開いた

 

「…とても大変な目に遭ったのね」

 

「え?」

 

「早々に本当の両親とお別れしてその上にずっと育ててくれたお兄さんがいなくなったんでしょう?それでも1人でここまで頑張って生きてきたんでしょう?貴女は十分頑張ったわ」

 

「日和さん…」

 

「私はもう貴女の母よ。好きなだけ甘えなさい」

 

「…!」

 

日和さん…ううん、お母さんの温かい言葉に私は涙を流しながらお母さんの胸に飛び込む

お母さんは私を受け止めて優しく包み込むように私の背中に腕を回す

私は静かに泣いていた

 

「伊織はいいのかい?佐久のこと?」

 

「あんな涙見せられたら断れないわよ。それに私もむしろ大歓迎よ、ちょっと不安はあるけどね」

 

「そっか」

 

こうして新しい家族に暖かく迎えられた私は新しい我が家に足を運んだ

そこでさっき会えなかったお兄さんとお姉さんにも快く迎えられ、私の新たな生活が始まった

ちなみに養女手続きで知ったけどガンマさんって結構稼いでいるみたいでかなりのお金持ちなんだそうな

ただ本人が節約家なせいか豪華なお屋敷には住まず、普通の家で暮らしているようだ

 

ここから家族のみんなともっと親しくなり、あの運命の出会いが待ってるけど…

ちょっと長くなったから…

そのあとのお話は次回に続きます()




まさかの前後編の二つに分けました()
自分で分けるのあんまり好きじゃないんだけどねぇ…

てことでまさかのうちの3大ヒロインの1人である佐久の過去エピでした

ちなみに我が家3大ヒロインは

想恋佐久
虹咲伊織
未来アイ

以上の3人で成り立っております

ともあれ今年もゆるーくやっていくのでどうかよろしくお願YEETします〜
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