【完結】TS〜朝目が覚めたら万能執事長はダメイドになってました〜   作:ラットマンΣ

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朝起きたら相棒が消えていました

「ふわぁあ……」

 

 私、クリス・フォスターの1日は午前4時から始まる。

 今日も今日とて蒼葉邸の執事長として恥じない仕事をする……のだが、なんか妙に身体が重たいような? 

 具体的に言うと前方が重い。

 少し視界を下げてみる。

 そこには二つのたわわに実った果実があった。

 

「……え?」

 

 あれ、おかしいな? 

 なんか声のトーンも高いし……そして下腹部にとてつも無い違和感を感じる。

 恐る恐る手で触って確認してみると、無い。

 歴戦の相棒がいない。

 ……え、何これ? 

 これって俗に言うTSってやつか?! 

 いや待て、落ち着け私。

 いくら非常識なことが起きる予玖土町とは言えこんな無意味すぎる異変あるはずがない! 

 うん、夢! 

 間違いない! 

 そう自分に言い聞かせて再び布団に入ろうとした瞬間、ドアが勢いよく開かれた。

 

「クリス聞いてよ! またリリスが何かやらかした……ら、し、く、て……」

 

 蒼葉邸のトップ、蒼葉アキルが寝巻き姿で愚痴りながら部屋に入って来た。

 

「そうなんですね」

 

 いつも通りの対応を取るが、一つ忘れていたことがある。

()()()()()()だ。

 もし、変化が起きてるならアキル目線では(クリス)の部屋に不法侵入者がいる事になる。

 そうなるとアキルの次の行動は容易に想像できる。

 

「クトゥルフの鷲掴み!」

 

 当然拘束に入る。

 と言うか、痛い! めっちゃ痛い! 

 男の時に比べて身体がだいぶ脆くなってる! 死んじゃうから! 

 そしてあれよあれよと言う間に話が進んでいき、現在私は自称クリス・フォスターの不審者と言う扱いでエントランスにて館の面子に囲まれているのだ。

 

「で、どうする()()? いい埋め場所なら知ってる……つか、食屍鬼の連中に渡すのが楽か」

 

 紅い髪ともこもこの寝巻きを着たケイト・リードが非常に物騒なことを言う。

 

「だから、私はクリスなんですっ———」

 

 バンっと銃声が鳴り、私の頬を掠める。

 

「へいへい、とりあえず黙ろっかお嬢ちゃん? いや黙ってたら色々聞き出せねぇな? とりあえずクリスどこにやった? 早めに言った方が楽に逝けるぜ?」

 

 あ、これダメだ。

 死んだわ私。

 今まで見る側だったけどケイトさんってバチくそ怖いんだ。

 

「なぁ、お嬢ちゃん? なんか言うことあるかい?」

 

「だ……だから、私はクリスで……朝起きたらなぜか女性になってて……」

 

「そうかそうか、こいつを椅子に縛りつけといて! あと和紙と水用意してくれや」

 

 あ、拷問コースだこれ。

 やばいやばいケイトさんの拷問とか死んでも受けたくない! 

 何か……何か打開策を! 

 

「ストップ! 今確認が取れたわ。その娘は正真正銘クリス・フォスターよ」

 

 そう言ったのはアキルお嬢様だった。

 

「馬鹿のリリスが実験的にてぃーえす? させたそうよ。全くもって迷惑だわ。そんでもってクリス、悪かったわね。この通りよ」

 

 そう言ってアキルは頭を深々と下げる。

 

「わかってくれたならいいんです……正直もう少し早くして欲しかったですけど……それでどうやったら戻れるんですか?!」

 

 嬉々としてお嬢様に聞く。

 犯人が分かったなら簡単に戻れるはずだ! 

 

「あー……それが、その、非常に言いにくいんだけどね……わかんないって」

 

「は?」

 

「戻し方わかんないって……当分そのままよ、うん」

 

 戻し方わかんないis何故?! 

 リリス! お前がやらかした物語だろ! 

 え、じゃあ最悪一生このまま? 

 どうして……

 

「まぁ、どうにもならないことはしょうがないし、クリス!」

 

「はい?」

 

「デートに行くわよ!」

 

 ……は?

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