え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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【定期】誤字報告いつもありがとうございます。

ヒーローネームの【IXA】に思ったよりも反応を頂けて嬉しかったです。
『東京喰種』の例の物から名前をお借りしました。仮面なライダーさんのイメージもありますが。あの名前滅茶苦茶カッコよくて大好きです。






個性の友情コンボは高火力

 

 

 

 救護所の人達の避難誘導が終わり、【フルカウル】によっていち早く戦闘の現場へと戻って来られた。

 僕が最後に見たのは轟くんの炎をイナサという人が束ねて火炎の竜巻を作り出していたところだったけれど、今の彼らはどうなっているのか。

 

「っ、いた!」

 

 氷や炎が噴出し、どこに誰がいるのか分からない状況。新しい氷の発生が轟くんの位置を示し、元を辿ればそこにはやはり轟くんの姿があった。

 

 同時に彼の近くにギャングオルカの姿もあった。

 マズイ!ギャングオルカの個性は【シャチ】……シャチっぽいことを陸上でもシャチ以上にこなせる!真堂さんの様に超音波でやられてしまう。

 

「──え?」

 

 助けなきゃ、と走り出そうとした時。轟くんが何かでギャングオルカを突き飛ばした。

 有効打ではないみたいだけど、無理に押されては退がらざるを得ないらしく超音波の射程に入ることが出来ていない。

 

 今のうちに轟くんの元へ到着。ザシッ、という音を立てた僕をチラッと一瞥すると視線はすぐにギャングオルカへ戻された。

 

「轟くん!大丈夫!?」

「ああ。今夜嵐が先にサイドキックの人達を倒しに行って、凌ぐことに徹していた」

「凌ぐって……ギャングオルカ相手に一人で?」

 

 涼しい顔で言うけれど、それがどんなに難しい事なのか分かってるのだろうか。僕達生徒とトッププロじゃ大きな差があるというのに。*1

 

 ふと、轟くんの手元に視線を落とすとそこには棒状の何かが握られていた。真っ白に輝くソレは無骨な棍棒のようにも見えるけど……。

 

「これか?これは氷で作った棒だ」

「こ、氷で……?」

「ああ。基本使い捨てになるが、それなりの効果はある」

 

 っそうか!轟くんなら自分の個性で氷の塊を作れる!後はざっくりと形状を決めておけば使い捨ての武器を量産出来るのか……!

 じゃあさっきギャングオルカを押し返したのもこの氷塊で出来た武器を使ってたという事か。

 

 まだ複雑な形状は出来ないらしい。でも、心置きなく使い潰せる武器というのは有り難い。

 轟くんは僕に30cm程の氷の棒をくれた。好きなように使えって。

 

「また一人増えたか……!!来てみろ!」

「っ……!!セントルイス……!!」

 

 

 SMASH!!

 

 

 立ち直ってきたギャングオルカの圧に対し、咄嗟に【フルカウル】を乗せた回し蹴りを放つ。25%でもそれなりの風圧は放てるのに、ビクともしない!!

 

 顔を手で庇う程度で防御すらしていない。これがトッププロか……!

 

 向かってくる寸前に貰った氷柱を一つ投げつけて牽制を試みるけど、やはりというか当たる訳もなく普通に回避されるか当たる前に超音波で壊されてしまう。

 

「どうしたら……!」

「落ち着け緑谷。倒し切る必要はねえ」

「うん、救助が終わるまで持ち堪えればいい」

 

 勝利条件を間違えてはならない。僕達の勝利条件は『傷病者の救助、及び避難誘導』だ。ギャングオルカとミルコを【HUC】の人達に近づけなければそれでいい。

 

「轟ィ!サイドキック吹っ飛ばしてきたぞ!!」

「夜嵐か!よくやった!」

「士傑の人!」

「雄英の人ッスね!?よろしくお願いします!」

 

 そこへ風と共に夜嵐イナサさんが戻ってきた。サイドキックを救護所から遠く離れた位置まで飛ばして来たらしい。そんな事まで出来るのか。

 

 轟くんの炎と氷、夜嵐さんの風……これならギャングオルカを拘束出来る!

 

 

 跳躍と同時に前方へ宙返り。そして落下と回転の勢いを上乗せした【フルカウル】の蹴り──マンチェスター・スマッシュで足場を砕くっ!!

 

「どこを叩いている!」

「あんたこそどこ見てんだ!!」

「ぬっ!?貴様───!!」

「真堂さん!!」

 

 想定以上に反応が早く逃げられたかと思ったけど、超音波を受けてダウンしたかに思われていた真堂さんが復活していた。

 少し離れた位置から僕とギャングオルカのいる方に向けて地震を放ってくれている。たちまち足場は更に崩れていき、凸凹した動きにくい地形へと変わっていく。

 

「個性柄、揺れには多少耐性があんだよ!やっちまえ!」

「ああ!!」

「いくッスよォ!!」

 

 僕が離脱した後のギャングオルカの足場は不安定、真堂さんの【揺らし】も相まって回避は不可能。

 

 そこへ轟くんの炎を夜嵐さんの風と一緒に閉じ込めてしまえば──!!!

 

 

FOOOOOSH!!!

 

 

 

「うおお!?炎の渦にシャチョーが閉じ込められたぞ!?」

「やべえ!シャチョーはシャチみたいに乾燥に弱い!」

 

 膨大な熱が渦巻き、あっという間にギャングオルカを包み込んでしまった。最初に放った急造のソレとは異なり、示し合わせて放たれた炎と風は倍ほどに膨れ上がっている。

 狙い通りではあるんだけど、ギャングオルカが無事なのか不安になってしまう程の規模だ。

 

 サイドキックの人達がチラホラと戻って来ているけれど、こうなってしまっては如何に彼らでもギャングオルカを引っ張り出すのはむずかしいだろう。

 そうしているうちに集まってくるのはサイドキックだけではない、要救助者が少なくなった為に他の受験生の人達も集まってくれている。

 

「緑谷!」

「尾白くん!サイドキックの方をお願い!」

「俺達も加勢しようッ……!!」

『ドラララララララララァッ!!』

 

 尾白くんや常闇くん、芦戸さんや梅雨ちゃんが駆けつけてくれた。

 他の学校の人や士傑の人達も来て……いや、まだだ!ギャングオルカが倒れたという確証が無い!

 

 

 キィン!!

 

 

「「「はあっ!?」」」

 

「いいアイデアだ……で?次は?」

 

 ボトルでも携行していたのか、頭から水を被ってビショ濡れになったギャングオルカが超音波で炎の壁を引き裂き、ギロリと僕らを睨みつけていた。

 

 貴方なら耐えると思っていた。だから──

 

「───緑谷!!」

「マンチェスター……!!」

 

 最後の一瞬まで、絶対に気を緩めない!!

 

 

 

 

 

 ビ────ッ!!

 

 

「っ!!?」

「……」

 

 

 『配置された全てのHUCが危険区域より救助されました』

 

 『誠に勝手ではございますが、これにて仮免試験全工程終了となります!!』

 

 

 最後の一撃が振り下ろされる前に、終わりを告げるブザーが鳴り響いた。

 

「お、終わった……?」

 

 終わった実感もないまま。アナウンスは医務室などへの案内を放送しており、僕が再起動したのはたっぷり一分ほど経ってからだった。

 

 

 

 

 

「あ?終わり?」

「……ちっ」

 

 一方、ミルコ達。こちらも戦いの爪痕は大きく、たった三人の戦闘によって都市部エリアには瓦礫が転がるばかりになっていた。

 

 ちなみにだが建物の破壊に最も貢献していたのはミルコ。次いで爆豪、間飛であり、それも大抵はミルコの破壊後の残骸を叩いたようなものだ。ヴィラン役とはいえ自重してもろて。

 

「っはぁ……ミルコさん、もー疲れた。歩けねえから背負えまと……IXA」

「そこでヒーローネーム呼ぶのやめてくれません?」

「んだよいいだろ?せっかくのヒーローネームなんだからバンバン使え!てかそっちのヒーローネームは?」

「……まだ言わねえ」

「はあ?」

「お前らは後だ」

 

 各々それなりのダメージを負っているというのに、微塵もそれを匂わせることの無いいつも通りの会話。あれだけの戦闘からのこの態度は評価に含まれないのだが、審査員たちは軽く戦慄していた。タフが過ぎる。

 

「そういや間飛さあ、ワープ連発しまくってたろ?レンジだかオーブンだかはどうしたんだよ」

「ワープの残り距離なら無制限になりましたよ……探知能力の開花でついでに克服されました」

「は?ンだそりゃ」

 

 思い出したようにミルコが尋ねたのは【レンジ】、即ち間飛の【瞬間移動】の制約について。

 今までなら連続でワープ出来る合計距離という縛りがあったはずなのだが、今回の戦いではどういうわけか無尽蔵にワープを連続させていた。

 

 返答は『克服した』というもの。

 【瞬間移動】には本来ならば緻密な座標把握が求められ、今の自分の位置からワープ先までの距離をセンチ単位で把握し、ワープ先で自分の体積の0.1%以下の体積の物質しか存在しない場所へしかワープ不可。それを今まで感覚だけで処理していた。

 

 総移動距離の縛りは無意識的にワープ前の元の位置を……座標でいうゼロの位置を忘れない為のセーフティ。常に基準点へと戻れるように残されていた安全装置だ。

 

 レンジを回復する為の移動は基準点の再設定準備。【瞬間移動】による移動を初期化する手順でしかなかった。

 

 そこへ個性伸ばしによる探知能力が開花したことで自分が今いる場所を基準点と出来るようになった。

 

 つまりはいちいちリセットを挟む必要が無くなり、間飛は自分を中心とした半径約500m内をインターバルも消耗も無しでワープ出来るということになる。

 

「数学のグラフとかイメージすると分かりやすいですよ。今までは原点Oに戻さなきゃいけなかったのが、X座標Y座標のどこかから始めても問題なくなったって感じなので」

「……私、そういうの苦手なんだわ」

「知ってます」

「だろうな」

「ははーん、ミルコさん泣くぞ?」

 

 と、理論立ててみたものの脳筋思考のミルコに伝わるはずもなく。頭から煙が出る前に説明を切り上げてとにかくそういう事になった、で済ませた。それでいいのかプロヒーロー。

 

 

 

 

「そういや私控え室近くに待機してて聞こえたんだがよ」

「はいはい」

「お前さ……リューキュウファンらしいな?」

「……?それが何か」*2

「…………えい」

「痛ってぇ!?何故耳を噛んだ!?」

「何か腹立つ」

「?????」*3

 

 

 

*1
間飛は考えないものとする

*2
心の底からの『何か問題あります?』という顔

*3
スペースキャット的な顔






ミルコ「お疲れ!!」
オルカ「……何処へ行っていた?」
ミルコ「候補生二人に足止めされてたわ」
オルカ「は?」
ミルコ「神野ン時の奴と、体育祭一位の奴」
オルカ「ああ……(察し)」

リューキュウ(悪寒が……?)
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