DOG DAYS 〜The Demise Hero〜   作:セラフィエル

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どうもセラフィエルです。
いや〜遂に姫様ご登場ですね!
突然ですが、少し叫ばせてください。

姫様ぁぁぁぁぁぁぁッッ‼︎‼︎‼︎

ふぅ、すいません。いきなり暑苦しいですね(ー ー;)
姫様ご登場と同時にやっとフロニャルドを舞台にできました。
それでは第五話、どうぞ。


第5話 フロニャルドへ

周りを見渡す。

淡い紫紺の空がどこまでもどこまでも続いている。

その途中には、大小様々な島が浮かんでいる。その端からは滝がキラキラと太陽の光を反射して輝いている。

地球とはまた違う香りのするそよ風が僕の顔を優しく撫でる。

隣ではベッキーがそよ風を楽しむように目を閉じている。

僕らは今、僕らの第二の故郷であるフロニャルドに帰ってきていた。

「お帰りなさい、シンク。レベッカさん。」

そして、僕らの耳に可愛らしい声が聞こえる。

前を向くと、そこには一人の少女が立っていた。

桃色の髪に可愛い犬耳、優しそうな目をし、その口元には微笑みが浮かんでいる。思わず抱きしめたくなるような華奢な体躯には、装飾が施された桃色のドレスが着せられている。腰の後ろには、これまた可愛い犬尻尾がピコピコと揺れている。

彼女の名前はミルヒオーレ・F・ビスコッティ。

ここ、ビスコッティ共和国の代表領主で、僕らの愛しい姫様だ。

「ただいま、姫様。」

両手を広げると、姫様は息が詰まりそうなくらいの勢いで僕の胸に飛び込んできた。

優しく頭を撫でると、姫様は嬉しそうに喉を鳴らした。

「シンクだけずるい!私もナデナデさせて!」

そう言ってベッキーも姫様を撫でる。

「はわ〜〜♡最高です〜。」

姫様がより一層顔を埋める。この行為は嬉しいのだが・・・

気のせいだろうか、さっきから匂いを嗅がれ過ぎているような気がする。

いや、まさかね。姫様がそんなエロティックに目覚めたわけないよね。

 

「ハァハァ・・・シンクの匂いィ・・・」クンクン

 

「あの・・・姫様・・・?」

「はい?なんですか?」

けろっとした表情で答える姫様。

うん!さっきのは気のせいだね!僕がちょっと疲れてるだけだよね!

「ううん、なんでもないよ。それより、そろそろ行こっか。」

「あ・・・・・・・・・・・はい!そうですね!」

何だ。今の長い間は一体何だったんだ。

「もう戦の準備はできてるの?」

姫様のちょっと変わった(?)様子に気づいていないベッキーが尋ねる。

「そっか〜・・・ねぇ姫様。」

「?何ですか?」

「クー様は?」

そういえば、姫様と一緒に迎えに来ると言っていたはずだが・・・・

「実は・・・クー様は緊急のお仕事が入っちゃったみたいで・・・」

「えぇぇぇぇ⁉︎じゃあ、戦にも出ないの⁉︎」

「いえ、戦にはおそらく出れると思います。」

「クー様がベッキーを置いてもしなくちゃいけない仕事なんだね。」

「はい・・・。キャラウェイに、どうか先延ばしにして欲しいと泣きながら頼んでたみたいです・・・」

「キャラウェイさんも大変だね・・・」

「うぅ・・・クー様無しだなんて・・・」

どうやらベッキーにとっては相当なダメージのようだ。

まぁ、仕方ないか。

「と、とにかくクー様は追い追い来るので、今は戦場へ向かいましょう!」

「うん!そうだね!さっ、行こーよ、ベッキー!」

「は〜い・・」

・・・・・どんな仕事かは知らないけど、クー様。早く帰ってきてね。うちのベッキーが大変なことになりそうだから。

 

「おお〜〜。」

所変わって、ビスコッティ本陣。

ベッキーはパスティヤージュ本陣へと移動した後。

僕は感嘆の声をあげていた。

なぜなら、今回の戦場がアイアンアスレチックそっくりな作りになっているからだ。

「姫様。今回は随分手を掛けてるね。」

「はい!」

今日って何か特別な日だっけ?

「えっと・・・どうしてまた?」

「今回の戦の会議で、クー様とレオ様となんか盛り上がっちゃって。そのまま勢いで・・・気がついたら、こんな風に!」

えっへんと胸を張る姫様。

いや、自慢することじゃないと思うんだけど。

っていうか、一体何で盛り上がったんだ。

「あはは・・・・」

苦笑いを浮かべる。

なんか姫様・・・初めて出会った時よりちょっと天然になったような気がする。

その時、

「やっと来たか、ウスノロ勇者。」ゴスッ

「ウドぅっ⁉︎」

誰かに背中の肩甲骨を殴られた。

一体何者⁉︎と思うも、すぐに見当がつく。

「いきなり殴ることないんじゃないかな、エクレ・・・」

後ろを向くと、一人の少女が腕を組んで立っていた。

肩口をくすぐる程の淡い緑髪。その横には、この世界でも珍しい垂れ耳がひょっこりと顔を出している。

勝ち気そうな目はなぜか、ランランと輝いている。

「まったく・・・・便箋くらい送って来たらどうだ。その・・・・・心配するではないか。」

そういえば、春休みから書いてなかったなぁ・・・・。

なんか悪いことしちゃったかな?

「ゴメンね。これからは気を付けるよ。あと、心配してくれたんだね。」

「べっ、別にお前のためではない‼︎その・・お前からなんの連絡もないと姫様が心配されるからだ!決してお前のためでは・・・!」

うん、可愛い。顔を赤らめてるエクレって、なんか癒されるんだよね。

その時、もう一人いないことに気がついた。

「あれ?リコは?」

「リコッタなら、砲撃隊の準備をしている。なんでも、調べ物に少々時間がかかったらしい。」

リコこと、リコッタ・エルマールはビスコッティが誇る天才であり、戦では砲術士として砲撃隊を率いている。

でも、珍しい。あのリコが調べ物に時間をかけるなんて。

「それってどういう内容?」

「さぁ、知らん。私も聞いてみたのだが、答えてくれんかった。」

「姫様は?」

この国を治める姫様なら知っているはず。

「それが・・・私も知らなくて・・・。」

「えぇ?姫様も知らないの?」

「はい・・・。」

「姫様にすら教えられぬ事なのか・・・。」

なんだろう。妙に嫌な予感がする。

まさか、また子狐のような魔物が・・・?

いやいやまさか。あの子狐の魔物は千年に一度という程に稀な現象なのだ。

あれからまだ三年ほどしか経っていない。

こんなにも早く、またあの恐ろしい魔物と対峙するのだろうか。

「まぁ、そのうち教えてくれると思います。あのリコがいつまでも私達に秘密にするとは思えませんし。今は戦を楽しみましょう!」

姫様がグッと拳を握る。

うん!姫様の言う通りだ!くよくよ心配するより、今は戦で頑張らないと!

もし、本当に魔物が出現してしまうなら、あの時と同じように封印してやればいいさ‼︎

「そうだね!よーし、今回の戦はビスコッティの圧勝で終わらせよう!ね、エクレ!」

垂れ耳隊長はフッと微笑み、

「当然だ。そのために強くなったのだからな。」

「それでは!ビスコッティの勝利目指して!頑張りましょう!」

「「おーーッッ‼︎」」

その時、戦の花火が打ち上げられ、僕らの顔を紅く照らした。

 

 

 

 

息を吸う。

肺の中を少し湿った空気が満たす。

朝日が少年の、黒神 和斗の顔を照らす。

見上げると、空に朝焼けが残っている。

いつもより近い空。

いつもより遠い意識。

息を吐き出す。眼下に広がるのは、ほんの数日前まで自分が踏みしめていた地面。

いつもは騒がしいはずの学校は静まり返っていた。

和斗は屋上の縁に立って、思いに耽る。

 

嗚呼、つまらない人生だった・・・・・

 

シンク・イズミ。

ふと、アイツの顔が思い浮かぶ。

奥歯をギリリと噛み締める。

なぜ、今アイツの顔が思い浮かぶんだ。

嗚呼、そうだ。アイツのせいで。アイツのせいで、俺の心は崩れた。

記憶が蘇る。

友から蔑まれ、騙され。

母親には見捨てられて。

自分には、何も無くて。

そして・・・・アイツにはあった。

俺が欲しいもの全て。

 

 

もう・・・・終わらせよう。

 

 

何もかも。

 

 

終われば、もう気にすることはない。

 

 

呪縛から解放される。

 

 

もう一度、空を見上げる。

もし・・・もし、イズミのようになれたら、

俺は・・・・・・

 

 

もっと楽しく、生きれたのかな・・・・・。

 

 

身を躍らせる。

遥かな虚空へ。

嗚呼、やっと終わる。

 

が、その時だった。

突如、眩い光が辺りを満たす。真下を見ると、そこには、魔法陣のような円が金色の輝きを放っていた。

その中心は、まるで宇宙のような空間が大口を開けている。

「なっ・・・⁉︎」

俺は途中で方向転換などできるわけもなく、その魔法陣へと飲み込まれていった。

 

小鳥のさえずりが聞こえる。

目を開けると強烈な光が目を襲う。

目を慣らしてから、ゆっくりと辺りを見る。

なんとも奇妙な光景だった。

所々に三メートルはあろうかという石造りの柱が自分がいる場所を囲むように佇んでいる。その柱はどれも苔やツタが着いていて、中にはヒビが入っているものもある。

どう見ても、かなり古い柱のようだ。

ふと、何者かの気配を感じて後ろを向くと、そこには一体の像が佇んでいた。

これにも苔やツタが絡まりついている。顔は半分剝げかけており、辛うじて微笑みを浮かべているのが分かる。

両手は広げられ、背中には六枚の翼が生えている。

いや、よく見ると、壊れて翼の大部分が失われているものもある。それらを数えると翼の枚数は・・・十二枚。

左右二対六組の翼。

「・・・十二枚の翼の・・・天使?」

ゆっくりと手を伸ばす。

やがて、手が天使の像に触れた。

瞬間ーーー

「ッッ⁉︎」

またしても眩い金色の光に包まれた。

 

 

戦場を駆け抜ける。

純白のマントが風になびき、バサバサと声をあげる。

右手に握った<神剣パラディオン>が戦に興奮しているのだろうか、仄かに温もりを感じる。

眼前に敵が迫っても、スピードを落とさず、一息で三人の敵の脳天、腹、背中にパラディオンを振るう。

敵がダマ化するのを背中で感じながら、再び敵本陣へと駆ける。

戦が始まってからおよそ三十分でガレット本陣までの半分に到達していた。

『勇者シンク!怒涛の勢いで進んでおりますッ‼︎このままではガレット本陣危うしですッッ‼︎』

どこからかフランボワーズ・シャルレーの名演説が聞こえてくる。

しかし、今のシンクにとってそれは些細なことに過ぎない。今はただ前へ進むのみ。

が、その時ーーー

「おグフゥッッ⁉︎」

突如、頭から爪先までに途轍もない衝撃を感じた。

バランスが崩れ、盛大にコケる。

「ーーーーーーーッッッッ⁉︎‼︎⁉︎」

痛ぁぁぁぁッッ⁉︎頭が!頭が特にぃぃぃぃッ‼︎

一体何が⁈と思いつつ、後ろを向くとそこには僕と同じく声にならない苦悶の悲鳴をあげ、頭を抱えている少年の姿。

そして、その少年もこちらを向き、目が合う。

その時全身を駆け抜けた衝撃は、先程のそれより遥かに大きかった。

なぜなら、そこにいたのはシンクに対し、超絶的な憎悪を持つ黒神 和斗、その人だったのだから。




心配です。非常に心配です。
姫様・・・こんな風に書いちゃっていいのかな?
私思ったのですが、シンク達が16歳ということは、リコやクー様は15歳ですね。
その・・・成長してるんでしょうか?胸とか。
いいえ、違います。決して触りたいとかそんなことは思ってません。ただ、ちょっと気になっただけです。誓ってそれだけです。
さて、少々次回予告を。
次回!またしても、和斗君が鬱になる予定です・・・
彼が明るくなる日は来るんでしょうか?
では、またお会いしましょう。
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