色々立て込んでました。
そしてしばらく見ない間に評価が上がっててびっくりしました。
読んでくれるだけでありがたいのに、想像以上に評価していただいて、本当に感謝しかないです。
これからもマイペースでではありますが、時間のある時には投稿しようと思うので、何卒よろしくお願い致します。
では、どうぞ。
何もないはずの森の奥に小屋があり、その小屋に1人の少年と7人の少女がいるという、はっきり言って異常な光景。
幼い少年少女がいるにも関わらず、親も保護者らしい保護者も、その小屋の中には見当たらない。
そんな異常な光景を見ても、ノアが驚くことはなかった。
「珍しいね、ノアがここまで来るの。」
「だから呼び捨てはやめろと、、、はぁ。もういい。お前の姉のクレアがさらわれたって聞いてな。それで様子を見に来たんだが、どうやら杞憂だったようだな。」
目の前に座っている少年は、俺が来たことに対してそこまで驚いた様子はない。
この少年、シド・カゲノーとは俺が学生の頃に、修行のため夜の森にこもっているときに出会った。修行をしていると、叫び声が聞こえたため駆けつけると、シドが盗賊どもを大笑いしながら虐殺しているところに遭遇したのだ。
その時に戦りあってから、シドとは腐れ縁というやつになった。この少年、シド・カゲノーは正直言ってヤバい。まだ13歳という年で5歳も年上の俺と戦いにおいてほぼ互角という実力の持ち主。俺自身が強いと思っているわけではないが、自分と戦りあえているこの少年は明らかに異端児であった。
また彼の助けた少女たちで構成されているシャドウガーデンという組織は、シドの知識をフルに使い、かなり力をつけつつある。
この現状を目のあたりにした俺は、この少年とこの組織のことを誰にも公表することなく経過観察をすることに決めたのだ。
今回はシドの姉であるクレアが数日前にさらわれたという情報を耳にしたため、文字通り駆けつけたわけだ。
通常であれば、クレアがさらわれたという情報が入ってもわざわざ俺が出向くことはない。しかし、クレアが王都の学校に出発する当日にさらわれたこと。クレアが将来的に優秀な剣士になる見込みがあること。それに加え俺が暇だったため、念のため様子を見に来たというわけだ。
「あの姉さんが簡単にやられるわけないでしょ。今じゃもうピンピンしてるよ。」
「それは良かった。」
「で、それだけ話して、はい帰ります。ってわけじゃないよね。」
「チッ」
そうシドが言った瞬間、座っていたはずシドは一瞬でノアの目の前に現れ、蹴りを放とうとする。それに対して、ノアは魔力で腹筋を強化し、その蹴りを受ける。腹で蹴りを受け止め、シドの蹴りのダメージは防ぐことができたが、衝撃までは受けることができずに、その蹴りの衝撃で小屋から吹き飛ばされてしまう。
「今の結構本気で蹴ったんだけど、反応された上にほぼダメージゼロかぁ~。やっぱノアは強いね。」
「人に暴力振るっちゃいけないって習わなかったか。教育がなってないな。」
急に蹴られたことに多少驚きつつも、すぐに体勢を立て直し、シドと対峙する。正直に言って、王都にいる優れた剣士であってもシドに勝てるやつはいないだろう。そうはっきり明言できるほど、シドは強い。いずれ最強と呼ばれる存在になり得ると断言できる。しかし、
「シド、お前は何を目指す。それほどの実力を何のために使う。」
「何か目的があるわけじゃないって。言ったでしょ。僕は陰の実力者になりたいんだ。」
そう、これも質が悪い。こいつ、何かの目的があるわけじゃなく、自分が陰の実力者になりたいという理由だけで、世界を破壊しかねない実力を保持している。なにがきっかけで爆発するか分からない爆弾のような存在なのだ。最悪の場合、アイリスにも被害が及びかねない。だから
「お前にやられるわけにはいかないな。」
「やっと本気になった?」
十分にあった両者の距離が一瞬でゼロになる。ノアは距離を縮めながら右こぶしを振るい、それに対してシドは左こぶしを振るう。
両者のこぶしが衝突し、森の木々が衝突のインパクトで吹き飛んでいった。
こぶしの衝突の後、シドはノアの左こぶしを受け流し、右ストレートを繰り出そうとするが、ノアはそれをさせない。受け流されそうになるこぶしを強引にシドの体へとねじ込む。
ノアの一撃に対して、受け流せないと感じたシドは、左足で地面をけり後ろで飛ぶことでダメージを軽減しつつ、空いている右足で、繰り出されるノアの腕の裏を蹴る。
再び両者の距離が開く。
「相変わらず、とんでもない体捌きだな。たいていのやつは今のこぶしをまともに食らって倒れるんだが。」
「ノアの戦い方、やっぱり苦手だな~。フィジカルでごり押してくるくせに、フィジカルだよりな戦い方じゃなくて、ちゃんと技術もある。さらにはフィジカルと技術で緩急をつけて攻めてくるから、厄介だよね。」
両者、今のが本気というわけではない。まずは小手調べ。ここから両者が再び衝突し、さらに激しい戦いになる、、、
「そこまでにして頂戴。これ以上やられたら、私たちの小屋が壊れるどころか、この森が吹き飛んでしまうわ。」
と、戦いがこれ以上激化する前に金髪のエルフ、アルファが止めに入った。
「え~、これからが本番だったのに。」
「我慢して頂戴。ガンマなんて戦いの余波でひっくり返ってしまっているわ。」
ふと、小屋の中を覗いてみると、藍色の髪のエルフがひっくり返っているのが見える。そのエルフ以外の少女たちも、激しい戦いを前に震えている子や、何もできず立ち尽くしている子など、様々だ。
「ノアもこれ以上暴れるのはやめてもらっていいかしら。」
「俺が好きで暴れてたかのように言うのはやめてくれ。先に吹っ掛けてきたのはそっちだぞ。」
「なんだよ、ノアも結構乗り気だったろ。」
「シャドウもノアも二人ともやめて頂戴。」
アルファの説得のおかげで、これ以上戦いが激しくなることはなくなり、森が更地にになることもなくなった。
「アルファも久しぶりだな。」
「そうね1年ぶりくらいかしら。」
アルファとはシドと会ったときに、流れで出会った。シド以外に幼い少女がいると知ったとき、王都に報告するべきだと考えたが、アルファは悪魔憑きと呼ばれる存在であったところをシドに助けられたのだと言う。自分には帰る場所がないと訴えられ、アルファや他の保護された少女たちのことを考え、個人的に支援することに決めたのだ。
「変わりはないか。」
「ええ、ノアも変わらないわね。」
「そうだ。これ忘れる前に渡しておくよ。」
ノアは毎回、この小屋に来るときは生活費として金貨を持ってくると決めている。この少女たちは、協力し合って生きていく力は持っていると知っている。しかし、こんな幼い少女たちが誰の助けもなく生きていかなきゃいけないのは間違っている。だから、できることはしてあげようという考えで始めたのだ。最初はアルファたちも受け取るのを渋っていたが、ノアの熱量に負けて受け取るようになった。
「毎回持ってこなくてもいいと言っているのに。」
「これくらいしか、お前たちにしてあげられないからな。気にしなくていい。」
「ねえ~、僕にはお小遣いないの?」
「お前にはねえよ。それに小遣いじゃねえ。」
こいつは力と金にしか興味がないのかと思ってしまうほど、シドは金に意地汚い。
「本当にクレアさんの様子を見に来ただけなの?」
「ああ、用事も済んだし、そろそろ帰るよ。」
「そうなの?まだ時間があったら一緒にご飯食べていかない?今日はいい山菜が採れたのよ。それにデルタが大きなイノシシを狩ってきてくれたの。ご馳走するわ。」
「いいのか?それじゃあご相伴にあずかろうかな。」
「ノア~。後でもう一回戦おうよ~。」
「断る。」
「ちぇ~。」
その後、ノアはシドや小屋に住んでいる少女たちとともに食事を楽しんだのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「じゃあな。また来る。」
食事を楽しんだ後で、ノアが帰ろうとしたら、シドとアルファが見送りに来てくれた。
「ノア~今度は、刀持ってきてよ。」
「アホ、あれは本気出す時しか使わん。」
「何でよ。僕とは本気で戦わないってこと?」
「あなたちが本気で戦ったら、あたり一帯更地になるわ。やめて頂戴。」
実際、ノアとシドは本気で戦ったことはない。本気を出す前から、周りに被害が出てしまい、毎度アルファに止められるのだ。ここに訪れると毎回、最後にこうやってアルファがシドを説得する光景が広がる。
「それと、アルファ。毎度言っているが、俺は全面的にお前らの組織をサポートすることはできない。もし国に危害を加える恐れがあると判断されれば、」
「ええ、分かっているわ。なるべく国は敵に回さないようにするわ。あなたとは戦いたくないもの。」
「ならいい、何かあったら呼べよ。すぐ駆けつける。」
「フフッ、ありがとう。でも、私たちは私たちの目的、ディアボロス教団をつぶすまでは歩みを止めるつもりはないわ。」
「別にそれについては何も言わないさ。好きにすればいい。」
「ええ、そうするわ。」
できるならば、俺もこんなかわいらしい少女たちとは戦いたくない。アイリスに敵対しない限りは、戦うという選択肢は絶対に取らないだろう。
「それじゃあ、またな。」
「バイば~い。」
「また会いましょう。」
そうやって、シドとの慌ただしい1日が終わったのだ。
ちなみに余談だが、数日後にシドから連絡がきて、アルファたちが世界へと旅立って、少し悲しいと連絡を受け、事情を聞くために、またアルファの下へ駆けつけたのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・
そんな出来事が起きてから数日後、ノアは街へと繰り出していた。ノアは街の真ん中にある噴水の前で立っている。目的は、
「ノア~。」
「よっ。アイリs、、、。」
言葉が出ないとはこのことか。普段アイリスはあまり私服というものを着ない。学校では制服だったし、お城でも公務服を着ているため、私服の姿はほとんど見たことがない。
しかし、今日のアイリスは白いワンピースに、白いハット帽をかぶり、長い髪は後ろで結んでポニーテールにしており、普段見ることのない恰好をしている。
うん、可愛すぎる。白い服とアイリスの赤が相まって似合いすぎている。
「すいません。待たせてしまいましたね。」
「いや、俺も今さっき来たところだよ。」
「なら良かったです。」
本当は楽しみすぎて15分前にはここにいたのだが。デートには男が先について待っているのがマナーだろう。いや、デートって。今日はアイリスの買い物に付き合うだけでデートじゃないよな?いや男女が二人で出かけたらそれはもうデートなのか?
「それにしてもノア、着くの早くありませんか。待ち合わせまであと15分はありますよ?」
「いやぁ、早く着きすぎちゃって。そういうアイリスこそ早くないか?」
「そ、それは。」
「うん?」
「楽しみすぎて、早く着きすぎちゃいました。」
ん?なんて言った?楽しみすぎてって、買い物がか?それとも俺と出かけるのがか?なんにせよ、理由が可愛いし、何もかも可愛い。あぁ、ダメだ。頭を働かせろ、ローガン・ノア。なんにせよ、
「そっか、それじゃあ早速行こうか。」
「ええ、行きましょう。」
アイリスとの買い物を楽しむために動き出す。昨日の夜にシミュレーションはした。今日を実行するだけ。頑張れ、俺。正念場だぞ。
「ノア、大丈夫ですか?なんか顔が怖いですよ。」
「ああ、ごめん。ちょっと緊張しちゃって。」
「緊張?ですか?それはどうして、」
「いや、なんでもない。それより、」
「はい。」
「今日の服装似合ってる。綺麗だよ。」
「ッ?!」
自分の本心を伝える。その言葉にアイリスは驚いて固まってしまう。そんな初々しいところも可愛らしくて、やっぱりこの女性のことが好きなんだとと実感する。
「あ、ありがとうございます。」
「それじゃあ、今度こそ行こうか。エスコートさせていただいてもよろしいですか。お姫様。」
そんなキザなセリフと一緒に手を差し伸べる。緊張はしている。手汗が出ていないかとか考えだしたらきりがない。しかし、男は度胸。精一杯見栄をはる。
そんな言動行動に、お姫様は目を見開き、
「ええ、よろしくね。」
「お任せください。」
そうして、アイリスとのデートが今始まったのだ。
初めての戦闘描写でした。うまくかけた自信は正直ない。
ぜひ、こうしたらいいなどアドバイスがあればコメントで教えていただきたいです。
そして、次回はアイリスとのデート編を書きたいと思ってます。
また忙しくなりそうで更新がいつになるか分かりませんが、変わらず気長に待ってていただけると幸いです。