DOG DAYS 〜The Demise Hero〜   作:セラフィエル

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どうもセラフィエルです。
更新遅れてしまい、誠に申し訳ありません。
スマホに少々不具合が生じてしまいまして。

さて、明けましておめでとうございます!
あっという間の一年でした。
恐らく、今年も早いんだろうなぁ。


第14話 輝き

パスティヤージュ公国でクーベルに挨拶を済ませた俺、黒神 和斗はビスコッティ共和国に戻っていた。

 

目的は、姫様に謝ること。

俺の勝手な行動によって迷惑をかけてしまった一人だ。

 

勿論、イズミの野郎に謝るつもりなどサラサラないが。

 

 

・・・・そんでもって、ここどこだ?

 

 

大図書室への行き方は分かるのだが、姫様の部屋はさっぱり分からない。

 

またリコッタに聞こうかな・・・。

 

しかし、すぐにこの提案を却下する。

 

いや、リコッタだって忙しいだろうし、リコッタに方向音痴と思われたくないし。

ま、適当に歩いてりゃ、いつか辿り着くだろ。

 

そう思い、俺は再び歩み始めた。

 

 

 

数分後。

 

 

 

よーし、リコッタに聞きに行くぞー!

 

嬉々として大図書室に歩みを進める。

 

体裁?んなもん知るか!

分かんねぇもんは仕方ねぇんだよ!

 

 

ズンズンと廊下を進んで行くと、先にある曲がり角から人影が現れた。

 

「おお、和斗殿ではござらんか。」

 

「奇遇でござるな〜。」

 

知らん奴に名前で呼ばれても、もう驚きはしない。

 

現れたのは二人の女性だった。

片方は、長身に和風の装いに、長い髪を後ろで三つ編みに纏めている。

もう片方は忍者のような装い、のはずなのだが女性特有の部位が異常に発達しているせいで、なんか、こう・・・イケなく見えるのは俺だけだろうか。

 

「あ〜〜・・・どちら様で?」

 

二人はニッコリと笑って答えた。

 

「拙者はブリオッシュ・ダルキアンにござる。」

 

「ユキカゼ・パネトーネにござるよ、和斗殿!」

 

背がでけぇ方がブリオッシュ・ダルキアン。

おっぱいがでけぇ方がユキカゼ・パネトーネ。

 

うん、覚えた。

 

俺が口を開こうとするより先にユキカゼが口を開いた。

 

「そうでござる親方様!和斗殿も連れて行くでござるよ!」

 

「うむ、なかなか良い提案でござるな。」

 

何故だろうか・・・。

二人がわざと俺の前に現れて、わざと俺を連れて行こうとしているような気がしてならない。

 

「いや、俺は・・・」

 

「さ!そうと決まれば早く行くでござる!」

 

「おい!話を聞けぃ!」

 

二人に両腕を掴まれ、ヒョイと持ち上げられる。

抗議しようと口を開いたが、両腕に妙な感覚が発生し、口を閉じた。

ちらとユキカゼの方を見ると、俺の腕によってその豊満なバストがムギュと潰れていた。

 

「・・・・・」

 

そして、ブリオッシュの方を見ると、ユキカゼほどではないが、こちらも見事にバストが変形していた。

 

「・・・・・」

 

いや、なんというか・・・これは、これで・・・いい・・・・か、な?

 

 

その後、セルクルに乗って(腕は解放された)走り続けること数分。

 

「さぁ、着いたでござるよ。」

 

「おぉ〜〜〜。」

 

眼前には見渡す限りの花畑。

濃紺、紅赤、藍など色とりどりの花々が天に向かって凛と咲き誇っている。

元の世界でもここまで美しいのは滅多に無いだろう。

 

「お、来たかヒナ、ユキカゼ。」

 

「待ちくたびれたぜ。」

 

「こちらはもう準備できているのです。」

 

声のした方を向くと、三人の男女が用意したのであろう椅子に座ってテーブルを囲んでいた。

そのうちの一人が俺と目を合わせた。

着流しに腰には業物であろう刀を差している。

どことなくブリオッシュに似ているような気がする。

 

「君が黒神 和斗君か。」

 

一応ぺこりと挨拶をする。

 

「ど、どうも・・・。」

 

他の二人も俺に目を移した。

 

「なんか陰気くせぇ奴だな。」

 

「ヴァレリー!いきなり失礼なのです!」

 

ヴァレリーと呼ばれた男性はやけに露出度の高い黒の衣装に肌には赤い紋様が刻印されている。

その男性を叱った女性は目がチカチカしそうな純白のドレスに紫紺の羽衣を纏っている。

ちなみにバストサイズは服の上からでも目を引きそうなほどのものである。

 

女性はこちらを向き、申し訳なさそうに頭を下げた。

 

「本当にごめんなさいなのです・・・。昔から口が悪くて・・・。」

 

「いや、別にいいっすよ・・・。」

 

口が悪いのは俺もだし。

それに罵倒雑言は慣れている。

 

「そういえば自己紹介がまだだったな。俺はイスカ・マキシマ。ヒ・・・ブリオッシュ・ダルキアンの兄だ。」

 

ブリオッシュの兄なのか。

どうりで似ていると。

 

「私はアデライド・グランマニエ。アデルと呼んでください。」

 

「ヴァレリア・カルバドスだ。魔王様と呼んでくれてもいいぜ。」

 

イスカとアデルは兎も角、ヴァレリアはバカだと大体予想がついた。

 

「アデル、あの方は?」

 

ブリオッシュがアデルに尋ねる。

 

ん?あの方?もう一人いるのか?

 

「もう来ているのですよ、ヒナ。」

 

そう言ってアデルは視線を俺の後ろに向ける。

それにつられて俺も後ろを向く。

 

「こんにちは、和斗さん。」

 

「姫・・・様?」

 

そこには姫様が笑顔で立っていた。

 

 

 

「和斗さん。わざわざ来ていただきありがとうございます。」

 

姫様がぺこりと頭を下げる。

つられて俺も頭を下げる。

 

「い、いえいえ。俺は全然暇ですし・・・。姫様の方こそ忙しいんじゃ・・・」

 

俺の言葉に姫様はパタパタと手を振った。

 

「私も一応ひと段落ついたんで。それに、これは仕事よりも大切な事ですから。」

 

仕事よりも大切な事・・・。

それが俺に会うことなのだろうか。

姫様は俺をそんな風に思ってくれていたのか。

迷惑をかけてしまったのに。

 

「さーてお二人さん、お取り込み中失礼するが、そろそろ時間だぜ。」

 

ヴァレリアが俺と姫様の肩を叩く。

姫様の肩にはよりしっかりと手を食い込ませていたのは気のせいだと信じたい。

 

「時間って・・・何の?」

 

俺の問いにヴァレリアはニシシと笑い、

 

「まぁ、見てりゃ分かる。」

 

と言って、花畑の方を見た。

 

花畑の方に何かあるのだろうか。

周りを見ると、他の五人も花畑の方を見ていた。

 

俺も花畑に視線を移すと、そこには花々ではなく、眩い光の雲が辺り一面に広がっていた。

いや、よく見ると花々の一つ一つに細かい綿のようなものが幾つも生まれている。

 

「これは・・・・」

 

「美しいでござろう?これは『大地の種子(グランド シード)』と呼ばれる現象でござる。年に一度、ここの花達は子孫を残すためにフロニャ力を使って、子種を空中に飛ばすのでござる。空中でくっ付いた子種は種子となり、大地に降り、新たな命として芽吹くのでござるよ。まぁ、そうなるのはこの中でも一握りでござるが。」

 

ブリオッシュが説明するのを俺は呆然と聞いていた。

眼前の光達は次々と空中へ放たれてゆく。

光同士が引っ付き合い、一回り大きな光となる。

その光景は、世界のどこかにあるという桃源郷そのものののようだった。

 

「和斗さんにこれを見て欲しかったんです。」

 

姫様が俺の隣で光の命を見上げながら、話し始めた。

その顔は光に照らされ、美しい女神を彷彿させた。

 

「光は子孫を残そうと頑張ります。だけど、その中で種子となれるのは極一部です。でも、光達は種子になれなかったからと言って、その輝きを失う事はありません。より一層美しく、大きく輝いて、大地に降り、新たな命を育むための土となります。もちろん、土になってもその輝きは消えません。」

 

そう言って姫様は俺の目を見つめた。

 

「和斗さんは頑張り屋さんです。ここの光達のように。だけど、和斗さんは結果が出なかったからと言って、自分の輝きを消してしまいます。それが自分への罰だと。

そんな事しなくてもいいんです。その輝きはずっとずっと持っていていいんです。」

 

姫様の目の光は、花々の光よりももっともっと温かかった。

だが、その光は、俺に向けられてもいいのだろうか?

 

「でも・・・俺は・・・勝手な事して、姫様や他の人達にも迷惑をかけてしまって・・・・本当にごめんなさい。」

 

俺の手に温もりが生まれた。

姫様が俺の手を優しく握ったのだ。

 

「いいんですよ、和斗さん。凄かったじゃないですか。あのレオ様に果敢に挑んで行ったんですから。それに、出場するように言ったのは私ですし。和斗さんは頑張りました。この先も頑張れば、その輝きをもっともっともっと、美しく、大きなものにできます。だからーーー」

 

姫様は笑った。

 

俺の大好きな笑顔で。

 

「だから、私に見せてください。和斗さんの輝きを。綺麗で温かい輝きを。私はずっと待っていますから。」

 

嗚呼、嗚呼、心地良い。

俺が求めていた温もりがすぐそばにある。

包まれたい。その温もりに。

だけど、今は後にしよう。

 

 

 

「はい・・・待っていてください。いつか、必ず、姫様に美しい輝きを。」

 

 

 

命の光が輝き、明るく照らし、俺達を包み込んでいった。

 




次回は和斗の過去について触れるかと。
それが終われば、対魔物戦になりそうです。
お楽しみに!
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