【完結】TS〜朝目が覚めたら万能執事長はダメイドになってました〜   作:ラットマンΣ

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朝起きたら筋力も尊厳も失ってました

「いや、この状況でデート行こうとはなりませんよ?!」

 

 至極真っ当なことを答える。

 そもそも着る服がないし……

 いや、あったとしても着ないけど! 

 

「まぁまぁ、クリス。これから貴方は女(・)の(・)子(・)として当分過ごすわけだし洋服とか必要でしょ? それにこんな面白い状況を無駄にするのはアキルちゃん的にはナシなのよね!」

 

 笑顔でお嬢様は答える。

 いつもなら微笑ましく思えるが今は心底ぶん殴りたい。

 

「いや、そうだとしても買いに行くための服とかないですし? いや、これはしょうがないですね! なので私は部屋に当分篭ろう———」

 

「ケイト、服貸してあげて後ブラも」

 

「オッケーちょい待ち」

 

「いや、ケイトさんも無理しなくていいんですよ?! 元男ですよ私?!」

 

「アタシ的にはツラ良ければ特に? と言うか貸した方が面白そうだし!」

 

 そう言ってケラケラと笑いながらケイトさんは自室に戻る。

 あー! 私に救いの神はいないのか! 

 

「グレン! 助けてくれ! 頼むから!」

 

「男性陣は帰っていいわよ? と言うか……帰りなさい?」

 

 アキルが男性陣を睨む。

 

「だそうだ。悪いが兄貴を助けることはできないらしい。すまんな」

 

 そう言って最後の希望が消える。

 え、マジで? 

 このままお外に買い物コース? 

 いや、色々ダメだろ! 

 俺は男だぞ! 

 

「お待たせー、服とブラ見繕ってきたよー」

 

 嬉々としてケイトさんが服とブラをいくつか持ってくる。

 しかも結構、その、際どいやつを……

 絶対にアレは着たくない! 

 あ……あんなの痴女じゃん! 

 そもそも俺男だし! 

 何か……何か策はないのか?! 

 

「さぁて、クリス。観念してね?」

 

 アキルが俺の手を握る。

 ……申し訳ないけど今回ばかりはやりすぎだ! 

 だから、ちょっと痛い目を見て貰う! 

 

「てやぁ!」

 

「…………えっと? 何?」

 

「アレ?」

 

 おかしいなぁ、こういい感じに押し倒して説得するはずだったんだけど何で一ミリも動いてないんだ? 

 え? もしかして筋力も落ちてる? 嘘? 

 

「クリスったら悪い子ね、俄然遊びがいが出るってものよ?」

 

 そう言ってアキルは俺を押し倒す。

 ちょっと待ってください! 

 せめて、せめて心の準備を! 

 

「じゃあ、お(・)着(・)替(・)え(・)しましょうか」

 

 アキルとケイトと雪奈の影が俺に迫る。

 あ……いや……いやァァァァア!!! 

 

 

 

 30分後

 

 

 

「もう死にたい……」

 

 結局三人相手には勝てなかったよ……

 ケイトさん最後の慈悲でブラはスポーツブラにしてもらった。

 とは言えヘソだしスタイルにホットパンツと黒タイツってやっぱり露出多いよ……

 最後の抵抗で自前の革ジャンだけは着てやる……! 

 

「さぁてクリスの着替えも終わったし買い物行きますか!」

 

 妙にツヤツヤしたアキルがそう言う。

 もう好きにしてください……

 

「本当は私とクリスだけで行こうと思ったけど、クリスが想像以上に雑魚くなってるからケイトと雪奈も行きましょ? 実質女子会ね!」

 

「あいあい、クリスがあんな貧弱だと確かに心許ないよな」

 

「そこまで言わないであげてくださいよ、クリスさんだって好きで弱くなった訳じゃないんですから! それはそれとして無駄にデカい乳は腹立ちますけど」

 

 クリティカルヒット三連打ァ! 

 クリスくんのメンタルはボロボロだ! 

 うぅ……好き放題言いやがって……

 

「てことでレッツゴー!」

 

 妙にハイテンションなアキルの掛け声で買い物に出ることになった。

 

 

 

「死にたい……!」

 

 さっきからめっちゃ見られてる! 

 と言うか女性の服着て外に出てるのなんかの犯罪に抵触しないか?! 

 思い出せクリス、お前は男なんだぞ! 

 あれ? けど、この状況だと俺ただの変態では? 

 いや、違う断じて違う! 

 これはしょうがなくてやってる事、それ以外の何でもない! 

 

「ク〜リス、もしかして意識しちゃってる?」

 

「ひゃ!」

 

 不意に耳元でアキルに囁かれ変な声が出る。

 

「ふふ、もう見た目は完全に女の子だよクリス? 中身は男の子なのにねぇ? ねぇどんな気分? 教えてよ?」

 

 アキルが続けて耳元で囁く。

 どんな気分かだって? 

 そんなの決まってる! 

 

「最悪ですよ!」

 

「ふーん」

 

 アキルは俺の顔を覗き込んで少し笑う。

 

「その割には楽しそうな顔してるわね?」

 

 は? 俺が楽しそうな顔をしてる? 

 そんなわけ……

 

「ま、いいわ! とりあえずショッピングモールももう直ぐだしそこで買い出しよ」

 

 

 

 買い出し自体は特に何もなく終わった。

 今日はもう疲れた……

 さっさと風呂に入って休みたい……

 あ、風呂どうしよう?! 

 え、これ大丈夫なやつなのかな?! 

 自分の体とはいえ女性の裸体を見るなんて……

 いやだけど自分の体だし……

 え、どうしよう……

 

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